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第3話 結果
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メリク・アンダルシア
後ろで結ばれた金髪に目につけられた生々しい傷。筋肉もすごく壁のように大きい
かつて大戦中に1人で30人の軍隊を3隊ほど潰したと言われており、その功績が称えられ、前アンダルシア家当主から一人娘の「カトリーヌ・アンダルシア」と結婚し、そのまま当主にまで上り詰めた伝説の男である
「ち…父上…」
「パパさん…」
「ん…」
パパさんが周囲を見渡し現状を把握する
全員その状況をヒヤヒヤしながら見守っていた
そしてパパさんが口を開く
「なるほどな。コーラル。その様子だとお前…負けたな?」
「父上一体何を…まだまだ…勝負はこれからですよ…」
「もう良い!!これ以上続けなくとも結果は見えておる!!」
コーラル兄が驚いたのか体をビクつかせる
「コーラルよ。負けるなとは言わん。勝ち続けるのは人間であるなら不可能なこと。だが無様な負け方はするな。今のお前の姿は次期当主にするには恥じるべき姿だ」
「こんな大馬鹿者に負けてしまってはそれこそ末代までの恥です!!しかも武器を持たない無手の状態で負けたとあれば尚更!!だからこそ負けられないのです!!」
パァン
パパさんはその言葉を聞いた瞬間コーラル兄の頬を叩いた
「貴様…これ以上喋るのならば言葉に気をつけよ。我が戦友の子供をこれ以上侮辱するのは私を侮辱するのも同じ事だ」
「そんな…私は…」
「もうよい。話は後でじっくり聞かせてもらう」
「そんな…」
コーラル兄が膝から崩れ落ちる
するとパパさんが俺の方に歩いてきた
「アルよ…」
「は…はい!!」
「しばらく見ないうちに大きくなったなぁ!!」
パパさんが俺の頭を勢いよく撫でる
「いっ痛いよパパさん…」
「ハハハハ!!すまんすまん!!まだプロレスをやっているようで嬉しい限りだよ」
「パパさんプロレス好きなの!?」
「そりゃあそうさ。私たちの世代はプロレスをやる人も多かったからね。盛り上がったもんさ」
「すげえ!!」
「それよりジンとルカ…ご両親は元気かな?」
「多分今2人とも家の庭いじりしてるはずだよ」
「ハハハハ!!夫婦揃って元気なものだ!!」
パパさんも元気すぎるんだよなぁと思っていると、ハル兄とキラが俺に声をかける
「しかし、アルがこんなに強くなってるとは思わなかったよ。今の私でも多分勝てないなぁ」
「ハル兄それは言い過ぎだよ…」
「とにかく、お前が無事で良かったよ」
「心配かけたなぁ兄弟」
「誰が兄弟だ」
ハル兄、パパさん、そしてキラとそんなやり取りをしていくうちに日が暮れ始めた
「やっべ…もう帰らねえと」
そう言って帰る準備をしようとするとパパさんが俺に声をかける
「心配は要らんぞアル。今日は泊まって行くといい。ジンとルカも後からこっちへ来るそうだ」
「父さんと母さんが?」
「久しぶりに一緒に夕飯でもと思ってな」
「アンダルシアの飯!!」
ここの飯は最高だ。魚や肉、ありとあらゆる料理を会得した料理の達人が専属のシェフとして腕を振るうのだ
「美味いんだよなぁ楽しみだ!!」
「おっとその前にお前は俺と一緒に風呂だ」
ウキウキしている俺をキラが風呂に誘導させる
どんな料理が出てくるかは風呂の後の楽しみだ
「コーラル。お前も風呂に入ってきなさい」
「いえ。私は1度自分の剣を整備して入りますので」
「そうか。話は飯の後にでもしよう」
「わかりました」
この時ばかりは、正直コーラル兄の背中が少し小さく感じた気がした
後ろで結ばれた金髪に目につけられた生々しい傷。筋肉もすごく壁のように大きい
かつて大戦中に1人で30人の軍隊を3隊ほど潰したと言われており、その功績が称えられ、前アンダルシア家当主から一人娘の「カトリーヌ・アンダルシア」と結婚し、そのまま当主にまで上り詰めた伝説の男である
「ち…父上…」
「パパさん…」
「ん…」
パパさんが周囲を見渡し現状を把握する
全員その状況をヒヤヒヤしながら見守っていた
そしてパパさんが口を開く
「なるほどな。コーラル。その様子だとお前…負けたな?」
「父上一体何を…まだまだ…勝負はこれからですよ…」
「もう良い!!これ以上続けなくとも結果は見えておる!!」
コーラル兄が驚いたのか体をビクつかせる
「コーラルよ。負けるなとは言わん。勝ち続けるのは人間であるなら不可能なこと。だが無様な負け方はするな。今のお前の姿は次期当主にするには恥じるべき姿だ」
「こんな大馬鹿者に負けてしまってはそれこそ末代までの恥です!!しかも武器を持たない無手の状態で負けたとあれば尚更!!だからこそ負けられないのです!!」
パァン
パパさんはその言葉を聞いた瞬間コーラル兄の頬を叩いた
「貴様…これ以上喋るのならば言葉に気をつけよ。我が戦友の子供をこれ以上侮辱するのは私を侮辱するのも同じ事だ」
「そんな…私は…」
「もうよい。話は後でじっくり聞かせてもらう」
「そんな…」
コーラル兄が膝から崩れ落ちる
するとパパさんが俺の方に歩いてきた
「アルよ…」
「は…はい!!」
「しばらく見ないうちに大きくなったなぁ!!」
パパさんが俺の頭を勢いよく撫でる
「いっ痛いよパパさん…」
「ハハハハ!!すまんすまん!!まだプロレスをやっているようで嬉しい限りだよ」
「パパさんプロレス好きなの!?」
「そりゃあそうさ。私たちの世代はプロレスをやる人も多かったからね。盛り上がったもんさ」
「すげえ!!」
「それよりジンとルカ…ご両親は元気かな?」
「多分今2人とも家の庭いじりしてるはずだよ」
「ハハハハ!!夫婦揃って元気なものだ!!」
パパさんも元気すぎるんだよなぁと思っていると、ハル兄とキラが俺に声をかける
「しかし、アルがこんなに強くなってるとは思わなかったよ。今の私でも多分勝てないなぁ」
「ハル兄それは言い過ぎだよ…」
「とにかく、お前が無事で良かったよ」
「心配かけたなぁ兄弟」
「誰が兄弟だ」
ハル兄、パパさん、そしてキラとそんなやり取りをしていくうちに日が暮れ始めた
「やっべ…もう帰らねえと」
そう言って帰る準備をしようとするとパパさんが俺に声をかける
「心配は要らんぞアル。今日は泊まって行くといい。ジンとルカも後からこっちへ来るそうだ」
「父さんと母さんが?」
「久しぶりに一緒に夕飯でもと思ってな」
「アンダルシアの飯!!」
ここの飯は最高だ。魚や肉、ありとあらゆる料理を会得した料理の達人が専属のシェフとして腕を振るうのだ
「美味いんだよなぁ楽しみだ!!」
「おっとその前にお前は俺と一緒に風呂だ」
ウキウキしている俺をキラが風呂に誘導させる
どんな料理が出てくるかは風呂の後の楽しみだ
「コーラル。お前も風呂に入ってきなさい」
「いえ。私は1度自分の剣を整備して入りますので」
「そうか。話は飯の後にでもしよう」
「わかりました」
この時ばかりは、正直コーラル兄の背中が少し小さく感じた気がした
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