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目が醒めると、それでもそこに恐竜はいた。
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眼が醒めると、それでもそこに恐竜はいた。
朝焼けの光が差し込む中、その恐竜は少し影を落としたままこちらを見ていると思った。
「ねぇ、生きてるの?」
小さな声で話しかけるが、模型である恐竜が返事をするわけではなかった。この模型を作った本人は自分を後ろから抱きしめ気持ちよさそうな寝息を立てている。起こすわけにはいかない。でも寝れそうにもない自分はひたすら恐竜を見つめていた。完成した時、名前を聞いた気がするが思い出せない。でも、あの時の嬉しそうな顔を思い出した女は、再度話しかける。
「ねぇ、貴方を作ったあの人、ああ見えて私より年上なの。子供ぽい所あるでしょ?」
恐竜は答えない。ただ見つめるだけだ。
「それでも…。」
朝日が急に射し込み目を思わずつぶる自分。
「おはよう…。どうしたの?」
その声は恐竜ではなく聞きなれた彼の声だった。
「おはよう…あれ?あの恐竜あんな顔してた?」
そうだよと言う声を聞きながら、自分は少し笑ったような顔の恐竜から眼が離せなくなっていた。
朝焼けの光が差し込む中、その恐竜は少し影を落としたままこちらを見ていると思った。
「ねぇ、生きてるの?」
小さな声で話しかけるが、模型である恐竜が返事をするわけではなかった。この模型を作った本人は自分を後ろから抱きしめ気持ちよさそうな寝息を立てている。起こすわけにはいかない。でも寝れそうにもない自分はひたすら恐竜を見つめていた。完成した時、名前を聞いた気がするが思い出せない。でも、あの時の嬉しそうな顔を思い出した女は、再度話しかける。
「ねぇ、貴方を作ったあの人、ああ見えて私より年上なの。子供ぽい所あるでしょ?」
恐竜は答えない。ただ見つめるだけだ。
「それでも…。」
朝日が急に射し込み目を思わずつぶる自分。
「おはよう…。どうしたの?」
その声は恐竜ではなく聞きなれた彼の声だった。
「おはよう…あれ?あの恐竜あんな顔してた?」
そうだよと言う声を聞きながら、自分は少し笑ったような顔の恐竜から眼が離せなくなっていた。
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