異世界ボーナスを引き当ててしまったようです。

SAIKAI

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第99話 ホラー

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 ドンドンドンドン

 扉を叩く音が強くなっていく、これでは扉が打ち破られるのも時間の問題だろう

「ひぃやぁーーーー!って叫んでる場合じゃねぇ!このままじゃジリ貧だ、なぁに案外あいつ(人形)だって話せば分かるかもしれないし、実は友達になりたいだけだったりするかもしれないしな。そうさ、扉を開けて迎え入れてやればいいんだ、へへへ」

 最早、恐怖で判断が可笑しくなっているとしか思えない台詞を自分が吐いている事に凶夜はまったく気がついていなかった、それだけ追い込まれているという事だろう。唯でさえ心霊現象というモノに対生が無いのに、突如として生き人形なんてものに遭遇して冷静でいられる訳は無い

 が、そんな凶夜のお花畑満開の思考は次の瞬間に吹っ飛ぶ事になる

「さぁ、よし待ってろよ、寂しかったんだよな?せぇので開けるぞ……ん?」

 ドンドンドンドン

 ぼそぼそ

(なんだ?何か…言ってる?)

 ダンッダンダンダンダンッ

「こ゛ろ゛す゛ぅ゛こ゛ろ゛す゛こ゛ろ゛す゛こ゛ろ゛す゛」

「ふぅ…」

 ぼそぼそと聞こえてきた狂気の意味を咀嚼するのに数秒

「あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛殺されるぅ!」

 ガタンッと、凶夜は全力全身全霊で扉を押さえつけて叫んだ、だがこのままこうしていても埒が明かないのも事実

 (な、何か、ドアを固定するものを…)

 この部屋に脱出口があるかは分からないが、とりあえずこの扉を塞がない事には安心出来ない、そうこうしているうちに腰のベルトに目が行く

(こいつをドアノブに括り付ければ…)

 背中でドアに体重をかけたまま、片手で起用にベルトを外していく

 (よし、もう少しで…ん?)

 ここで凶夜は違和感に気がついた、さっきまで騒がしく鳴っていたドアを叩く音が聞こえないのだ

「い、いったのか?」

 俺の事を諦めて去ったのだろうか?それならそれで嬉しいんだが…

「ぉーぃ」

 小声で、ドアの向こう側へ探りを入れる、しかし何も返事は無い

「きょーやさーん、だいじょうぶですかぁー」

 (クラリか!?)

 ドアの向こうから、聞きなれた声が聞こえてきた、もしかしてあの人形モドキを倒してくれたのだろうか

「クラリッ!」

 こうしてはいられない、一刻も早くここを脱出しなくては、そしてついでにミールを探さなくてはと理由を付け加えておく

 ギィ

「助かったぜ、それにしてもお前何処に」

 ドアを開けると

「こ゛ろ゛す゛ぅ゛こ゛ろ゛す゛こ゛ろ゛す゛こ゛ろ゛す゛」

 そこには、口を小刻みに動かす、人形モドキがぽっかりと空いた黒い瞳でこちらを見ていた

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