ブルースプリングファイヤーモンキー

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

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ナイトメア

ナイトメア10

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・・・ケンは、先輩が金髪で目立つから、いつも色んな同僚に囲まれてるから、てっきりカーストの中心にいるのだと思い込んでいたけれど、本当は違った。
今にして思えば、彼はむしろ、社内ヒエラルキーの下位だった。
リーダー格だったのは、普段あまり目立たない、ケンを率先してリンチしてきた男の方だった。
(・・・だっせぇ・・・リンチする様なヤツのパシリじゃねぇか・・)
リンチの末、ケンは資材置き場に閉じ込められた。
危うくこのままでは凍死しそう、というところを駆けつけた現場監督に救助された。
そして次に目が覚めた時には、ケンは病院のベッドに寝かされていた。
話では先輩のお嫁さんが、先輩から話を聞いて会社に電話してくれたとの事だった。
入院先の病院に社長が来て頭を下げた。
リンチメンバーの半分が社長の親類縁者で、その実家は小口ではあるけれど、時々会社に仕事を依頼してくれる取引先であるのだと言っていた。
治療費を全額と、休んでいる間の給料を出すから警察に被害届を出さないで欲しいと懇願された。
それに、ケンの務めていた会社の主な収入源は、大手有名建築会社の下請だった。
事が明るみに出て、醜聞が噂にでもなれば、スキャンダルを恐れた大手が仕事の依頼を控えかねないとは、ケンでも予想できた。
ケンは腕と左足の骨にひびが入り、肋骨を折る重傷だったのに、この件は現場での事故という事でおさまってしまった。
誰も見舞いに来ないリハビリセンターで、ケンは必死にリハビリをした。
他の患者には、付き添いも見舞いも来ていた。
ケンだけがいつも一人だった。
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