物語好き少女とテンプレのような世界

某勇者

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第6話 勇気ある一歩

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ここにいるであろう全員と出会った翌日。
私達は全員で、周辺の探索に出かけた。
グループは4つの世界で分かれた。
私はフィルドと一緒に行動することにした。
フィルド「よろしくな、優香。」
優香「うん、よろしく!」
バウンティ「さてと…全員準備はできたな?」
フラージル「はい!」
ロスト「OKだ。」
優香「できました!」
バウンティ「よし…探索開始だ!」
みんな「了解!」
グループで四方に分かれ、探索を始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
フィルド「この辺りは探索済みだから、この先に進んで、しばらく捜索して、帰る…そんな感じ。」
優香「わかりました!」
フィルド「そうそう、魔物には気をつけ……待て、そう言えば優香、武器は持っているか?」
優香「え…あ、ない!」
フィルド「しまったな…万が一優香が孤立してしまったら…一度戻るか?」
優香「確かに、そうした方がい…」
突然、優香の目の前にピストルが出現した。
優香「わっ!…と。」
咄嗟に掴んだ優香は、そのピストルを眺めた。
少し近未来風なその見た目は、とてもかっこいい。
フィルド「これは…確か、あいつの…」
その問いに答えるように、バウンティからのビデオ通信がきた。
優香が応答ボタンを押すと、バウンティの全身が、ホログラムで現れた。
バウンティ「届いたか?」
優香「うん。これでしょ?」
優香は受け取ったピストルを見せつけた。
バウンティ「よし、無事に届いたな。」
優香「これは何?」
バウンティ「消音機能及自動装填機能付セミオート式エネルギーピストル『カバート』だ。」
優香「………なんて?」
バウンティ「そういうと思った。んじゃ1つずつ説明していくぞ。まず消音機能だ。」
優香「確か…撃った時の音を消すんだっけ?」
バウンティ「そう。しかも安物と違って完全消音。いくら近くで撃ってもバレねぇ隠密性だ。」
優香「凄い…」
バウンティ「次、自動装填機能だ。」
優香「…まさか、自動で弾をこめてくれるの?」
バウンティ「ああ。ただ、それはエネルギーピストルだからな。使うのは弾じゃなくて、エネルギーだ。マガジンは10発だが、0.5秒ごとに1発分のエネルギーが充電される。完全に弾を打ち切っても、5秒で自動リロード完了だ。」
優香「凄すぎる…」
バウンティ「一応最後に、セミオート式だ。」
優香「うーん…ごめん、わからない。」
バウンティ「安心しろ、俺も詳しいことはしらねぇ。ま、1発1発トリガーを引いて撃つタイプってことだけ知っておけばいい。」
優香「わかった。」
バウンティ「それじゃ、気をつけろよ。そいつは無反動のリコイル0で、めちゃくちゃ狙いやすいものの、威力は低い。複数相手には逃げろよ?」
優香「了解。」
そういうと、通信が切れた。
優香「…凄いピストルを貸してくれたけど、大丈夫かな?他に武器があればいいけど…」
フィルド「安心しろ、それはバウンティ曰く失敗作らしいからな。」
優香「失敗作!?これが!?」
フィルド「ステルス系が自分に合わなかったらしい。最初で最後のステルス系武器とのことだ。」
優香「そうなんだ…」
確かに、そういう人もいる。
後先考えず、とりあえず突っ込むタイプだ。
そういう人は、結果として周りに迷惑をかけてしまうことが多い。
でも、バウンティは違う。
バウンティは実力があって、一人で行動している。
だから、力押しで解決できるんだ。
フィルド「それさえあれば、最低限戦えるな。」
優香「頑張ります!」
フィルド「もちろん、無理はするなよ?」
優香「はい!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
探索開始から3時間、特に発見はない。
お昼ご飯の時間。
私たちは、あらかじめ用意してきた弁当を食べた。
弁当は私とウィークとフィルドが作った。
あと、ファントムもアイデアを出してくれた。
色とりどりのお弁当は、とてもおいしかった。
そして、私とフィルドは、食後の休憩中。
優香「ふぅ…おいしかったね。」
フィルド「ああ、我ながらとても良くできたと思うよ。でも、君たちも手伝ってくれたおかげだ。」
優香「ありがとう。そう言ってくれて、すごく嬉しい。」
フィルド「…ふふっ。」
優香「何?私、何か変なこと言った?」
フィルド「いいや。ただ…とても素直な人だなと思っただけだ。」
優香「よく家族からも「素直で優しい」って言われるの。」
フィルド「まさにそうだな。」
優香「あと、「よく直感で物事を選ぶ」とも言われたっけ?」
フィルド「…そうなのか。」
優香「あ…」
フィルド「大丈夫だ、気にしないでくれ。」
優香「………教えてくれませんか?」
フィルド「聞きたいのか?」
優香「…はい。」
フィルド「わかった…なら、話すよ。」
フィルドは改まった態度で話し始めた。
フィルド「私が生まれたきっかけは知ってるな?」
優香「キルと感が混ざり合って…でしたっけ?」
フィルド「そうだ。そうして私が生まれた。」
優香「…改めて聞いても、凄い理由ですね。」
フィルド「ああ。その時に、キルと感の力、技術、記憶…それらが混ざり合い、1つになった。だから生まれてすぐの時は、さまざまな記憶が混同していて、頭がおかしくなりそうだった。でも、記憶を整理して、それからしばらくは、とても…楽しかった。2人が残してくれた力をうまく使えば、大体のことはなんとかなった。その様子を見た仲間たちも、厚い信頼を寄せてくれている。とても順調だったんだ…あの時までは。」
優香「あの時?」
フィルド「フィルドとなってからしばらくして、ついにその問題とぶつかった…選択だ。とある問題を解決するために、いつものように2人の記憶を頼りにしようとした。でも…2人の選択が、違っていたんだ。私は、どうすればいいかわからなかった。その時は、仲間たちに決めてもらって、どうにかなった。でも、それからも選択は何度も迫ってきた。どうすればいいかわからず、何度も仲間に頼ってしまった。そうしているうちに…不安になったんだ。こんな頼りない自分を見て、失望しているんじゃないかと。そしていつの日か見捨てられるのではないかと。そう思っていても、決めることができなかった…だから教えてくれ。私は2人のどちらを選べばいいんだ?」
その問いを聞いた優香は、きょとんとした顔をしていた。
フィルド「…やっぱり、いきなり問いかけてもわからないよな。すまない、この話は…」
優香「わかるよ。」
フィルド「…え?」
優香「私ならわかるよ。フィルドがどうすればいいかでしょ?」
フィルド「お、教えてくれ!私は何をすれば!?」
優香「それは簡単だけど…難しいの。」
フィルド「どういうことだ…?」
優香「…自分で考えるの。」
フィルド「自分…で……?」
優香「そう、自分で。フィルドはキルと感の考えを頼りにしてるけど、自分で考えたことはないでしょ?確かに2人の考えは頼りになるのかもしれないけど、頼りっきりなのは違うと思う。自分の考えを持って、2人や仲間のみんなの意見を参考にすればどんな状況でも乗り切れるって、私は思うの。」
フィルド「…言われてみれば、その通りだ。だが、私の意見が間違っていれば…」
優香「そんなこと、気にしなかったらいいの。」
フィルド「気にしない…?」
優香「あなたには2人や仲間がついてるんでしょ?だったら、間違った時はみんなに助けて貰えばいいよ。」
フィルド「笑われないか…?」
優香「笑われないよ。だって、フィルドが一生懸命考えて出した案なら、みんなも攻めたりはしないよ。」
フィルド「…そう、だな。失敗を恐れず、自分で道を切り開く者こそ、勇者と呼ばれるべきだ。なら私もそうして、皆とともに乗り切ればいいだけだ。ありがとう、優香。おかげで私の悩みも晴れたよ。」
優香「よかった…私でも救える人がいるんだ。」
フィルド「ああ…さてと、そろそろ出発しようか。なにかしらの発見は欲しいからな。」
優香「うん!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
結果はなにもなし。
私とフィルドはなにも発見できなかった。
それはみんなも同じで、今日はなにも発見できず。
気になる点も特になく、本当の収穫0だった。
だから私は早めに晩ご飯を食べて、早めに寝た。
今日はたくさん移動して疲れたからね。
だから、ベッドに着いてすぐ、私は寝てしまった。
……裏で話が進んでいるとは知らずに。
バウンティ「なぁ、フィルド。」
フィルド「ん、どうしたんだい?」
バウンティ「優香に悩みを解決してもらったな?」
フィルド「……!」
バウンティ「図星すぎて声も出ないか。」
フィルド「どうしてそれを知っている?」
バウンティ「雰囲気だよ、雰囲気。お前は元気で自信があって、周りを引っ張っているリーダー気質だ…だが、今日の朝までのお前には、内に秘めた不安が見え隠れしていた。でも、今のお前にはそれが全くなくなったからな。」
フィルド「ははは…よくわかったね。」
バウンティ「そういうのが得意だからな、俺は。」
フィルド「確かに、優香には悩みを解決してもらったよ。でも、それがどうしたんだ?」
バウンティ「悩みを解決してもらった後、優香の様子に違いはなかったか?」
フィルド「…あるとすれば、多少勇敢になったくらいだ。」
バウンティ「…なるほど。」
フィルド「それがどうしたんだ?」
バウンティ「いや、その言葉を聞けて嬉しい限りだ。」
フィルド「一体なにを企んでいるんだ?」
バウンティ「なにも企んではいない。ただ、私の予想が確信へと変わり初めているだけだ。」
フィルド「一体どういう……待てよ…」
バウンティ「気づいたか?」
フィルドは少し考え、気づく。
フィルド「…!まさか、そういうことか!?」
バウンティ「どうやら気づいたみたいだな。」
フィルド「いや、しかし彼女は…!」
バウンティ「ここじゃ、なにが起きてもおかしくはない。だから、別におかしいことはない。」
フィルド「それは…そうか。」
バウンティ「素直に納得するんだな。」
フィルド「全くもってその通りだったからね。」
バウンティ「それじゃあ…次のペアはあの2人にするか?で、ラストは俺だ。」
フィルド「…そうしよう。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
優香たちのいる地から遠く。
優香たちがまだ探索していない場所。
その地に1つ、赤き宝石がポツンと置かれてある。
それは、遥か遠くの時空より運ばれてきた。
その宝石を探し求める者が2人、この地に来る。
しかしその時もまた、遥か遠い未来かもしれない。
…もしくは、意外と近い未来かもしれない。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あとがき
大変お待たせしました!
…と言っても、一体何人が待ってくれているのか。
多分0人だと思いますけどね。
次の投稿もかなり遅くなります。
また作品ごとに区切りをつけて投稿するべきか?
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感想 1

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みんなの感想(1件)

2022.08.26 ユーザー名の登録がありません

退会済ユーザのコメントです

2022.08.26 某勇者

いつかメインメンバーの情報表を
作るのも手かもしれませんねぇ…

解除

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