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sweet spicy sweet! 1ー4

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「コバがあんな事しでかしたのはよ、俺がちょっと色々許し過ぎた所為もあると思うんだ。
 だから、今後、あんた含めて、俺はコバと距離を置くよ。別に絶縁ってワケじゃなぇ。ただ、親しい仲にも礼儀ありって距離をコバは学習する必要が有ると、俺は思う」
俺が、今思ってる事を正直に言うと、そっぽを向いていた高岡刑事は顔の向きを俺の方に向け直して、ワザとらしく肩をすくめて口だけで笑い。
「同感だが、おせぇよ」
そういった顔は笑顔だったが、目がは物凄く怒っていた。
それで思った。
コバのしでかした事を、本当に一番腹にえかねているのは、高岡刑事なのかも知れねぇ。
考えてみれば、高岡刑事がいつからコバを特別可愛がり始めたか、俺は覚えていねぇ、気が付いたらよく二人はツルむ様になっていた。
つまり、あの二人が関係になったのは、相当昔の事なんだろう。
コバはずっとあんな感じだったから、大人の高岡刑事がいつも苦笑いしながらコバを背中から守っていた。
やっと本当に恋人として独占出来る様になったと思ったら、目の前で他の男、しかもつい最近まで好きだと言っていたの店をまるで嫁か恋人みたいに家探しなんかしたんだ。しかも、持ち主の出来立てホヤホヤの恋人に、劣等感を植え付ける様な事までしでかした。
本当は、物凄く頭に来てるんじゃ無いだろうか。
「ひょっとして、結構マジでキレてる?」
試しに聴いてみたら、
「おせぇよ!」
珍しく素で返事が来た。
「あいつドMだからなぁ。キレて仕置きしたって泣いて痛みに酔って終わりだからなぁ」
「あぁ。アイツ一生直らねぇと思うぞ」
高岡刑事は頭を抱えてテーブルに額を沈めた。こ愁傷様。
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