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Firework 2-11

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このまま竹川の好きにさせて、セックス紛いのペッテイングに雪崩れ込みたいのを我慢して、俺のズボンと下着を引きずりおろした竹川の手を止めた。
基本、成されるがままの俺の、いつに無い行動に竹川が不振の表情を作る。
俺は体制を変えて、戸惑う竹川の首に両腕を絡め、ちゅっと唇をすってやりながら、今日こそは淫乱に詰め寄ってやった。
「お前もいい加減、脱げ」
俺っばっかり剥かれてちゃ不公平ってもんじゃねぇか。なぁ?そうだろう?。
言ったとたんに竹川が本気で困った顔をして、首をゆるゆると振った。
良く有る男女の恋愛マンガとかなら、この辺りで力づくでひん剥く所なんだろうけど、残念、それは確実に絶対やっちゃいけない事の一つだ。
一度やってみたいんだけどな・・・・・・『良いではないか・良いではないか』っていう昔の時代劇のアレ。
とはいえ、あまり過去を語りたがらない竹川がどんな過去を持っているのか、俺には未だに想像が着かない。
でも、フラッシュバックを起す位辛い目に有った過去を持つヤツを力づくで思い通りにしようとしても多分望む結果は獲得出来ネェ。
だから。
欲しい愛撫は今位そっち除けにして、根気よく竹川を口説いた。
髪に、目蓋に、目じりに優しく優しくキスを落とす。
服の合わせを両手でキツク握りしめた竹川が必死で笑顔を作って俺の気を変えようと試みる。
「その・・・全部脱がなくても、き・気持ち良くはなれますし」
「俺の為に筋肉付けたんだろう?成果を見せてくれてもバチは当たらないと思うケドな?誘惑する相手は目の前だぜ?」
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