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追うは先人、世界の謎
新たな芽
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2060年、異常気象により突如東京の街に現れた竜巻は恐らく大きな被害をもたらしたことだろう。それとも数年ぶりに母国に帰国したばかりだった私には驚くべき出来事だったあれはもはや日本ではよくあることになっていたのだろうか。いや、10年でそこまで気候が変わることはないだろう。それにそれほどの気候変動ならブリテンの地にもニュースとして飛び込んでくるはずである。
…私があれこれ思考を巡らせているのは事の真相を確認する術を失ったからである。端的に言えば私は死んだのだ。もしくは私自身も趣味で書いていたような別世界に転移する物語、それを体験しているのだろう。いずれにせよ久々に帰ってきた故郷の土を再度踏むことは不可能であることはわかる。…だとしたらやるべきことはただ一つ。ずっと憧れていた空想世界を心ゆくまで探究するのみ。
The Last Word~ノークスの手記
「…今回ばかりはお前を助けることはできないな。」
「そんなぁ…頼むよ、俺まだまだやることあるんだって…。『世界論』も全然完成には程遠いしさ…」
「大体何度も命を継ぎ足してよく飽きないよな。『世界論』だって永遠に完成しないことくらいわかってるだろ?」
「そりゃ全世界の情報を記録するには永遠の時間が必要さ。だからお前を頼ってるんだろ!」
ひょんなことから俺はこの男、剣崎雄に寿命をたかられている。不老不死者である俺の血液は普通の人間のものとは違うらしく、一部の適合者に与えることで相手を同体質にできる。ただし期限があるようで爪や髪が伸び始めるといったサインが出始めたらこうして剣崎は”延長”を求め俺のもとに訪れる。
「結局俺はお前のせいで死ぬことができないのか…」
「いやそれは元からだろ。ていうか勝手に死ぬなよ!今やその体はお前1人のものじゃないんだから!」
「それが寿命を搾取していくヒモのセリフじゃなきゃなぁ…」
「ほんと一体どういう心境の変化だ?最近は最初の時みたいに肉ごと持っていかれるのは嫌だと言って小瓶のストックまで用意していたじゃんか。」
「用意はあるぜ。だが先に言うべきことがあるんじゃないか?」
「言うべきこと?なんだ…?”いただきます”?”命をありがとうございます”?」
「…。いや、もしかしてホルニッセが言っていたことはデマ?勘違い?」
「ん?懐かしい名前だな。もしかして人殺しの手伝いは出来ないってか?」
…!やはり信じ難かったが、剣崎がヴァッフェル王国王妃を殺したのは事実だったのか。
「…なんだよ、分かってるんじゃないか。流石に殺しはやらないと思ったがなぁ…」
「これには事情がある…だなんて言葉を期待しているんだろうが、生憎だな。ただ1つ言い訳させてくれ、王妃を殺す気はなかった。俺の狙いはホルニッセ本人だったからな。」
「…なら尚更お前を助けるわけにはいかない。この力は殺しのために使うべきじゃないからな。」
「あらら、正義ぶっちゃって。更築の内閣府を炎上させたのはどこのどいつだったっけ?」
「あれは…」
そういえばそんなこともあったか。もう1世紀以上前のことだが。
「復讐はノーカンか?自分のことは棚に上げるなんてずるいよなぁ…」
「…クソっ、1つ条件がある。」
「おうよ。」
「ホルニッセを殺そうなんて考えるなよ。」
「はいはい、しょーがないな。」
「…」
いやなんで俺はホルニッセを庇おうとしているんだ。剣崎とホルニッセ、どちらの味方をしたいかと言われれば中立でいたい、と答える程度にはどちらも好きではない。まあ単純に俺が生かしているやつが殺人を犯しているなんて気分が悪いからな。
それにしてもホルニッセの人違いである可能性も疑ったが実際剣崎はヴァッフェル王族に近付いたことがあったようだった。以前会った時ヴァッフェル王国には行ったことがないと言っていたが…。
「“ ホルニッセを殺すな”、か…。残念だがお前のためにもその約束は守れねぇな。」
…私があれこれ思考を巡らせているのは事の真相を確認する術を失ったからである。端的に言えば私は死んだのだ。もしくは私自身も趣味で書いていたような別世界に転移する物語、それを体験しているのだろう。いずれにせよ久々に帰ってきた故郷の土を再度踏むことは不可能であることはわかる。…だとしたらやるべきことはただ一つ。ずっと憧れていた空想世界を心ゆくまで探究するのみ。
The Last Word~ノークスの手記
「…今回ばかりはお前を助けることはできないな。」
「そんなぁ…頼むよ、俺まだまだやることあるんだって…。『世界論』も全然完成には程遠いしさ…」
「大体何度も命を継ぎ足してよく飽きないよな。『世界論』だって永遠に完成しないことくらいわかってるだろ?」
「そりゃ全世界の情報を記録するには永遠の時間が必要さ。だからお前を頼ってるんだろ!」
ひょんなことから俺はこの男、剣崎雄に寿命をたかられている。不老不死者である俺の血液は普通の人間のものとは違うらしく、一部の適合者に与えることで相手を同体質にできる。ただし期限があるようで爪や髪が伸び始めるといったサインが出始めたらこうして剣崎は”延長”を求め俺のもとに訪れる。
「結局俺はお前のせいで死ぬことができないのか…」
「いやそれは元からだろ。ていうか勝手に死ぬなよ!今やその体はお前1人のものじゃないんだから!」
「それが寿命を搾取していくヒモのセリフじゃなきゃなぁ…」
「ほんと一体どういう心境の変化だ?最近は最初の時みたいに肉ごと持っていかれるのは嫌だと言って小瓶のストックまで用意していたじゃんか。」
「用意はあるぜ。だが先に言うべきことがあるんじゃないか?」
「言うべきこと?なんだ…?”いただきます”?”命をありがとうございます”?」
「…。いや、もしかしてホルニッセが言っていたことはデマ?勘違い?」
「ん?懐かしい名前だな。もしかして人殺しの手伝いは出来ないってか?」
…!やはり信じ難かったが、剣崎がヴァッフェル王国王妃を殺したのは事実だったのか。
「…なんだよ、分かってるんじゃないか。流石に殺しはやらないと思ったがなぁ…」
「これには事情がある…だなんて言葉を期待しているんだろうが、生憎だな。ただ1つ言い訳させてくれ、王妃を殺す気はなかった。俺の狙いはホルニッセ本人だったからな。」
「…なら尚更お前を助けるわけにはいかない。この力は殺しのために使うべきじゃないからな。」
「あらら、正義ぶっちゃって。更築の内閣府を炎上させたのはどこのどいつだったっけ?」
「あれは…」
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「…クソっ、1つ条件がある。」
「おうよ。」
「ホルニッセを殺そうなんて考えるなよ。」
「はいはい、しょーがないな。」
「…」
いやなんで俺はホルニッセを庇おうとしているんだ。剣崎とホルニッセ、どちらの味方をしたいかと言われれば中立でいたい、と答える程度にはどちらも好きではない。まあ単純に俺が生かしているやつが殺人を犯しているなんて気分が悪いからな。
それにしてもホルニッセの人違いである可能性も疑ったが実際剣崎はヴァッフェル王族に近付いたことがあったようだった。以前会った時ヴァッフェル王国には行ったことがないと言っていたが…。
「“ ホルニッセを殺すな”、か…。残念だがお前のためにもその約束は守れねぇな。」
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