なんでやねんpart-1

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やっぱり関西はええわ〜!

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真夏日猛暑日が続く7月のこと。

いつも通り、迎賓館のイベントスタッフのアルバイトを終え、足早に地下鉄南北線の駅に向かいいつもの電車に乗った。

混んで入るが、立ち仕事で疲れて足が棒の様になっているので、空いている席を探して座る様にしている。その途端に汗がドバッと吹き出す。

迎賓館の仕事は夏にも関わらず黒のズボンに白のカッターシャツ。黒の革靴に帽子は駄目。レシーバーを体に巻き付けてあの広い敷地内を歩き回る。

終わる頃には既にびしょびしょの汗に疲れはピーク状態。そこへ来て約1キロ以上の地下鉄までの道をその後のバスの時刻に合わせる為小走りで行かなければならない。

お分かり頂けるとおもうが、クーラーの効いた車内でも汗が吹き出す。そこで私は黒のミラショーンの皮の鞄からうちわを出して煽ぎ出した。たまたまその日の出社時に扇子が見つからなかったのでうちわを持って行ったのだ。

私は元一部上々の経営者。定年後大阪からTOKYO2020の仕事の関係で東京へ単身赴任していてそれまでの期間のアルバイトで内閣府管轄の迎賓館でイベント事業に携わっていた。約3年前の事である。

恐らく、一目には年は行ってるがその出立や風情から紳士的な経営者風に見えたと思う。その一見ジェントルマンが皮の高級ビジネスバッグからうちわを取り出して扇ぎだした。前の座席に座っている若い女性グループが必死で抑えながら笑いだした。恥ずかしいと思いつつ今日は扇子が無いので仕方が無いと思い知らん振りをしながら一生懸命扇ぎ続けた。

目的の駅に着いたので、うちわをバッグにしまい込んで席を立ったとき、私が見ていた内輪の表面の涼しいデザインとは全く違う裏面が見えた。気が付いて無かった。そりゃあ笑われるはず!裏面のデザインというのは白地に太い文字だけで「関西スーパー」と書かれていた。

都内を抜け六本木に続く東京の都会の地下鉄で関西スーパーは初めてのお披露目だったんだろう。いかにも関西人の匂いが表現されていたんだろう。次の日に迎賓館の男女スタッフ達に話したら、「うちわは無いでしょ!しかも関西スーパーの文字?そりゃあ一瞬爆笑するとおもいますよ…」と言われた。

どう、貴方も笑いますか…?それから2年、オリンピックも延期されたので、今現在は南大阪方面にいます。最寄りのお買い物は関西スーパー。物凄く重宝しています。御堂筋線の地下鉄で大阪市内へ行く時は関西スーパーのうちわを気兼ねせず扇ぎまくっています。

しかし、なんでやねん?

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