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第182話 広まる朗報
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「戦争が終わったぁ!」
クランダルク王国の王都クラマスは元より、各地に朗報がもたらされた。
オリシホン川流域の領地争いが発端となったコードコンタール王国との紛争。
無数の小競り合いと数回大きめの戦いを経た後、痛み分けとして終戦協定を結ぶことになった。
「何のための争いだったんだ」
そんな声もあったが、被害が生まれてからでないと収まらないこともある。
「よきにはからえ」
テセント・クランダルク国王も異存はない。
間もなく最高責任者であるカルトメリ・ワーレンバーグ公爵の元で終戦協定が結ばれる予定が決まった。
吉報はワーレンバーグ公爵家にも届いた。
「アラーナ様、よろしゅうございましたね」
【本当に】
連日、カルトメリから手紙を受け取っていたアラーナ。
その内容から戦争の終わりが近いとは思っていたものの、それゆえに油断のできない毎日でもある。
何かの拍子にどんでん返しが起こっても不思議ではないからだ。
およそ1カ月半にわたる戦争。
両国の死者はそれぞれ50人ほどとなった。
争いの大きさからすれば、かなり少ない水準に収まったと言える。
それでも死者は死者であり、家族を始めとした関係者は悲しみに包まれることになる。
彼らへの補償金などは、これからの問題だ。
「公爵家に被害が少なかったのは何よりでした」
【あまり表立っては言えませんが】
うれしさを抑えたパルマの言葉にアラーナも同意した。
死者の大半は近隣貴族の私兵や住民らの民兵が占め、クランダルク王国軍がごく一部であった。
ワーレンバーグ公爵家の騎士や関係者は怪我を負った者こそいたが、幸いにも死者は出なかった。
「1日も早くお戻りになられると良いのですが」
【協定の締結 戦争の後処理 帰軍とありますから】
「概ね半月くらいでしょうか」
【そうでしょうね】
「つまり、お寂しいのもあと半月、と言うわけですね」
パルマがいたずらっぽく笑うものの、アラーナも負けてはいない。
【それならパルマもね】
カルトメリに同行して出征しているのはオルギュールも同じ。
【戻り次第 長めのお休みを出しますね】
「ええ、ぜひ!」
2人の間に笑い声が起こった。
朗報とともに届き始めたのが、アラーナ宛てのお茶会やお食事の誘い。
戦争中につき自粛していた反動もあり、アラーナやテレシアを招待する手紙がたくさん届いた。
同じような招待状は、カルトメリの両親であるヴァイン・ワーレンバーグ先代公爵とプリス夫人にも届いている。それでも、こちらは高齢で引退した身とあって常識的な数に留まっていた。
しかしアラーナとテレシア宛ての招待状は段違いに多い。
「これと、これと…、これも顔を出した方が…」
「これは私が行くわ。これもとこれも…」
アラーナ(タルバン)とテレシアが招待状を分ける。
全ての招待に応じることができれば良いが、それも難しいほどの数が届いていた。
「アラーナと一緒にどうぞ、ですって」
【アリィとして付いて行きましょうか】
「それも面白そうね」
アリィ(アラーナ)とパルマ、さらにデュランも加わって招待状の返事を書いていく。
それだけで日によっては半日潰れてしまうこともあった。
しかし、カルトメリやオルギュールが戻るまでの日にちを費やす好都合ともなった。
クランダルク王国の王都クラマスは元より、各地に朗報がもたらされた。
オリシホン川流域の領地争いが発端となったコードコンタール王国との紛争。
無数の小競り合いと数回大きめの戦いを経た後、痛み分けとして終戦協定を結ぶことになった。
「何のための争いだったんだ」
そんな声もあったが、被害が生まれてからでないと収まらないこともある。
「よきにはからえ」
テセント・クランダルク国王も異存はない。
間もなく最高責任者であるカルトメリ・ワーレンバーグ公爵の元で終戦協定が結ばれる予定が決まった。
吉報はワーレンバーグ公爵家にも届いた。
「アラーナ様、よろしゅうございましたね」
【本当に】
連日、カルトメリから手紙を受け取っていたアラーナ。
その内容から戦争の終わりが近いとは思っていたものの、それゆえに油断のできない毎日でもある。
何かの拍子にどんでん返しが起こっても不思議ではないからだ。
およそ1カ月半にわたる戦争。
両国の死者はそれぞれ50人ほどとなった。
争いの大きさからすれば、かなり少ない水準に収まったと言える。
それでも死者は死者であり、家族を始めとした関係者は悲しみに包まれることになる。
彼らへの補償金などは、これからの問題だ。
「公爵家に被害が少なかったのは何よりでした」
【あまり表立っては言えませんが】
うれしさを抑えたパルマの言葉にアラーナも同意した。
死者の大半は近隣貴族の私兵や住民らの民兵が占め、クランダルク王国軍がごく一部であった。
ワーレンバーグ公爵家の騎士や関係者は怪我を負った者こそいたが、幸いにも死者は出なかった。
「1日も早くお戻りになられると良いのですが」
【協定の締結 戦争の後処理 帰軍とありますから】
「概ね半月くらいでしょうか」
【そうでしょうね】
「つまり、お寂しいのもあと半月、と言うわけですね」
パルマがいたずらっぽく笑うものの、アラーナも負けてはいない。
【それならパルマもね】
カルトメリに同行して出征しているのはオルギュールも同じ。
【戻り次第 長めのお休みを出しますね】
「ええ、ぜひ!」
2人の間に笑い声が起こった。
朗報とともに届き始めたのが、アラーナ宛てのお茶会やお食事の誘い。
戦争中につき自粛していた反動もあり、アラーナやテレシアを招待する手紙がたくさん届いた。
同じような招待状は、カルトメリの両親であるヴァイン・ワーレンバーグ先代公爵とプリス夫人にも届いている。それでも、こちらは高齢で引退した身とあって常識的な数に留まっていた。
しかしアラーナとテレシア宛ての招待状は段違いに多い。
「これと、これと…、これも顔を出した方が…」
「これは私が行くわ。これもとこれも…」
アラーナ(タルバン)とテレシアが招待状を分ける。
全ての招待に応じることができれば良いが、それも難しいほどの数が届いていた。
「アラーナと一緒にどうぞ、ですって」
【アリィとして付いて行きましょうか】
「それも面白そうね」
アリィ(アラーナ)とパルマ、さらにデュランも加わって招待状の返事を書いていく。
それだけで日によっては半日潰れてしまうこともあった。
しかし、カルトメリやオルギュールが戻るまでの日にちを費やす好都合ともなった。
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