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エピローグ
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「ご回復、おめでとうございます」
大勢集まった賓客の中から、テレシアの父親であるルゴルド・リフォリア子爵が進み出て祝福の言葉を送る。
「うむ、感謝する」
「本当にありがとうございます」
カルトメリは満面の笑みで受け取り、並んで立つアラーナも笑顔になる。
ワーレンバーグ公爵家に戻ってからひと月ほど。
カルトメリ自身の努力と夫人であるアラーナの尽力もあり、身体能力は五分程度から九分程度に回復した。
今日のパーティーは、それをお披露目する場となっている。
「アラーナのおかげだ」
リフォリア子爵のみならず、会う人ごとにカルトメリはそう口にする。
ただし“おかげ”が、“夜の”や“ベッドの上で”のような意味と知る人は、ごくごく一部に限られた。
「ところで、テレシア嬢のことだが…」
「ええ、存じております」
「ほほぅ、すると異存はないと?」
ルゴルドは快くうなずいた。
「ここ数年でタルバン伯爵様の人柄はよく理解できておりますし、クリスパ領の立て直しも順調と聞いておりますので…」
「うむ、もうしばらくは辛抱が必要だろうが、先々は有望だ。もう貧乏伯爵家とは呼ばれないはずだ」
「ただ…」
何か思うところがあるらしく、リフォリア子爵が視線を伏せる。
「ただ?」
「テレシアが何かとクリスパ領に行きたがるので、どうにも困っておりまして…」
「ほう」
「いえ、タルバン伯爵様を信頼していないわけではないのですが、結婚前の男女があまり近すぎるのは、どうにも…。閣下はいかが思われますか?」
カルトメリは苦笑する。
「わっはっは、遅いよ!もうズッポシやること、やってるって!」
娘の貞操を心配する父親に、事実を明かすほど非情なカルトメリではない。
まして、テレシアの方が積極的などとは…。
素知らぬ顔でリフォリア子爵の肩に手を置く。
「2人には早めに式を挙げるよう促しておこう」
「よろしくお願いいたします」
一礼してリフォリア子爵が離れると、アラーナが「すみません。兄がとんでもないことを」と謝った。
「いや、タルバンをしきりに突っついたのは私だ。とは言え、そんな状況は予想できなかったがなあ」
公爵邸に戻ったカルトメリは「どうしてそうなった?」と、タルバンらに尋ねて回る。
タルバン本人は元より、テレシアは口ごもったものの、アラーナやパルマはあっさり答えた。
「雷がひどい夜がありまして…」
「ああ、テレシアは雷が苦手だったな」
アラーナに女装したタルバンが、そうと気づかないテレシアにベッドに引き込まれた。
そして話をしているうちに我慢できずにのしかかった、と。
そうした推移を聞いたカルトメリは大笑いした。
「まあ、兄として弟が幸せになってくれるのなら、それ以上のことはない」
「ありがとうございます」
「しかし、だ…」
カルトメリが何か思い込む様子で空を見上げると、アラーナが心配げな視線を向ける。
「どうしました?」
「兄妹そろって嫁に迎えたのは、世界広しと言えども私くらいのものだろうな」
カルトメリとアラーナがそろって笑顔になった。
-完-
-------------------------------------------------------------------------------------
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
途中からかなり端折ってしまい、申し訳ありませんでした。m(_ _)m
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
次回作は、明治中頃の日本を舞台として女男の2人の主人公を数話ずつ交互に書いていきます。
本作と同じく恋愛カテゴリ、R18設定です。
題名は「おのぼりさんが帝都の貴族屋敷で奉公することになりました」です。
本日の夜にある程度まとめて投稿します。
その後は本作同様に毎日投稿を行い、ひと月ほどで終わる見込みです。
……おそらく、多分、きっと。.....φ(@_@;)
もしよろしければ、どうぞご覧ください。
大勢集まった賓客の中から、テレシアの父親であるルゴルド・リフォリア子爵が進み出て祝福の言葉を送る。
「うむ、感謝する」
「本当にありがとうございます」
カルトメリは満面の笑みで受け取り、並んで立つアラーナも笑顔になる。
ワーレンバーグ公爵家に戻ってからひと月ほど。
カルトメリ自身の努力と夫人であるアラーナの尽力もあり、身体能力は五分程度から九分程度に回復した。
今日のパーティーは、それをお披露目する場となっている。
「アラーナのおかげだ」
リフォリア子爵のみならず、会う人ごとにカルトメリはそう口にする。
ただし“おかげ”が、“夜の”や“ベッドの上で”のような意味と知る人は、ごくごく一部に限られた。
「ところで、テレシア嬢のことだが…」
「ええ、存じております」
「ほほぅ、すると異存はないと?」
ルゴルドは快くうなずいた。
「ここ数年でタルバン伯爵様の人柄はよく理解できておりますし、クリスパ領の立て直しも順調と聞いておりますので…」
「うむ、もうしばらくは辛抱が必要だろうが、先々は有望だ。もう貧乏伯爵家とは呼ばれないはずだ」
「ただ…」
何か思うところがあるらしく、リフォリア子爵が視線を伏せる。
「ただ?」
「テレシアが何かとクリスパ領に行きたがるので、どうにも困っておりまして…」
「ほう」
「いえ、タルバン伯爵様を信頼していないわけではないのですが、結婚前の男女があまり近すぎるのは、どうにも…。閣下はいかが思われますか?」
カルトメリは苦笑する。
「わっはっは、遅いよ!もうズッポシやること、やってるって!」
娘の貞操を心配する父親に、事実を明かすほど非情なカルトメリではない。
まして、テレシアの方が積極的などとは…。
素知らぬ顔でリフォリア子爵の肩に手を置く。
「2人には早めに式を挙げるよう促しておこう」
「よろしくお願いいたします」
一礼してリフォリア子爵が離れると、アラーナが「すみません。兄がとんでもないことを」と謝った。
「いや、タルバンをしきりに突っついたのは私だ。とは言え、そんな状況は予想できなかったがなあ」
公爵邸に戻ったカルトメリは「どうしてそうなった?」と、タルバンらに尋ねて回る。
タルバン本人は元より、テレシアは口ごもったものの、アラーナやパルマはあっさり答えた。
「雷がひどい夜がありまして…」
「ああ、テレシアは雷が苦手だったな」
アラーナに女装したタルバンが、そうと気づかないテレシアにベッドに引き込まれた。
そして話をしているうちに我慢できずにのしかかった、と。
そうした推移を聞いたカルトメリは大笑いした。
「まあ、兄として弟が幸せになってくれるのなら、それ以上のことはない」
「ありがとうございます」
「しかし、だ…」
カルトメリが何か思い込む様子で空を見上げると、アラーナが心配げな視線を向ける。
「どうしました?」
「兄妹そろって嫁に迎えたのは、世界広しと言えども私くらいのものだろうな」
カルトメリとアラーナがそろって笑顔になった。
-完-
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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
途中からかなり端折ってしまい、申し訳ありませんでした。m(_ _)m
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
次回作は、明治中頃の日本を舞台として女男の2人の主人公を数話ずつ交互に書いていきます。
本作と同じく恋愛カテゴリ、R18設定です。
題名は「おのぼりさんが帝都の貴族屋敷で奉公することになりました」です。
本日の夜にある程度まとめて投稿します。
その後は本作同様に毎日投稿を行い、ひと月ほどで終わる見込みです。
……おそらく、多分、きっと。.....φ(@_@;)
もしよろしければ、どうぞご覧ください。
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