ブルースプリングファイヤーモンキー

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

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ナイトメア

ナイトメア7

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「ケン!やめろ!」
誰かが止めて来たけど、ケンは止まらなかった。
「半年前って言ったら!アンタが俺を初めて抱いた日じゃねぇか!
 アンタからキスして来たんだ!アンタから!」
「あ!?」
先輩の形相が鬼の様に変わった。
それでもケンはもう怯まなかった。
「半年前どころか、そのずっと前からアンタ慣れ慣れしかった!
 アンタ、プロポーズの返事待たされた腹いせに浮気してたんだ!
 何が諦めずにだ!ただの節操なしじゃねぇか!」
ケンは罵詈雑言ばりぞうごんを先輩にぶつけた。
先輩は怒り狂ってケンを殴った。
肉体労働で鍛え上げられた大人の体から繰り出される先輩の拳は、拳の固さも合わさって、ケンの顔を漫画みたいに変形させた。
お祝いのムードはぶち壊し、事務所は無茶苦茶になった。
その夜、部屋に帰ったケンは、痛みに震え、傷ついた心を抱え、泣きながら眠りについた。
でも、どんなに辛い事が起きても、時が経てば誰にでも等しく朝は来る。
どう綺麗に取り繕おうとも工事の期日は待ってくれない。
翌朝、酷い顔のまま会社に行くと、傷をきちんと手当てされた先輩が腕を組んで、現場に向かう車の前で仁王立ちしていた。
全員黙って車に乗って、現場に入った。
事件は、帰る直前に起きた。
この日、ケンは現場の資材置き場でリンチに合った。
ケンをリンチしてきたのは、先輩の同僚と、先輩だった。
「せっかくコイツの嫁づてで女の子紹介してもらえる所だったのによォ
 お前、何してくれてるんだよ」
「今結婚取り消すっつって大騒してるんだぞ!」
「・・・何様のつもりだよ。
 アンタが俺なんか相手に浮気なんかするのが悪いんだろうが!」
「この!」
暴力は、ケンが動けなくなるまで続いた。
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