愛弟日記4

けい兄たん

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4-103 A.F. 🇩🇪

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4-103  A.F.🇩🇪

俺:   〇〇から帰宅して時間遅れの昼食を取り、歯磨きをして午後2時近くにくつろぎタイムを迎える男の図]

〇〇に行けば自分の番が来るのを待たされる大勢の老若男女の風景から解放されて、いかに精神的に疲れるかがわかる。

こんなときはコンスタンチン・ルポの『エテレオ』が聴きたくなるんだ、俺。

愛弟:   兄さん

俺:   エテレオはイタリア語かスペイン語で、「エーテルの」とか「天界の」とかいう意味で、何か地球の全てから離脱したような気分になるんだ。

瞑想的な音楽で、『待つ』という苦しみから解放されるようなカンジが好きなんだ。

でも同時に、
昔読んだホロコーストの犠牲者たちがナチの有蓋貨車に押し込まれて絶滅収容所に運ばれたときの苦しみも。思っちゃう。可哀想なアンネ・フランクちゃんたちの苦しみも思い出される。……俺はね。

愛弟:   兄さん…

俺:   彼女の日記はよく読んでいないけど俺は……

しばらくして〕

だんだん待たされた苦しみが癒えてきたよ

愛弟:   微笑する愛弟〕

俺:   気温15°の11月2日の晴れの日だった。

さて、何しようかな?

レコーダの停止ボタンを押す俺〕

『まいにち中国語』の復習でもするかな?

愛弟:   秋に聴きたいスピッツってのは?

俺:   それもいいね 微笑

ふたり:   見つめ合う 笑顔
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