俺の短編集

あおいろえんぴつ

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みどり

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通学路にあるおもちゃ屋。
いつもちょいと古いおもちゃが置いてある。
ある日の帰り道のこと、
入り口にカメレオンのぬいぐるみが
置いてあった。
そしてその下に300円と言う値段が
張り付いていた。
「ブサイクなカメレオン。」
思わず心の声が漏れてしまった。
しかしたまたま店員さんがいなくて
助かったと思った。
「いきなり失礼な奴だな。」
「え!?」
なんと驚くことにそのぬいぐるみは
しゃべった。
「え!?え!?なんでしゃべれるの!?」
「このご時世おもちゃ屋のおもちゃは
みんなしゃべれるぞ。
まあそんなことはどうでもいい。
今、俺のことブサイクって言って
バカにしたな?
罰として俺を家に連れて行け。」
「え?でも私お金持ってないし…」
「え~ お前300円だぞ?
持ってないのか?」
「さっきアイス買ったからないよ。
買うお金ないからまた明日来るよ。」
「ちぇっ…ま、仕方ないか。
万引きするわけにはいかないからな。
明日だからな!約束破るなよ?」
「わかったよ。」

ー翌日ー
私は300円を持っておもちゃにやってきた。
「キョロキョロ」
あたりを見回しているとお店の人が
声をかけてきた。
「なにかさがしてるのかな?」
「カメレオンのぬいぐるみを…」
「ああ!入り口にあったやつかな?
ごめんね。さっき廃棄になったんだよ。」
「そうですか。」
もともと約束を破らないために
買いに来たから特別欲しかったわけじゃない。
それでも私は捨てるなんていやだ。
あのカメレオンがかわいそうだと思った。
私はそう思って家に帰った。
帰り道私は落ち込んでいた。
しかしその帰り道。
「おーーい!」
ゴミ箱から声がした。
私は聞き覚えの声がしたのでゴミ箱を
のぞいた。
「あ!あのカメレオン!」
「ったく!遅いんだよ!来るのが!
あと一歩で燃やされるとこだったぞ!」
「ふふっ…
ごめんごめん。
でもちゃんと買いに来たよ。
もうお金はいらないかもしれないけど」
「もらってくれるのか?」
「どうしよっかな~私爬虫類嫌いだからな~。」
私は笑いながら言った。
「いやいや、俺ぬいぐるみだし。」
「うそだよ~。
私本物のカメレオン飼ってるしw
生き物の世話好きだから!
それにしゃべるカメレオンのぬいぐるみなんて私しか持ってないだろうしww」
「ちゃんと大事にしてくれよ!?」
「もちろん!名前も決めたよ!」
「お!いいね!」
「私と同じみどりって名前!」
「お前みどりっていうのか。
そういえば名前聞いてなかったぜw
ま、飼い主と同じ名前っていうのも
悪くないな…
よろしく頼むぜ!みどり!」
「よろしく!みどり!」
我が家に愉快な家族が1人増えた。
これから楽しくなりそうです。
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