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おまけ話
通勤電車15分間の癒し 【1】
こんにちは私は二度と登場しないかもしれないモブA子25歳OL。
就職して仕事にも慣れた3年目、彼氏もなく代り映えのしない自宅と会社との往復の日々に究極の癒しを見つけました。
4月、私が乗る駅から2つ目の駅から乗り込んでくる高校生二人組。
見たことない顔だから新入生なんだろなーっとボーと見てたら高身長の黒メガネ君の容姿が…よく見ると見たこともないほどのイケメンじゃない。
そのイケメンが守るかのように電車に迎え入れてる小さい男の子も同じ制服に身を包み、満員電車に四苦八苦していた。
その日から私はこの車両のこのドア付近を死守するようになった。
この二人の会話を聞けるのは私の会社がある都内の大きな駅まで。
この子たちは制服を見る限り隣県のアホ私立男子校のようだ。
イケメン君は見た目と会話の内容からしてかなりおりこうっぽい。なのになぜあんな高校に行ってるのか…。
理由はすぐにわかった。
小さいほうのしょーちゃんがとてもお勉強が苦手なようだ。
そのしょーちゃんと離れたくなくてわざわざ同じ高校を受験したらしい。
なぜ知ってるかと言うと電車内のこの二人のおしゃべりで聞いたからだ。
毎日毎日この二人の会話を盗み聞く、今の私の唯一の癒しである。
しかし私以外にも同じように考える人が多くて、混んでるこの時間の車両でもこのドア付近の混雑具合はほかに類を見ない。
そこで私は自分が乗る駅の2つ奥の始発駅まで戻るという究極奥義を編み出した。
その分早起きしなければだけど、こうすることで確実に二人がのるドアのしょーちゃんが捕まるポールの横の座席を確保できるのだ。
この席だとしょーちゃんの顔は見れないが話しは一言一句漏らさず聞けるという特等席だ。
今日も二人はいつもの場所に収まった。
ポールを掴むしょーちゃんの手が私の顔のすぐ横にある。
いつもならポールに腕を通し少し上を掴むカイルくんの制服の袖を両手でつかんでいるしょーちゃんなのに今日はポールを直に握っていた。
しかもいつもなら興奮気味に楽し気におしゃべりするのに沈黙のままだ。
私の前に立つおじさんも怪訝な顔をしながらスマホを覗いてるふりをしながらチラチラ見ている。
このおじさんは先々月までは両耳のイヤホンから音漏れするほどに音楽を聴いていたくせにいつのまにかイヤホンをしなくなっていた。同好の士なのだろう。
車両中の人がソワソワ視線を彷徨わせる中しょーちゃんが放った一言で全てを理解した。
「お前なー絶交って言っただろ!何ふつーに迎えに来て一緒に電車乗ってんだよ」
あぁ…またですか。
前回の絶交の理由は確かおやつがらみの揉め事だった。
そういえばプリンみたいになってるしょーちゃんの髪を土曜日の夜にカイルくんがお泊りに行って染めてあげるって言ってたのも染まっていない。ということはケンカは土曜日だったのだろう。
乗客たちがなーんだとホッとして会話に耳を澄ませつつ見て見ぬふりをする。
月曜の朝のけだるさは社会人ならわかるだろう、憂鬱とまでは言わないがまた1週間が始まるのだという倦怠感。
だが今の我々は毎朝のこの二人の会話を活力に会社に向かっているといっても過言ではない。
この二人の会話は癒しに満たされている。
ひたすらにしょーちゃんを甘やかすカイルくんと、無邪気でいつも楽しそうなしょーちゃん。
今回の絶交の理由はなんだろうと言い合いを続ける二人に耳を澄ませていると
「お、オレのファーストキスの邪魔しやがって!」
ブホッ!!
しょーちゃんの言葉に盛大にせき込んだのは私ではない。右隣に座る先週からの新参者のリーマンだ。
こいつは何かとリアクションが大きくて二人の会話にいちいち体で反応をしてしまう未熟者で私は結構こいつにイライラしてた。
カイルくんがチラリとこっちを見たのを感じ私は右隣のこいつを殴りつけたい気持ちでいっぱいになった。
(お前のせいで二人が電車でのおしゃべりをやめたりしたらどう責任を取るつもりなんだ!?)
そんな目で前に立つおじさんもパートに向かうであろうオバサンも女子学生も右隣の男を睨んでいた。当たり前だ。
この車両のこのドア付近の顔なじみは皆【カイ&しょー親衛隊】なのだから。
就職して仕事にも慣れた3年目、彼氏もなく代り映えのしない自宅と会社との往復の日々に究極の癒しを見つけました。
4月、私が乗る駅から2つ目の駅から乗り込んでくる高校生二人組。
見たことない顔だから新入生なんだろなーっとボーと見てたら高身長の黒メガネ君の容姿が…よく見ると見たこともないほどのイケメンじゃない。
そのイケメンが守るかのように電車に迎え入れてる小さい男の子も同じ制服に身を包み、満員電車に四苦八苦していた。
その日から私はこの車両のこのドア付近を死守するようになった。
この二人の会話を聞けるのは私の会社がある都内の大きな駅まで。
この子たちは制服を見る限り隣県のアホ私立男子校のようだ。
イケメン君は見た目と会話の内容からしてかなりおりこうっぽい。なのになぜあんな高校に行ってるのか…。
理由はすぐにわかった。
小さいほうのしょーちゃんがとてもお勉強が苦手なようだ。
そのしょーちゃんと離れたくなくてわざわざ同じ高校を受験したらしい。
なぜ知ってるかと言うと電車内のこの二人のおしゃべりで聞いたからだ。
毎日毎日この二人の会話を盗み聞く、今の私の唯一の癒しである。
しかし私以外にも同じように考える人が多くて、混んでるこの時間の車両でもこのドア付近の混雑具合はほかに類を見ない。
そこで私は自分が乗る駅の2つ奥の始発駅まで戻るという究極奥義を編み出した。
その分早起きしなければだけど、こうすることで確実に二人がのるドアのしょーちゃんが捕まるポールの横の座席を確保できるのだ。
この席だとしょーちゃんの顔は見れないが話しは一言一句漏らさず聞けるという特等席だ。
今日も二人はいつもの場所に収まった。
ポールを掴むしょーちゃんの手が私の顔のすぐ横にある。
いつもならポールに腕を通し少し上を掴むカイルくんの制服の袖を両手でつかんでいるしょーちゃんなのに今日はポールを直に握っていた。
しかもいつもなら興奮気味に楽し気におしゃべりするのに沈黙のままだ。
私の前に立つおじさんも怪訝な顔をしながらスマホを覗いてるふりをしながらチラチラ見ている。
このおじさんは先々月までは両耳のイヤホンから音漏れするほどに音楽を聴いていたくせにいつのまにかイヤホンをしなくなっていた。同好の士なのだろう。
車両中の人がソワソワ視線を彷徨わせる中しょーちゃんが放った一言で全てを理解した。
「お前なー絶交って言っただろ!何ふつーに迎えに来て一緒に電車乗ってんだよ」
あぁ…またですか。
前回の絶交の理由は確かおやつがらみの揉め事だった。
そういえばプリンみたいになってるしょーちゃんの髪を土曜日の夜にカイルくんがお泊りに行って染めてあげるって言ってたのも染まっていない。ということはケンカは土曜日だったのだろう。
乗客たちがなーんだとホッとして会話に耳を澄ませつつ見て見ぬふりをする。
月曜の朝のけだるさは社会人ならわかるだろう、憂鬱とまでは言わないがまた1週間が始まるのだという倦怠感。
だが今の我々は毎朝のこの二人の会話を活力に会社に向かっているといっても過言ではない。
この二人の会話は癒しに満たされている。
ひたすらにしょーちゃんを甘やかすカイルくんと、無邪気でいつも楽しそうなしょーちゃん。
今回の絶交の理由はなんだろうと言い合いを続ける二人に耳を澄ませていると
「お、オレのファーストキスの邪魔しやがって!」
ブホッ!!
しょーちゃんの言葉に盛大にせき込んだのは私ではない。右隣に座る先週からの新参者のリーマンだ。
こいつは何かとリアクションが大きくて二人の会話にいちいち体で反応をしてしまう未熟者で私は結構こいつにイライラしてた。
カイルくんがチラリとこっちを見たのを感じ私は右隣のこいつを殴りつけたい気持ちでいっぱいになった。
(お前のせいで二人が電車でのおしゃべりをやめたりしたらどう責任を取るつもりなんだ!?)
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