後悔

ジョー

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後悔

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「元気ないんですか? 大丈夫ですか?」
私がかけた言葉じゃあまだ足りなくて、
私がもう少し違う言葉をかけていたら、あなたはこんなことになってなかったかもしれないのに…
「恋愛的な意味で好きです。」
女の私が同じく女であるあなたにメールでこう伝えたのは、私が中学一年の秋のことでした。あなたは、「ありがとう」と言っただけだったけど、好きと言えてよかったと今では思います。あなたは、私より一つ年上で、部活の先輩でした。優しくて、真面目で、笑顔のかわいいあなたに私は惹かれていきました。私があなたに告白してからも、あなたは普通の後輩のように接してくれました。そんなところもすごくすごく好きでした。
 そんな日常に変化が起きたのは私があなたに告白してから、二週間ほど後のことでした、私は他の先輩があなたの悪口を言っているのを聞いてしまいました。その日から、あなたに対する他の先輩の態度は、日に日に悪くなっていきました。でも、あなたは笑顔を絶やしませんでした。
 それからしばらく経ったある日、あなたの顔にはいつものあのかわいい笑顔が浮かんでいませんでした。私は、勇気を振り絞って、
「元気ないんですか? 大丈夫ですか?」と聞きました。あなたはその時、笑顔で「大丈夫だよ。」 と答えましたね、
いくら頭の悪い私にだってわかります。 
今のあなたの笑顔が作り笑顔だってこと、本当は大丈夫じゃないこと、でも、私はなにもできませんでした。 
 次の日、部活へ行ってみるとあなたの姿がありませんでした。そして、先輩から あなたがいなくなった、と聞きました。その時、私は「そうなんですか。」と答えるだけでした。なにもできなかったのです。あなたが心配で心配で仕方がなかった、でも行動にうつすだけの勇気がなくて、、、
 あなたがいなくなって一週間が過ぎた日。
あなたの部屋から遺書が発見されました。そこには、他の先輩からいじめられたこと、先生からも見放されたこと、がいなくなった原因だと書いてありました。そして、小さく書かれた最後の一文には私の名前が書いてありました。


 私も好きだったよ、


というメッセージを添えて、

あなたは私に「後悔」という二文字を残して、天国へ旅立っていきました
 あなたは今どこにいますか、
 あなたは今生きていますか、
 生きているのならあなたに会いたいです。

 あなたにしか消せない、私の胸に残る後悔の文字を消してください。


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