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イリヤとレイラ

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シャーベル=レイラ。
最強と呼ばれる無敗のガンマン。

レイラがとった弟子の中で
最高傑作と呼ばれた弟子が
エドワード=リズである。

そして、その姉弟子にあたるのが
イリヤことイリヤ=ナイトバースデー
である。

彼女は本編にはほとんど登場していないが魔法使いの中でも相当なエネルギーを
所有しており
レイラが自分の体のことを心配せずに
戦えるのはこのイリヤのおかげなのだ。
さらに、イリヤはレイラに対する
忠誠心がものすごく生涯をレイラの付き人として遂げる覚悟である。



しかし、そんな2人でも喧嘩することがある。

これは
ある日常の中で起きた2人のお話である




「イリヤ~」


「はい。どうなさいました?」

「机のチョコ食べていい?」


「ええ。どうぞ。」


「どこのやつ?」


「私が作ったものですよ。」


「お!なら安心だな。」

「パクッ」

「おー!美味しい!」


「それは、よかったですw」


(では、私もひと息つきますか。)


「師匠、私も休憩して
ひと休みすることにします。」

イリヤは冷蔵庫を開け昨日から
楽しみにとっておいたケーキを食べようとした。

「あれ?ケーキがない…」

イリヤはレイラに尋ねた。

「師匠、冷蔵庫にあったケーキ知りません?」


「ぶっ!!」
(し、しまった!!
昨日お腹が空いていてつい食べてしまった…
イリヤのだったのか…)



「さ、、、
さあ~、し、しし知らないな~」


レイラは信じられないぐらい下手な嘘をついた。

「師匠?
思い当たる節があるんですね?」


「ぐっ…
師匠を疑うというのか?」


「ケーキの恨み、食べ物の恨みは
恐ろしいですよ。」

イリヤの体からエネルギーがあふれだしているのがすぐにわかった。


「ふっ!
いいだろう!
この私相手にクリーンヒットを当てることができればケーキを倍にして返してやる!」
(ちょうど、イリヤの成長具合を
いつか見ようと思っていたところだ。
甘党のイリヤなら相当な怒りで
エネルギーにも反映するだろう。)


「いいましたね!?
必ず、ケーキ返してもらいます!!!」



「こいつで相手する!」
レイラは愛用している五代武器・銀狼を出した。


(やはり銀狼できますか…)


「全力で行かせてもらうよ!!
超絶奥義・豪炎旋風弾!!」


(い、いきなり豪炎旋風弾!?
私のエネルギーをいち早く無くす目的みたいですね…)


イリヤは遠距離武器型ではなく
遠距離能力型であり基本的な戦術だけ
レイラに教わっており技そのものの
継承はしていなかった。


レイラは、ミリオン・ウッズという
能力を宿しており最大で一度に100万本の樹木を自由自在に操ることが出来る。


「いきますよ!師匠!!」


「ジャイアント・ウッズ!!」

イリヤは樹木を繋ぎ合わせて巨大な巨人を作り上げた。

「あまい!」


「ばあああああーん!!」


巨人の腹を銃弾がつきぬきけた。
巨人は焼き尽くされた。

(っ!!
1000本も費やした巨人を一瞬で…)


「まだまだいくぞ!!
火炎狼人!」

火の人狼が野に放たれる

(火に対して木は圧倒的に相性が良くない…
焼ききれない程の量で制圧し一撃を
与えるしかない!)

「奥義・大森林!!」

大量の木が生えイリヤを囲った。


(まずい…
イリヤのやつエネルギーを貯めるために
自分を囲って防御を…
なら、こちらも!)

「狼人よ!火炎放射だ!!」

「ワォーン!!」

「ボゴウゥゥゥ!!!」


辺りの樹木は焼かれた。
しかし、緑色のオーラが光出した。


(ちっ!
貯められたか…
どうする…)



「いきますよ!師匠!
超奥義・ガイア!!!」


「出たな…     神!!」

レイラはガイアを出すことを予想していたためもう一度豪炎旋風弾を出すことを
考えていた。


「これしかない!
超絶奥義・豪炎旋風弾!!」


「バアアアアアアーーーーン!!!」

凄まじい煙が出た。


「やったか?」

レイラは辺りを見渡した。


(かかった!!)


「荊棘縛り!!」


「しまった!!!」


「シュルルル…」


「もらいましたよ!
師匠!覚悟!」


すると、レイラの背後にさっきの巨人とは別の巨人が現れた。


「な、も、もう一体…」


「いでよ!!
ジャイアント・ウッズ!!
いけー!!
ぶん殴れー!!」


「ぶっ!!」

「ドゴーーーン!!」


レイラは…


「やったー!!
師匠にクリーンヒット!!」


レイラは吹っ飛ん…


「確認!確認!」
イリヤは近づいた。


レイラは吹っ飛んでいなかった!!


(こ、これは分身の術!?)

「し、しま!!!」


「風神・轟旋弾!!」


「キャーーー!!!」

イリヤは宙を舞った。




レイラは起きた瞬間、拳銃を
イリヤに突きつけた。


「くっ!
ま、参りました…」


イリヤは跪いた。


(ここまで腕を上げたか…)

レイラは初めてイリヤにあった日のことを思い出した。



それは深い森の中、
国境付近の大きな森林の中で
泣いている少女を見つけた。


「うあぁぁぁん!!
ママー!パパー!」


レイラは救いの手を差し伸べた。




「さ、これで大丈夫だ。」

絆創膏をはり手当てをした。


「ひっく!ひっく…」
イリヤは目をうるうるさせてレイラを
見つめた。


(飴とかあげたら泣き止むかな…)


「はい。」


イリヤは無言で飴を受け取り舐めた。



(仕方ない、、、
せめて近くの国に預けるか…
確かこの近くにレインボー国があるはず
レッドシティの保護施設に行けば
なんとかなるだろ…)


レイラは施設に連れて行き引き渡そうとした。
しかし、イリヤはレイラから頑なに
離れずに抱きついたままだった。



「えっと…」


「お姉ちゃん、いかないで…」

少女のその悲しそうな目を見て
いやだとは言えなかった。


そして、レイラはイリヤを連れて
5年、そして、10年と共に旅をした。


その後、屋敷を建て、
イリヤは弟子兼、レイラのお世話役となった。


(あの時の泣き虫がここまで…)

レイラは少し微笑んだ。


「まあ、いいだろう。
特別にホールケーキご馳走してやる。」


「え!?
いいんですか!?
やったー!!
でも、負けたのになぜ?」


「ふっ…
なんとなくだ…」


(まったく、うかうかしてると
抜かれてしまいそうだな…)


そして、その数年後にリズと出会い
弟子に銀狼を預けるほどまで育てあげるのだがそれはもう少し先の話である。






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