初恋は一期一会 ~彼女が可愛すぎるので、私の心臓は多忙な日常を送っています~

羽海

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第23話 お洒落なパンケーキ屋でお食事です

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 私たちは何度か休憩を挟みながら、ショッピングモールで洋服を見たり、この前ハンドクリームを買った雑貨屋を見たりなど、楽しい時間を過ごした。
 そしたら、気づくとちょうど良い時間となっていたので、今は本日のお目当てであるパンケーキ屋に訪れている。
 やはり人気があるみたいで、ほぼ満席の状態だったが、幸運にも二人席が空いていたため直ぐに通してもらえた。

「お洒落だね~!」

「えぇ、素敵なお店ね」

 全体的に白っぽく、清潔感のある店内である。
 いくつか観葉植物が飾られているのがアクセントになって、とてもえている。
 パスタもパンケーキも、結構色んな種類があるみたいだ。

 現在、私は手元に置いてあったメニュー表を対面側に座る竜胆さんに向けながら、どれにするか悩んでいた。

「色んな種類があって迷うね…」

「どれも美味しそうね」

 パスタだけでも、ミートソースにカルボナーラ、ペペロンチーノといった定番のものから、アボカドクリーム、和風おろしパスタなどのお洒落で女子人気が高そうなものまで様々だ。

「う~ん、私はこのジェノベーゼにしようかな!」

 そう言って、メニュー表の『とってもヘルシー!』と大きな文字で強調されている欄にあるジェノベーゼの画像を指で示す。

「そうね…私はこの明太子パスタにしようかしら」

「あ、私それとの二択で迷ってた!美味しそうだよね!」

「じゃあ共有する?」

「うん!する~!」

 もちろん私は食い気味で賛同した。
 自分で言うのもなんだが、もし今の私に尻尾があったら、餌を前にした犬のようにぶんぶんと振っていたことだろう。
そう思わせるくらいの、前のめりな返事であった。

「パンケーキはこのスペシャルパンケーキってやつで良いんだよね?」

 このスペシャルパンケーキ、画像で見る限り私の顔より大きい。それにとても豪華で、スペシャルの名に相応しい見映えをしている。
 これを選ぶの?お高そう…って思うでしょ?
なんと!開店記念で今だけ格安、五百円なんです!
 もうこれ、頼む以外の選択肢無くない?
 お店の前のポスターで知った時、既にこれを頼もう!と竜胆さんと決めたのだ。量が多いのでシェアして食べる予定である。

「えぇ、大丈夫よ」 

「じゃあ頼んじゃうね~!」
 

━━━━━━━━━━━━━━━


 注文してから約十分後、私たちのテーブルにパスタが届けられた。
 ジェノベーゼと明太子パスタ、どちらも鮮やかでめちゃくちゃお洒落だ!

「ごめん、一瞬だけ写真撮ってもいい?」

「全然構わないわよ」

 許可を得た私は高速で写真を撮る。
瞬間的に一番映える角度を導き出し、竜胆さんの手が少し入るくらいで撮影を行う。すると、あら不思議。匂わせ画像の出来上がりである。
 後でインスタにアップしよう…!

「ごめんね、お待たせ!食べよ~!」

「もう良いの?」

「うん!完璧だよ、ありがとう!」

「いえ、このくらい気にしないで大丈夫よ」

「そう?じゃあ早速」「えぇ」

「「いただきます」」

 その挨拶後、私はジェノベーゼをフォークで巻いて、口に含む。その刹那、爽やかなバジルの香りが鼻に抜けた。そして、すぐ後にはチーズ・にんにく・ナッツ・オリーブオイルなどの独特な香りも感じる。
 また、優しい風味もするが、程よく塩や胡椒、にんにく等で味が引き締められていて凄く美味である。

「これ、すっごく美味しい~!」

 あまりの美味しさに感動を覚えるくらいだ。

「こっちも美味しいわ」

「まじ?」

「えぇ、ほら」

 竜胆さんはひと口分の明太子パスタをフォークで取って差し出してくれる。
 え、良いんですか?あーんして貰って本当に宜しいんですか!? 私、照れちゃうんですけど…!
 まぁ、断るという選択肢は存在しないんだけどね。

「あ、あーん」
 
 もぐもぐ、ごっくん。
 …うん、味なんて分かんないや(昇天)
 
「え、美味し過ぎる!めちゃ美味い…!」

 うん。美味しかったのは事実だ。
多分それは明太子パスタの味じゃなくて、幸福の味なんだろうけれど。

 それから、竜胆さんにもジェノベーゼをあーんしてあげた。いや、心情的には『させて頂いた』のだが。
 される側となった竜胆さんはちょっと照れた表情をしていた。
 いや、分かる。あーんってやる側はそんなに恥ずかしくないのに、される側だとまじで照れるよね。


━━━━━━━━━━━━━━━


 お互いに半分ほど食べ終わったぐらいでパスタを交換して、私は現在、明太子パスタを食べている。

 あーんされた時は分からなかったけど、唐辛子が気持ち多めで少しピリッとくる。さらに、明太子の旨みがぎっしりと凝縮されていてとても濃厚だ。
 うん、絶品である。三つ星評価を授けよう…!
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