記憶喪失と恐怖から始まった平和への道

某勇者

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Day2

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「……うーん………うーん…?」
目が覚めて、起き上がった
「………ふわぁーーー………生きてる……」
あくびをしながら背伸びをして、それからあたりを見渡す
「ここ………どこ…?」
目覚めた場所は、眠った場所とは違った
すべてが原木のような…いや、原木でできた部屋だった
「…それに、これって……葉っぱ、だよね…?」
枕、布団、敷布団の3つがあったけど、すべて葉っぱでできていた
しかもただの葉っぱじゃない
不思議な力でつながっている
それが枕、布団、敷布団の形となっていた
感触が心地よく、もう一度寝る体制に入った
(…すごい、気持ちいい……)
永遠に寝ていたい感覚を押し切り、再び起き上がる
他に部屋にあるのは同じく原木でできた低いテーブルくらいで、他には何もなかった
新情報を集め終わったところで、いろいろと考え始めた
「多分…あの子の家…だよね…?」
寝る寸前に見えた、助けてあげた獣人の子供
多分罠を仕掛けたのはあの子
だから多分、ここはあの子の家…で、あっているはず
(僕が怖かったから…眠らせて、安全に運んだ…?でも…何のために………?)
それが、1番の謎だった
自分が怖がっている人間を眠らせて、自分の家に運ぶ
それが何の得になるのだろう?
(僕を捕まえるため…?)
それなら、ドアにカギがかかっているはず
確認するために、ドアに手をかける
ドアは……普通に開いた
ますます理由がわからなくなってきた
こうなったら、やることは1つ
「……聞こう……」
本人に話を聞いて、知るしかない
ドアを開けると、廊下があった
目の前には、『ミルの部屋』と書かれているプレートのある部屋があった
(あの子供…ミルって名前なんだ…)
左を覗くと、『倉庫』の部屋があった
(こういう場所があると、めんどくさくなってここに適当にポイしちゃうかも……)
そんなことを思いつつ、今度は右を見る
部屋が左右に1つずつあり、その奥には螺旋階段があった
部屋の名前は『トイレ』と『浴室』だった
(…あれ?水ってどこから…?)
不思議に思いながらも、ゆっくりと部屋を出た
自分がいた部屋は『客室』だった
(自分はお客さん…じゃ、ないよね…?)
疑問に思いながら、螺旋階段を上る
一周半で終わった螺旋階段の先は、広いリビングだった
と言っても、そこまで広くはない
でも、底面積は客室の部屋の2倍はある
真正面には、高いテーブルに4つの椅子がある
壁の片側にはキッチン、もう片側にはソファーがあった
キッチンには食器棚や洗浄機らしきものもある
そして、リビングの奥にはまた螺旋階段があった
(ミルはいない……まだ寝ているのかな…?)
再び螺旋階段を上る
今度は二周あった
上った先にはドアがあり、それを開けた先は…外だった
景色は薄暗く、明け方頃に見える
(…あ、そうだ…時計、あるかな……?)
玄関のドアを閉めて、リビングに降りる
リビングには時計がしっかりとあり、6時47分を指している
(…あれ…?)
確か、眠る前は昼過ぎのあたり
つまり、ざっと17,8時間近く寝ていたことになる
(そんなに時間がたっていたんだ…気づかなかった…)
時間の速さに唖然としながらも、さらに螺旋階段を下りていく
階段を下りた先にある廊下
その廊下の奥の右側が、ミルの部屋
その部屋へと足を進めて、聞き耳を立てた
(……声は、聞こえない…ん…?………これって……寝ているの…?)
うっすらと聞こえたのは、誰かの寝息
多分中にいるのはミル1人だから、ミルが寝ているということになる
(…でも、罠かも……)
眠くなる魔法を使ったのか、眠くなる何かを入れたのか、はたまたあの果物自体がそういう成分を含んでいるのか…
手段はわからないけど、1度自分に罠を仕掛けた相手
そう簡単には信用できない…なんてことはなかった
まだ、信用する・しないに必要な情報がこれっぽっちもないから
だから、自分で会って確かめるしかない
ゆっくりと扉を開けて、中を覗く
獣人の子供…ミルが、ベッドでぐっすりと寝ていた
原木と葉っぱの組み合わせで、とても気持ちよさそう
ゆっくり、慎重に前に進む…だけど…
ギシッ!と、一歩目で大きな音が出てしまった
「あっ………」
つい声も出してしまった
(起きてしまったかな…?)
おそるおそるミルを見ると…まだ寝ていた
どうやら、相当深い眠りについているらしい
それほどまでに、あのベッドが心地よいのだろうか?
安心して、再度歩き始める
今度は最大限警戒して歩き、歩き方のコツをつかむ
家具は時計や低いテーブル、勉強机と椅子があった
あ、あとベッドと本棚にカレンダー、もあった
まさしく、個人の部屋だった
ゆっくりと探索を始める
まずは勉強机
机の上に2枚の紙があった
1枚はスタンプカード、もう1枚は連絡
なんでも、朝のラジオ体操があるらしい
4月18日~4月24日の7日間、毎朝7時からと書いてある
ふと気になって、今日の日付を見た
カレンダーは目印があってわかりやすい
最後に目印があるのは4月17日だから……今日は18日かな?
時計を見ると、6時50分……………
(……あれ、このままだと寝坊しない………?)
考えがあっていれば、間違いなく遅刻寸前
もしかしたら、もう手遅れの可能性もある
(どうしよう…起こしていいのかな…?)
起こしたらすごい勢いで怖がられるかもしれない
でも、このままだとミルがラジオ体操に寝坊するかもしれない
…考えている時間がないので、迷う暇はなかった
「…おーい、朝だよー…」
呼びかけながら体を揺らしても、反応はない
「おーい……おーーい……」
少し激しく揺らしても、全く起きない
「どうしよう………こうなったら…」
ミルの頭のほうに回り込み、顔を近づけて……
「…ふぅーー…」
「わぁっ!?」
耳に息を吹きかけると、予想通り起きてくれた
「な、なんで君が!?なんで僕を起こしたの!?」
案の定、ミルはパニック状態だった
「時間見て…」
「時間!?えっとー…6時51分だけど…」
「ラジオ体操は何時から…?」
「なんでそれを…あ!もう時間だ!」
「だから起こしたんだ…」
「あ、ありがとう!あと、行ってきまーす!!」
そういうと、超特急で部屋を出ていった
「……いってらっしゃーーい………」
できることはただ、届かない声をこぼすことだけだった
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それからリビングで待つこと30分、ドアの開く音がした
「あ、ただいま!」
「おかえり…間に合った…?」
「うん!ぎりぎり間に合ったよ!」
「よかった…」
結果としては、起こして正解だった
「…それで、だけどさ」
「…どうしたの…?」
「…本当に、ありがとう。君に色々助けてもらったのに、言えてなかったからね」
「…どういたしまして…」
「そうだ、自己紹介しようよ!僕はミル、見ての通り獣人なんだ。君は?」
「………」
「あれ?もしかして…嫌だった?」
「…ないんだ…」
「え、ない?」
「記憶がないんだよね……僕が森の中で倒れている前の記憶が、何もないんだ」
「そ…そう、なんだ……ごめんね」
気まずくなって、ミルが謝った
「謝ることはないよ…そうだ、名前つけてくれる…?」
「え!?ぼ、僕が!?」
「うん…」
「うーん…どうしようかな……ちょっとお揃いにして、ミーアとかどう?」
「ミルとミーア…うん、いい感じ……それじゃぁ、僕の名前は、ミーア」
(……嬉しいな)
新しい名前、ミーア
それがあるだけで、なんだかすごく安心した
「よかった!気に入ってくれなかったらどうしようか悩んでたよ」
「いい名前を…ありがとう…」
「いやいや!別にお礼されること…なのかな?」
「うん…」
「わかった!それじゃ、ありがたく受け取るよ!どういたしまして!」
(……明るい子だなぁ……)
どこまでも明るく、底がない
ポジティブの塊と呼べる存在だった
「で、だけどさ…」
「何?」
「なんで、僕を家に連れてきたの…?」
一番の疑問を、ミルに聞く
「えーっと…ちょっとお話したかったんだ」
「お話…?」
「うん。僕、人間に会うのは初めてだから、人間のことをたくさん知りたいんだ。でも最近…人間が、城下町を襲っているって聞いたんだ」
「人間が、襲っている…!?」
初耳の新情報であり、驚愕の新情報でもあった
そしてその情報も、謎を紐解く鍵であった
「だから…僕を怖がっていたの…?」
「うん。人間を知りたいけど、人間が怖い。だから、最初は観察してたんだけど…」
「音でばれちゃったんだよね…」
「足に草が絡まった時はもうダメだって思ったけど…君は、優しくほどいてくれた。だから、ちょっと思ったんだ。君なら、お話して大丈夫かもしれないって」
「それで眠らして、家に連れてきたの…?」
「ううん。実は、そこで誤算があったんだ。食べさせた木の実、覚えてる?」
「うん…とてもおいしかった…」
「あれは『睡眠の果実』で、食べるとちょっと眠たくなってくるんだ。寝る前に食べるのがいいんだけど…人間には効き目が強すぎたみたいなんだ。昨日は時々おこそうとしたけど、結局起きなかったんだ」
「そうなんだ…」
どうやら罠ではなく、ただの誤算だったらしい
そのことを聞いて、すこし安心した
「でも…記憶、ないんだよね?」
「うん…いつか思い出せるかもしれないけど、今は何も覚えてない…」
「そっか…これからどうするの?」
「…うーん……特に、何も思い浮かばないや………」
「それじゃぁ…どうしよう?」
「とりあえず、外に…」
「あ、外は危ないよ!領域内に侵入しているのがばれてるから、兵士があちこちを見回っているんだ」
「じゃあ…ここにいさせてもらっても…いい…?」
「もちろん!ここで隠れてて!」
「分かった……」
さっさと領域内から離れればいい
それはわかっているけど…
(ここに残るべきだって…そう言ってる)
心の声が、ここに残るべきだと言っている
それに、心の声だけじゃない
自分でも、そう思っている
理由は……ない
ただの勘だった
「それじゃぁ…これでも読む?」
渡されたのは、新聞紙だった
見てみると、様々なことが書かれている
その中でも、ひときわ大きくて目立つ記事があった
「『侵入者出現、抜け道あるか?』これって、僕だよね…」
「うん。」
記事に細かく目を通して、内容を確認する
『昨日の昼頃、サンクチュアリ領域内に侵入者を検知した。』
(ここ、サンクチュアリっていうんだ…)
サンクチュアリは「聖域」という意味…のはず
誰にも侵されることのない、神聖な場所のことだそうだ
人間から隠れられて、誰でも幸せに暮らせる場所
そういう意味で『サンクチュアリ』と名付けられたのだろう
(じゃあ、なんで人間が侵入できるのだろう…?)
『抜け道』ということは、どこかに入り口があるはずだ
(もしかしたら、1か所だけ普通に入れるところがある…とか?)
記事の続きを読む
『しかし、現在3か所判明している侵入場所からは侵入していないとのこと。』
「侵入…場所…?」
「あの霧は魔法で作られているんだけど、所々効果がかなり薄いところがあるんだ。そこで…魔法中和装置、だっけ?それで効果をなくして、侵入しているんだって」
「わかっているなら…」
「でも、安定して出力できる魔力は、今はあれが限界なんだって」
「そうなんだ……」
対策したいのに、対策できない
対策するには、襲撃に対応しながらさらに発展する必要がある
それがどれだけ大変なことなのか…よくわからない
でも、とても大変であるということは、容易に想像できた
更に記事を読む
『現在捜索中であるが、今のところ新しい侵入場所は発見されてない模様。今後、発見される可能性もあり。安全のため、今日中は外出禁止とする』
「あ、ここに書いてたね」
「ちょっと…申し訳ない、かな…」
「確かにね。あ、そうだ!これとかも読む?」
次に渡されたのは、本
「『人間と獣人の歴史』…確かに、気になるかも…」
「昨日出来立てだよ」
「へぇ……」
歴史を知れば、何か思い出せるかもしれない
その期待を胸に、本を開く
「そうだ…今って、いつ…?」
「えっと…2019年4月20日だって」
「ありがとう…」
それを踏まえたうえで、歴史を見ていく
『2016年7月6日:人間と獣人が初接触』
(かなり昔なんだ…)
『2016年11月28日:人間と獣人の間で平和条約を締結』
(あれ…締結したのに…なんで…?)
『2018年12月29日:人間がナフ村を襲撃し、その後も各地で襲撃発生』
(…始めたのは、人間…?)
「突然始まったんだ。あちこちの村が襲われて、物資を全部奪っていったんだ。わけがわからない。どうして奪うんだろう?交易とかで順当に手に入れればいいのに。」
「…それが、人間なんだ……」
「え?」
「人間はいつも何かに飢えていて、決して満たされることがない……それが当たり前なんだ…」
「じゃあ…君も?」
「うん…僕は今、記憶に飢えている……どこかに消えた記憶を、全部取り戻したい欲があるんだ…」
「じゃあその為なら、何でもするの?」
「ううん…もちろん、常識の範囲内でするよ……今の自分には、常識がわからないけど…」
「そうなんだ…よかった」
「人間は欲を満たすために、交易や取引をする…でも、中にはそれを嘲笑う人もいる……それが……」
「襲って全部奪う人…だよね?」
「うん…それに、獣人を恐れていたと思う……」
「獣人を恐れている?」
「うん…人間は、自分の知らない未知のものに対して、とてつもないほどの恐怖を抱くんだ…だから、自由を奪ったり、知り尽くしたりしないと、怖い…そういう理由だと思う。もちろん、そんなのは間違ってるけど…」
「…知ってるの?」
「うん……そう、覚えてる…」
「そうなんだ……じゃあ、僕たちと仲良くしたい人もいるの?」
「いるはず…だけど……」
「そんな人、いなかった記憶しかないよ?」
「うーん………」
(何で皆襲うんだろう……しかも、いきなり……)
考えても答えは出ないであろう問い
でも、考える
無意識のうちに、深く考えていた
何か…何かがある
そうしてずっと考えていた、そのとき…
ふと何かが、頭をよぎった
それは一瞬で消えそうな思考だった
でも、とても大切そうな思考だった
慌ててそれを掴んだ時…
ブチッ
「うっ……………」
「えっ!?だ、大丈夫!ミーア…ミーア!」
頭の中で何かが切れて、一瞬で気を失った……
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

……おかしい
こんなの、明らかにおかしい
何故今まで気づかなかったんだ?
いや、そうか…上手くされていたのか…
くそっ………悔しい
でも、悔やむのは後だ
まずは目の前のことから始めよう
『全員が獣人殲滅に賛同している理由』
『空白の3ヶ月の内容の解明』
これが課題、か………
かなり大変そうだが…やるしかないんだ
それに、心当たりもあるし………

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「…ぇ…ねぇ…起きて…起きて!」
うっすらと聞こえてくる、誰かの声
いや、この声は確か…
「う…ううん……ミ、ル……?」
「あ!起きた!?よかったー…突然倒れたから、心配したよ?」
「ごめんね、迷惑かけて…」
「大丈夫。それより、気分はどう?」
「全然…悪く、ない……」
「本当に?」
「うん…本当に…」
「なら、安心。それにしても、なんでいきなり倒れたの?」
「わからない…何か、大切そうな記憶を思い出そうとしたのは覚えてるけど……」
「何か思い出しそうだったの?」
「うん…でも、そこで記憶が途切れてて……」
「そうなんだ……何か、思い出せた?」
「ううん………でも、何か『観た』気がする……」
「何を見たの?」
「それはわからない…けど多分、何かの記憶だとおもう…」
「なら、いつか記憶が戻るのかな?」
「……かも、しれないね……」
「へぇー…なんだか、不思議だね」
「うん、不思議……」
「とりあえず、今日は遅いし、寝たらどう?寝れるかわからないけど」
時間は21時45分
確かに、普通なら寝る時間だ
「わかった…それじゃあ、おやすみ……」
「おやすみ」
僕は客室へと戻り、葉っぱのベッドで寝ようとした
…意外なことに、すぐに眠くなってきた
僕は眠気に身をゆだねて、眠りについた。


あとがき

お久しぶりです。
最近は忙しかったので、投稿に時間がかかりました。
今回のお話もまあまあの出来だと思います。
もしもよろしければ、コメントしていただけると、
これからの参考になります。
読んでいただき、ありがとうございました。
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