AbnormalAbility

某勇者

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第0話「『能力』」

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この世界には、『能力Ability』がある。
『能力』は人に宿り、新たな力を与える。
『能力』を持つ人は、『能力者』と呼ばれている。
いつ『能力』が生まれたかは、誰にもわからない。
『能力』の内容は、人によってさまざまである。
例えば、『火を操る能力』や、『空に浮かぶ能力』だ。
他にも、『1km先までの人を感知できる能力』なんてのもある。
本当に、さまざまだ。
ただし、中には『能力』を持たない人…『通常者』もいる。
『通常者』は、『能力者』より身分や立場が低くなりがちである。
でも、『能力』は生まれつき持つこともあれば、新しく身に着けることもある。
新しく身に着けた『能力』で、成り上がった人もいるわけだ。
こんな世界だから、犯罪がひっきりなしに起こる。
『能力』は便利でもあるが、すべてを壊しかねない危険でもある。
だから政府は、『能力管理部』を設立した。
能力を手に入れた人は、必ず申告しなければならない。
能力の内容、いつ手に入れたか、どういうきっかけか。
そういう細かなこともしっかりと書かされる。
その理由は単純、『能力者』を管理するためだ。
『能力者』が暴走すれば、尋常じゃない被害が出るのは確実だ。
そこで、『能力管理部』が迅速に鎮圧し、被害を即座に回復させる。
もちろん、役割上『能力者』が必要だ。
そこはご安心、正義感あふれる強力な『能力者』が何人もいる。
だから、平和が保たれている。
最近は事件も少なくなってきていて、かなり平穏だ。
…だけど、その平穏が今、破られようとしている。
この事件の鍵となるのは…
異常Abnormal」としか言えない『能力者』だった。
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