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27話 有馬和樹 「王都へ」
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テントの中で目が覚めた。
木の棒と布で作った野営テントから出て、背伸びをする。
さきほど、去年の秋に行った里の収穫祭を夢で見た。里の大通りにテーブルをいっぱい並べて、あれは面白かった。
ポンティアナックの戦いで使った物干しを利用して、三角巾も吊るした。それをピッカリ光らせて。
もう雰囲気は祭の屋台だった。喜多絵麻を始めとする調理班の料理、森の民からは各家庭の自慢の一品が置かれた。どれもこれも美味しかったな。
おれは楽しかった思い出をしまい、顔を洗いに近くの小川に向かった。歩きながら深呼吸する。森の中は新芽の香りに満ちていて、いい匂いだ。
小川で顔を洗い、あたりを見回す。プリンスの姿がない。今の状況を確認しに行ったか。
森が切れる場所に行くと、茂みの中で王都の北門をうかがってるプリンスを見つけた。寝っ転がって、望遠鏡を目に当てている。この望遠鏡は工作班のお手製だ。
「どうだ?」
おれもプリンスの隣に寝っ転がった。プリンスが望遠鏡を差し出してくる。
「門の衛兵が多いな」
望遠鏡を受けとり見てみる。ほんとだ。おれらが脱出した一年前は二人ほどしかいなかったのに、今日は二十人ほどいる。
今日は王都で「召喚祭」が開かれる日だ。昨年に問題が起きたので、今年の警備は厳重なのかもしれない。ちょっと面倒だな。
まあ面倒だと言っても、昨年に問題を起こしたのは自分たちでなので、皮肉以外の何物でもない。
門の警備が厳重になったほかは、特に変わりはないようだった。すでに城内に潜入した多くの森の民からも、異常の知らせは入っていない。
おれとプリンスは立ち上がり、野営のテントまで戻った。荷物の中から装備を出してつける。
おれの装備は左腕に鉄の小手、胴には胸当て、あとは穴あきの革手袋だ。剣は持たず、腰に小さなナイフが一本。これは攻撃というより縄を切ったりするための物だ。
おれと真逆がプリンス。ほぼ防具を付けない。剣士は素早さが命らしい。
「何もつけない。すべて剣でさばけ!」
というのが、二人の師匠が出した結論だ。
ジャムザウール、ヴァゼルゲビナード両名の剣を受け継ぎ、ハイブリットになっているのがプリンスらしい。
おれも二人の弟子なんだが、おれに出した結論はこうだ。
「最終的には、好きにせい」
との事。なんでも、おれは我が強いので細かいところは習っても無駄だと。そうかなあ、けっこう殊勝な弟子だと思うけどなあ。
召喚祭が始まるまで、まだ時間はあるだろう。焚き火の残りで湯を沸かし、茶を淹れた。荷物から土田清正の作ったパンを出す。
今、この朝も、土田はひとり、里でパン生地をこねているのだろう。
「俺は、なんの役にも立たない。ここで、みんなの帰りを待つよ」
土田はそう言った。通話も入れないでくれと言った。一日は長いだろう。じっと待つことが自分の戦い、そう決めたのか。
「キング」
「なんだ?」
「どうでもいいが、お前の茶、まずいな」
「そうか?」
おれは自分の茶を飲んだ。ほんとだ、まずい。
お茶の名人が同級生にいる。連れてくれば良かったか。
各人は、王都の周辺に散らばっている。集団でいると目立って危険だ。
門に一番近いここからの偵察が、おれとプリンスの役目。戦闘を開始するかどうかの最終判断も、おれら二人に委ねられている。
『キング、プリンス』
遠藤ももの通話スキルが入った。
「はいよ」
『闘技場が開いた。今、観客が入り始めたところ』
「わかった。北門を見るから五百数えた後に」
『了解』
戦闘班の人間にとって、五百を数えてじっと待つのは普通だ。時計がないからそうやってタイミングを合わせる。前なら百でもイラついただろうが、今となっては千でも二千でも余裕だ。
プリンスと北門を見に行く。
衛兵の配置は変わってない。そこからの城内は静かだ。やはり王都の人間は闘技場に集まっている。
プリンスと目が合う。うなずいた。よし、おれと考えは同じ。
『キング、五百』
「オッケー遠藤、みんなに一斉通信、戦闘開始だ」
『了解』
召喚祭を狙う。それは今年なのか来年なのか、意見はわかれた。
冬の間は良かったが、雪解けとともに里の近くに斥候が現れだした。帝国、いや教会が本腰を入れて探しにきている証拠だ。まだ見つかってはいないが、来年だともたないだろう。
森の中を通る道まで出た。王都の北門からラウルの街に繋がる広い馬車道。
待っていると、道の向こうに大きな箱のような物体が見えた。ゆっくり近づいてくる。
この異世界に似つかわしくない物が、徐々に見えてきた。トレーラーだ。
これは、もちろん鉄ではない。植物の汁で黒く塗っているが、木製のトレーラーだ。大具の茂木あつしを始めとする工作班の力作と言える。
トレーラーは三台連なっていた。先頭には箱馬車。中で運転するために前と横は窓になっている。矢を防ぐために細かい金網をつけていた。
おれとプリンスの前でトレーラーが止まる。先頭の箱馬車に近づいた。
「お待たせ!」
そう元気よく言ったのは進藤好道だ。車輪がついた物を動かすスキル。しかし、この大きさだと大変なんだろう。まだ春先で気温は低いのに、顔には汗をかいている。
「進藤、大丈夫か?」
「ああ。ここから城までは問題ない。さすがに、これで里までは帰れないけどな」
トレーラーの部品は里で作り、今日に合わせて森の中で組み上げた。今日が終われば、王都に捨てて帰る。
「じゃあ、頼む!」
おれは箱馬車の車体を叩いた。
「中免小僧!」
スキル発動の声が聞こえた。どうでもいいけど進藤、免許違反だぜ。これはどう見ても中型二輪じゃない。
ガタガタ! と震えが後ろのトレーラーまで伝わる。ゆっくりと動き出した。
トレーラーの車体にはハシゴがついている。屋根に登るためだ。
トレーラーの屋根は手すりがついていて、人が乗れるようになっている。一台目のトレーラーには、姫野美姫、ゲスオ、ドクの頭脳班三人がいた。
二台目、三台目の上にはクラスのみんなが分散して乗っている。
「おはよう姫野」
「おはよう、キング」
およそ、これから戦闘を始めるには似つかわしく挨拶だったが、ほかに言いようもない。
「キング、プリンス、これ」
姫野が出してきたのは、菩提樹の葉を形どった木彫りのネックレスだ。親指の先ほどの小さな木彫りに、革紐が結んである。
「ウルパ村のご婦人方が作ってくれたの。お守りにって」
なるほど。おれは首に下げようとした。しかし、おれのだけ形がいびつだ。
「あっ、キングのはフルレとイルレが手伝ったから」
そういうことか。あと、ほんの少し光っているような気がするのは気のせいだろうか。
菩提樹のお守りを首に下げ、前方を見つめた。北門の先に広がる城下町。その中央にそびえる王の城。
……いよいよだな。
木の棒と布で作った野営テントから出て、背伸びをする。
さきほど、去年の秋に行った里の収穫祭を夢で見た。里の大通りにテーブルをいっぱい並べて、あれは面白かった。
ポンティアナックの戦いで使った物干しを利用して、三角巾も吊るした。それをピッカリ光らせて。
もう雰囲気は祭の屋台だった。喜多絵麻を始めとする調理班の料理、森の民からは各家庭の自慢の一品が置かれた。どれもこれも美味しかったな。
おれは楽しかった思い出をしまい、顔を洗いに近くの小川に向かった。歩きながら深呼吸する。森の中は新芽の香りに満ちていて、いい匂いだ。
小川で顔を洗い、あたりを見回す。プリンスの姿がない。今の状況を確認しに行ったか。
森が切れる場所に行くと、茂みの中で王都の北門をうかがってるプリンスを見つけた。寝っ転がって、望遠鏡を目に当てている。この望遠鏡は工作班のお手製だ。
「どうだ?」
おれもプリンスの隣に寝っ転がった。プリンスが望遠鏡を差し出してくる。
「門の衛兵が多いな」
望遠鏡を受けとり見てみる。ほんとだ。おれらが脱出した一年前は二人ほどしかいなかったのに、今日は二十人ほどいる。
今日は王都で「召喚祭」が開かれる日だ。昨年に問題が起きたので、今年の警備は厳重なのかもしれない。ちょっと面倒だな。
まあ面倒だと言っても、昨年に問題を起こしたのは自分たちでなので、皮肉以外の何物でもない。
門の警備が厳重になったほかは、特に変わりはないようだった。すでに城内に潜入した多くの森の民からも、異常の知らせは入っていない。
おれとプリンスは立ち上がり、野営のテントまで戻った。荷物の中から装備を出してつける。
おれの装備は左腕に鉄の小手、胴には胸当て、あとは穴あきの革手袋だ。剣は持たず、腰に小さなナイフが一本。これは攻撃というより縄を切ったりするための物だ。
おれと真逆がプリンス。ほぼ防具を付けない。剣士は素早さが命らしい。
「何もつけない。すべて剣でさばけ!」
というのが、二人の師匠が出した結論だ。
ジャムザウール、ヴァゼルゲビナード両名の剣を受け継ぎ、ハイブリットになっているのがプリンスらしい。
おれも二人の弟子なんだが、おれに出した結論はこうだ。
「最終的には、好きにせい」
との事。なんでも、おれは我が強いので細かいところは習っても無駄だと。そうかなあ、けっこう殊勝な弟子だと思うけどなあ。
召喚祭が始まるまで、まだ時間はあるだろう。焚き火の残りで湯を沸かし、茶を淹れた。荷物から土田清正の作ったパンを出す。
今、この朝も、土田はひとり、里でパン生地をこねているのだろう。
「俺は、なんの役にも立たない。ここで、みんなの帰りを待つよ」
土田はそう言った。通話も入れないでくれと言った。一日は長いだろう。じっと待つことが自分の戦い、そう決めたのか。
「キング」
「なんだ?」
「どうでもいいが、お前の茶、まずいな」
「そうか?」
おれは自分の茶を飲んだ。ほんとだ、まずい。
お茶の名人が同級生にいる。連れてくれば良かったか。
各人は、王都の周辺に散らばっている。集団でいると目立って危険だ。
門に一番近いここからの偵察が、おれとプリンスの役目。戦闘を開始するかどうかの最終判断も、おれら二人に委ねられている。
『キング、プリンス』
遠藤ももの通話スキルが入った。
「はいよ」
『闘技場が開いた。今、観客が入り始めたところ』
「わかった。北門を見るから五百数えた後に」
『了解』
戦闘班の人間にとって、五百を数えてじっと待つのは普通だ。時計がないからそうやってタイミングを合わせる。前なら百でもイラついただろうが、今となっては千でも二千でも余裕だ。
プリンスと北門を見に行く。
衛兵の配置は変わってない。そこからの城内は静かだ。やはり王都の人間は闘技場に集まっている。
プリンスと目が合う。うなずいた。よし、おれと考えは同じ。
『キング、五百』
「オッケー遠藤、みんなに一斉通信、戦闘開始だ」
『了解』
召喚祭を狙う。それは今年なのか来年なのか、意見はわかれた。
冬の間は良かったが、雪解けとともに里の近くに斥候が現れだした。帝国、いや教会が本腰を入れて探しにきている証拠だ。まだ見つかってはいないが、来年だともたないだろう。
森の中を通る道まで出た。王都の北門からラウルの街に繋がる広い馬車道。
待っていると、道の向こうに大きな箱のような物体が見えた。ゆっくり近づいてくる。
この異世界に似つかわしくない物が、徐々に見えてきた。トレーラーだ。
これは、もちろん鉄ではない。植物の汁で黒く塗っているが、木製のトレーラーだ。大具の茂木あつしを始めとする工作班の力作と言える。
トレーラーは三台連なっていた。先頭には箱馬車。中で運転するために前と横は窓になっている。矢を防ぐために細かい金網をつけていた。
おれとプリンスの前でトレーラーが止まる。先頭の箱馬車に近づいた。
「お待たせ!」
そう元気よく言ったのは進藤好道だ。車輪がついた物を動かすスキル。しかし、この大きさだと大変なんだろう。まだ春先で気温は低いのに、顔には汗をかいている。
「進藤、大丈夫か?」
「ああ。ここから城までは問題ない。さすがに、これで里までは帰れないけどな」
トレーラーの部品は里で作り、今日に合わせて森の中で組み上げた。今日が終われば、王都に捨てて帰る。
「じゃあ、頼む!」
おれは箱馬車の車体を叩いた。
「中免小僧!」
スキル発動の声が聞こえた。どうでもいいけど進藤、免許違反だぜ。これはどう見ても中型二輪じゃない。
ガタガタ! と震えが後ろのトレーラーまで伝わる。ゆっくりと動き出した。
トレーラーの車体にはハシゴがついている。屋根に登るためだ。
トレーラーの屋根は手すりがついていて、人が乗れるようになっている。一台目のトレーラーには、姫野美姫、ゲスオ、ドクの頭脳班三人がいた。
二台目、三台目の上にはクラスのみんなが分散して乗っている。
「おはよう姫野」
「おはよう、キング」
およそ、これから戦闘を始めるには似つかわしく挨拶だったが、ほかに言いようもない。
「キング、プリンス、これ」
姫野が出してきたのは、菩提樹の葉を形どった木彫りのネックレスだ。親指の先ほどの小さな木彫りに、革紐が結んである。
「ウルパ村のご婦人方が作ってくれたの。お守りにって」
なるほど。おれは首に下げようとした。しかし、おれのだけ形がいびつだ。
「あっ、キングのはフルレとイルレが手伝ったから」
そういうことか。あと、ほんの少し光っているような気がするのは気のせいだろうか。
菩提樹のお守りを首に下げ、前方を見つめた。北門の先に広がる城下町。その中央にそびえる王の城。
……いよいよだな。
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