古の物語

某勇者

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005.超重大イベント

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~前回までのあらすじ~
1.突如として異世界に来たハルト。
生活に慣れたと思いきや、
突如魔王軍がやってきた!
2.魔王軍の強い奴と戦うハルト。
自身と相手の強さを知りながら、
作戦に誘導する!
3.魔王軍を撃退したハルト。
一緒についてきた姫と一緒に、
魔王討伐の旅へと向かう!
4.隣町までやってきたハルト。
姫の決意を受け取り、
魔物を狩ってレベル上げ!

春実の記憶を頼りにたどり着いたその森は、確かに神秘的だった。
不思議な感覚に包まれているような気がする。
「すごい…きれい…」
「間違いなく、何かありそうだ。」
「例えば?」
「そうだな…聖なる剣とか、見知らぬ生物とか?」
「そういわれると、確かにありそう!」
「ま、実際はどうなのかわかんないけどな。」
こういういかにもな時に限って、実際は違うこともある。
期待もほどほどに、俺たちは森の奥へと進む。
霧がかかっているせいで、終わりが見えない。
どこまで行っても終わらないような気もしてきた。
でも諦めず、先に進み続け…ついに。
「…!」
「うわぁ…すごい奇麗…」
俺たちは、そのきれいな光景を目の当たりにした。
数多の草木が生い茂り、それらを暖かい日の光がやさしく包み込む。
現れた1本の道も、この場所によく溶け込んでいる。
まさに幻想的で、この世の光景とは思えなかった。
「…すごいな。」
「だね。」
…言葉も全く出てこない。
目の前に広がる光景が、思考を放棄させる。
ふと、後ろからそよ風が吹いてきた。
その風のわずかな力に押され、道を歩き始める。
「あ、待って…」
そう言って、春実も後に続く。
歩いている間も、その光景に目を奪われ続けていた。
こんな状態であるこそ、本当の『無心』というのだろう。
ふとそんなことを思いながらも、その足を進める。
しばらく進むと、草木でできたトンネルがあった。
明らかに普通ではない光景に、再びふと思った。
これは、『自然』が作り出したのだろうと。
自然にこういうトンネルができたのではない。
『自然』そのものが、自分の意志で作り上げたのだ。
…普段の自分ならたどり着かない考えに、自ら驚いた。
この空間にいると、心や思考が浄化されるような気がする。
そしてトンネルの中に入る。
中は涼しく、また別の心地よさがあった。
日の光もところどころ入っており、神聖さが増している。
そんな、神聖なトンネルを抜けると…
「…!?」
「…!?」
2人して、目の前の光景に驚愕した。
たどり着いた先にあったのは、草木のドーム。
その中央に、巨大な時計があった。
しかも、普通の時計ではない。
赤、橙、黄、緑、青、紫の針が、一つの時計の中にあった。
あと、1本の紫の線も入っていた。
そしてその時計のしたには、光があった。
「なんだろう、これ…」
「さあな…」
俺はその時計を、もう一度見た。
紫の線が入っているのは、16分の線の下。
大体…16.2あたりか?
そして、6つの針を見る。
一番大きいのは紫色
それから順に青、緑、黄、橙、赤だ。
そして、赤は短針、橙は長針だろう。
なら、他の4色は?
4つとも、12を指している。
「ねぇ、ハルト…」
「どうした?」
「この時計…じゃない?」
「逆?いったいどういう…」
そこで俺は気づいた。
この時計はカウントダウンしているということに。
「…なら、残る時間はあと5分半だ。」
「時間切れになったらどうなるの?」
「さあな…その光に変化でも起きるんじゃないか?」
もちろん、確証はないが。
「まてよ…もし、他の針も同じようなものなら…」
「ものなら、どうなるの?」
「このカウントダウン時計の設定時間がわかるかもしれない。」
「本当!?」
「ああ。最初の紫の針の位置を紫の線、残りは12の位置とするだろ?」
「とすると、16.2×60×60×60×60×60…到底計算できないよ?」
「…12597120000…」
「え?」
「計算結果は、125億9712万秒だ。」
「え……え!?暗算したの!?!?」
「こう見えて俺、暗算が大の得意だからな。ちと時間はかかったが、これぐらいならまだいける。」
「すごい…」
「で、ここからが大変な作業だ。ちと待ってろ?」
「わかった。」
そうして俺は、暗算で明確な時間を求める。
時間を求めるのはかなり時間がかかった…
しかし、ついに答えを算出できた…
「…なっ!?」
が、その答えに驚愕した。
「どうしたの!?答えがでたの!?」
「ああ。ただ、その時間が問題なんだ。」
「どれぐらい?50年とか?」
「……399年と165日前だ。」
「…え?それって…」
「ああ。つまり、1つ前の魔王襲来がはじまってから200日後に、これができたんだ。」
「…この中には、何があるの?」
「さあな…何か重要なものがあることには違いないだろうけど。」
「とりあえず、時間が来るまで待つ?」
「だな。とりあえず、待つか。」
残り時間は1分半。
はたしてこの光は何なのか…

60…59…58…57…56…
残り時間もあと少し。
俺も春実も、かなり期待を寄せていた。
400年前からの贈り物…
果たして中身は何だろうか?

38…37…36…35…34…
「400年前って、何かあったか?」
「うーん…例えば、日菜さんがいたんだって。」
「日菜?」
「日菜さんはものすごく強い聖騎士なんだって。彼女がいたから、400年前の魔王襲来の被害が大きく抑えられたんだって。」
「それはすごいな。」
「だから、もしかしたら彼女の持っていた聖剣や防具が入っているかも!」
「それは期待大だな…」
そうこう話しているうちに…
5…4…3…2…1…
0!
瞬間、光が強くなり始める…!
「うおっ眩しっ!?」
「一体どうなるの…?」
強くなり続ける光がすべてを覆いつくし…
そのまま気を失ってしまった。

「…ううっ」
意識を取り戻した俺は、上半身を起こし、
辺りを見渡す。
側には、同じく意識を失っている春実がいた。
「一体何が起きたんだ?」
そうつぶやきながら見渡していると…
「!?」
光のあった場所に、妖精がいた。
同じく、気を失っている。
その体の大きさは…大体自分の半分ほど、85cm前後だろう。
…妖精についての話は、少しだけ聞いたことがある。
どれか1つの属性の魔法の扱いに格段に長けた、属性の化身ともいえる存在だ。
人間に友好的な妖精もいれば、敵対的な妖精もいるらしい。
確か服の色によって属性がわかるそうだが…
服の色は白色。
記憶が正しければ…どの属性にも当てはまらない。
これは…一体どういうことだ?
とりあえず、春実を起こさないと…
「おい、春実!起きろ!」
「…うーん…」
幸いなことに、すぐ目を覚ました。
「あれ、ハルト?」
「よかった、すぐ目を覚ましたか。」
「一体、何があったの?」
「あれ…」
俺は妖精を指さした。
「…!あれって、妖精だよね?」
「ああ。しかも色は白、今までに当てはまらない。」
「じゃあ、この妖精が…」
「ああ、光の中身だ。」
「でも、白い妖精って、何の属性だろう?」
「俺の予想だと、新しい属性か、まだ属性を持つ前か、あるいは…」
「聖属性?」
「ああ。」
「実際どうなのかな?」
「さぁ?起こしてみればわかると思うけど…」
残念ながら、起きる気配は一向にない。
はてさて、どうするべきか…
刹那、世界が揺れ出した。
「じ、地震?」
「…いや、ちがうな!?」
「え?」
「多分、ここが崩壊し始めてるんだ!」
「じゃ、じゃあ早く逃げよう!」
「急ぐぞ!」
俺の推測通り、少しずつ世界が壊れ始めていた。
もし世界の崩壊に巻き込まれたら…
考えたくもない結末だな。
「見て!」
「…!!」
視線の先には、ポータルがあった。
しかし、少しずつ閉じている。
「…!やべぇ、来てる!」
「え!?」
後ろからは、崩壊がものすごい勢いで迫ってくる。
このペースだと間に合わないかもしれない。
「仕方ねぇ…飛び込むぞ!」
「ええ!?」
そのまま俺たちは、ポータルへのダイブした。

飛び込む2人、閉じゆく扉、消えゆく世界。
そして……




あとがき
最後の意味深な文章は何かって?
尺稼ぎだよ()
とまあ冗談はさておき、
果たして2人は無事なのか?
それを強調するためのあの文章です。
無事かどうかは、次回のお楽しみです。
果たして見れるのはいつになるのか?
……わからん。
だいぶ気分で書いてるからね…
まあ、相変わらず気長に待ってください。
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みんなの感想(1件)

2022.08.24 ユーザー名の登録がありません

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某勇者
2022.08.24 某勇者

生意気なんてとんでもない!
本音をどんどん言ってくれたほうが
こっちとしては助かる!
少女とテンプレ〜に関しては
これからファンタジーに寄せるから。

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