男娼からの成り上がり 〜溺愛されて流されて それでも僕は前を向く〜

琴音

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四章 僕がこの地の領主なんだ

3.久しぶりのふたり

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「やっとキャルとの穏やかな時間が持てた」
「うん。構えなかった分たくさん話そう」
「うん。その前にたくさん抱いて?僕のこんななの」

 全裸で迫ってるカミーユ……いやに積極的だな。というか舌舐めずりしながら僕のを咥えて……
 あん、気持ちいいよぉ?スーッと目が覚める気がして目を開ければ、隣でかわいい寝息を立てている。うん、夢だよね。

「現実はまだ忙しいし、領内はまだまだだ」

 はあとため息。まだ薄暗いが起きなきゃな。

「カミーユ」

 僕は肩を掴んでゆさゆさ。うっと声がしたところでメイドが起こしに来た。

「おはようございます。もうお目覚めでしたか」
「うん。現実逃避した夢で起きた」
「ふふっ緊張しますか?」
「いや、面倒臭えと思って眠りが浅かったんだろう」

 隣ではカミーユがゴソゴソとキャルって。

「おはよ」
「うん、おはよ」

 軽くキスしてふたりで風呂に向かった。今日は、僕の領主としてのお披露目を城でしてくれるそうだ。ずっと王は頑張ってくれてたけど、もう無理と。だろうね、そろそろ一年だしね。

 何してるか不明な領地が隣にあるのは気味が悪いと思われても仕方ない。密偵を潜り込ませようと努力した領地もあったが、ことごとく防壁に阻まれる。入口の防壁にもね。どこからも入れはしない。
 サイオスとラインハルトはお招きしたけどね。カミーユにはどんなお付き合い?と疑われたが、学園に兄弟がいてねって嘘ついて、ふたりも口裏合わせてくれた。

「キャル様お久しぶりですね」
「ええ、お二人もお元気そうで」

 当たり障りのない会話と、領地の案内をしてお帰りの日の最後の時間、三人で会談とカミーユとメイドを全部下がらせた。
 三人でニコニコと追い出すとサイオスは、

「キャル、真面目にこれはどうなってるんだ?城の説明が全てか?」

 彼らはは厳しい視線で僕を見る。

「あ~……まあ、大筋はね」
「その言い方だと、全部じゃないのか?」

 僕はどこまで話そうか悩んだ。彼らはこちらの味方の家ではあるが……悩んでいる僕にふたりは信用してくれと。

「俺たちはお前の味方のつもりだ。王家にも忠誠を誓う家柄であるのは知っているだろう」
「うん……」

 ふうと息を吐き、あの継父はお前の本当の父上だろ?瓜二つだと指摘された。

「隠せないか」
「あはは、あれが身内でないとは誰も思わないくらいには似てるよ」
「そうだよね」

 ラインハルトの指摘はもうね、逃げ場はなかった。

「君たちを信じて話すよ」
「おう」

 今までをかい摘んで話した。

「お前……娼館に行くまでそんなに……というか生まれからとは」
「うん……」

 俺たちはお前と歳が離れてるから、学園でも関わりがなかったから、そこまでは知らなかったとふたりは絶句。

「これはアセベドが亡くなってからわかったんだよ」
「そっか……家の都合は全てに優先するからな。母上も辛かったのだろうが、それでもだな」
「うん」

 ラインハルトはこの事実に、俺がアセベドでもこれはちょっとと眉間にシワ。当然だよね。

「これに関しては僕も未だにわだかまりはある。だから母上にはあれから会ってはいない。笑顔なんて作れないし、この家がアルカイネ家になる根本原因だからね」
「ああ、お前だけが辛いばかりとは……でも、貴族に復帰できたのはよかったのかな」

 その言葉にうーんと。よくも悪くもって感じもしなくはない。

「どうかな。悪くはないとは思ってるけど、娼館も楽しかったのは嘘じゃないんだ。僕はこんな性格だからね」

 うん、知ってるとふたり。エロくてお前触るの上手くて、入れる前に出ちゃうくらい気持ちいいと。たからなあとふたり。

「正直、お前に抱かれなくなってからキツいんだよ」
「俺も……お前セックス忘れられなくてな。他じゃ足んないんだよ」
「あはは」

 カミーユ様が羨ましくて、たまに本気で憎くなるって。やめろ、ふたりとも。

「お前は足りてる?ひとりじゃ辛くないのか?」
「ふふっそこは番の本能でね」
「そっか……」

 やりたくて堪らなくても、番と交われば落ち着くんだよね。それ程までに番との絆は強かった。

「俺は……そこまでないんだ。新婚と言ってもいいくらいなのに、お前と寝たいと思ってしまう」
「俺もだ。家の都合の夫などそんなんだよサイオス」
「ラインハルトもか」

 ふたりは子供も産まれてはいるが、どうにも愛しきれないと。なんでだよと、たまにイライラすることもあるそうだ。

「子供はかわいい。それは間違いないが、夫はなあ。この本能なくてもいいくらいには本能働かないんだ」
「やっぱりお前も?」

 ふたりは見合ってげんなり。

「ああ、俺見た目がキツイから色々思われてるだろうが、ひとりを強く愛したいんだ。キャルが理想の相手だね。匂いが本当に好きだったんだ」

 ラインハルトは身請けの話は本気だったそう。愛妾にしか出来ないけど、本当の夫はお前だけって考えての提案だったそうだ。

「ありがとうラインハルト」
「俺は今でも失敗したと思ってるよ。もう少し押しておくんだって」

 そうすればいないことに出来たのにってさ。

「あははそうだね」
「俺も考えたけど、中々出来る環境になかったんだ。まあ、結果これだからいいのかとは思ってるけどな」
「まあな」

 ふたりは水と油くらい性格違うのに、仲はいいそうだ。歳も同い年で、学園でもあの二人何がよくて仲がいいのか不明と、同級生には言われていたそう。

「どちらかがノルンなら結婚してたくらいには好きだよ」
「ああ、お互いないところを補うっていうのかな。一度頑張って寝たことあったけど……」

 うーんとふたりで黙った。どうにも違うって感覚だけに終わって、親友でいようとなったそう。

「俺たちホントにアンでさ。ノルンの要素が足りなすぎてね。匂いにもあんまり反応しなくて……」
「うん……同性でもうまくいっているなんて噂は、嘘なんのかと思うほど無理でな」
「あの時俺は、自分のアンの属性を呪ったよ」

 あはは、試したのか。まあ僕もノルンの人とはどうもね。だから余程のことがなければ指名は受けなかったし、来もしなかった。

「話がそれた。この地はかなり異質だし、魔力の力で運営してる他国のようだが、いいと思う」
「うん、それは俺も思った。奴隷が全部農民になったのに収穫も増えて、街も活気があってな」

 この二人の領地からは、物がたくさん入るようにはしているんだ。何かあっと時助け合えるようにね。それに僕のやり方を見て、領地の奴隷を少しずつ開放し始めているそうだ。

「中々上手くはいかないが、商人からな」
「うちもだ。奴隷はやはり健全じゃないんだよ。ここに来て改めて思ったね」

 この二人の領地はうちほど酷くはなかったけど、それでもある程度の者たちはいた。農地は特に、でこれからだそうだ。

「でもさ、開放して能力重視をやり始めた店は売上げ上がったところもあるんだ。奴隷だから頭が悪いとかではないんだよ」
「あ~それ俺も思った。普通の領民と何も変わらないんだよな」

 それは僕も実感済み。させてもらえなかっただけなんだ。能力の高い者もたくさんいたんだよ。

「俺たちはお前を支持する。それと、サーマリク王国との繋ぎも頼む。販路は多いほうが商売になるからな」
「うん」

 この後は領地の運営の話をしていた。僕は自国のやり方に少し……どころかかなり疎いからね。

「キャル様……本当に素敵です」
「ありがとう」

 メイドの感嘆の声に我に帰った。

「うん!僕の素敵な旦那様がもっと素敵になったね!」
「ありがとうカミーユ。あなたもかわいいよ」
「ふふっありがとう」

 支度の後朝食を取り、魔物しかいないような城に向かうことにした。とりあえず当たり障りないように終わることだけを願って、馬車に乗り込んだ。

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