【R18】兄と2人で公爵様に嫁いでみました【完結】

県田 星

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第189話 2つの朗報

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「閣下が目を覚まされたそうです!」

駆け込んできた騎士がもたらした朗報により、ワーレンバーグ公爵家、さらには王都や王宮も喜びに包まれた。

「良かったわね」

別邸の居間ではアラーナ(タルバン)とテレシアが明るい顔を見せていた。
ホッとするアラーナ(タルバン)の傍にテレシアが座り腕を絡ませる。

「ねえ、私の勘って当たるでしょう」
「そうだな」
「そう、だから、これからもぜーんぶ当たるのよ」

テレシアの「ぜーんぶ」が結婚であり子供であるのを悟り、アラーナ(タルバン)が顔を赤くする。
そこで…

グゥー

ほぼ同時に2人のお腹が鳴った。

一大事が起きて以来、アラーナ(タルバン)も極力明るく振舞ってきたテレシアも食事が進まなかったためだ。

「とりあえず何か食べようか」
「そうね。で、その後に腹ごなしの運動をしましょう」
「ベッドで?」
「もちろん!」

テレシアはアラーナ(タルバン)の腕を引っ張っていった。


翌日、使者となったデュランが一足先にワーレンバーグ公爵家へ戻って来た。
執事であるフレード・センシスと細かに打ち合わせをする。

「全快までは日にちがかかるとの見立てでしたが、それなりに動けるよう回復しましたので、馬車でお戻りになります」
「そうなると着くのは1週間ほどか」
「はい、医師からの手紙もこちらに」

フレードが診断書と手紙に目を通す。

「記憶なども問題ないと…」
「と言うよりも、むしろ十分に動けない分、一層頭の回転が鋭くなられたような気がします」
「ほう…」

ワーレンバーグ公爵家ではカルトメリを迎える体制を全員全力で整え始めた。


報告を終えたデュランが別邸に足を向ける。
居間に入ったデュランは、アラーナ(タルバン)を見て思わず言葉をこぼす。

「タ、タルバン様、お疲れ…ですか?」

アラーナ(タルバン)とテレシアは笑顔で出迎えたものの、2人の様相は大きく異なった。
アラーナ(タルバン)の顔色はさえない上に疲労の色も濃いように見える。

「いろいろと…運動を、な」

デュランがチラリとテレシアを見る。
こちらは肌の色つやも良く。笑顔は輝くばかり。

「あら、デュラン、どうかしたの?」

デュランは“運動”の意味を察したものの、それ以上は何も言わない。
話題を変える意味で、もうひとつの朗報を伝える。

「公爵閣下とは別に良いお話がありまして…」

アラーナ(タルバン)とテレシアが「何?」と聞き返す。

「アラーナ様の声が戻りました」
「えっ!」
「本当!」

ひとしきり3人で喜んだ後、今後の見通しについて話し合う。

「ご苦労様でした。デュランもゆっくり休みなさいな」
「そうだな、兄さんが戻るまで日はあるし、明日明後日を休みとしようか」

デュランがうやうやしく頭を下げる。

「ありがとうございます。それでは失礼いたします」

デュランが部屋を出て扉を閉めると…

チュパッ、ジュパン、チュポン…

すぐに扉の向こうから何度も唇を重ねる音が聞こえた。
デュランは足音を立てないように部屋から離れる。

「俺もご無沙汰だったなあ」

ワーレンバーグ公爵家が大きく関わる戦争中だったことで、デュランも娼館通いを控えていた。

「よっし!」

数カ月ぶりに「甘い口づけ」へ向かうと決めた。
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