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薄氷裏の日常1
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——3月29日(金)10:00
初春、厳しい冬の寒さを抜け爽やかな風が吹き、遅咲きの桜は散り終わり新緑の芽を息吹出していた。
ここ都立統一高校の教室の黒板には世界地図が描かれ、世界史の授業が行われていた。
「——白亜紀に巨大な小惑星が6600万年前に北米大陸の南部に激突した。これは現在のメキシコに当たる所だな。その影響で恐竜を含む当時の地球上の生物の75%が絶滅した。この隕石は1億6000万年前に火星と木星のあいだに位置するバティスティーナ小惑星群と呼ばれる小惑星群から飛び出したものだ。」
そんな窓際の席に座る黒髪の学生は虚ろ虚ろと校庭を眺めていた。
目下そこは他の組が体育の授業中で
校庭のトラックで100m走を駆け抜ける体操着の女子生徒の汗が眩しく眼球に写っていた。
「…おい、聞いているのか?神埼」
神埼と呼ばれた黒髪の学生はぼんやりと視線を前方に戻す。
「え、あ…おはようございます、本日もお日柄もよく…」
教室内が爆笑の渦に包まれる。
「ほう、いい度胸だ…!なぜ恐竜が絶滅したか答えてみろ」
女教師は怒りを堪えきれず眉間に皺を寄せ、引きつった笑顔を顕にする。
「えーと…隕石の衝撃で津波に飲み込まれたとかではなく?」
「不正解だ。確かに小惑星の衝突によって直径20kmものクレータが出来、数百メートルの高さの津波や山火事が発生した。だが直接的な原因は土砂に混じって大量の硫黄が放出され太陽を隠し、地球を寒冷化へと導いたことによると言われている。変温動物であった恐竜は急激な温度に耐えきれず絶滅したのだ。」
女教師は溜息を付くと授業を続ける。
——キーン、コーン
終業を告げるチャイムが鳴る。
「おっと、ここまでか。神埼は放課後、職員室に来るように」
「えぇ…!?」
女教師は黒板を消すと颯爽と教室から去っていく。
初春、厳しい冬の寒さを抜け爽やかな風が吹き、遅咲きの桜は散り終わり新緑の芽を息吹出していた。
ここ都立統一高校の教室の黒板には世界地図が描かれ、世界史の授業が行われていた。
「——白亜紀に巨大な小惑星が6600万年前に北米大陸の南部に激突した。これは現在のメキシコに当たる所だな。その影響で恐竜を含む当時の地球上の生物の75%が絶滅した。この隕石は1億6000万年前に火星と木星のあいだに位置するバティスティーナ小惑星群と呼ばれる小惑星群から飛び出したものだ。」
そんな窓際の席に座る黒髪の学生は虚ろ虚ろと校庭を眺めていた。
目下そこは他の組が体育の授業中で
校庭のトラックで100m走を駆け抜ける体操着の女子生徒の汗が眩しく眼球に写っていた。
「…おい、聞いているのか?神埼」
神埼と呼ばれた黒髪の学生はぼんやりと視線を前方に戻す。
「え、あ…おはようございます、本日もお日柄もよく…」
教室内が爆笑の渦に包まれる。
「ほう、いい度胸だ…!なぜ恐竜が絶滅したか答えてみろ」
女教師は怒りを堪えきれず眉間に皺を寄せ、引きつった笑顔を顕にする。
「えーと…隕石の衝撃で津波に飲み込まれたとかではなく?」
「不正解だ。確かに小惑星の衝突によって直径20kmものクレータが出来、数百メートルの高さの津波や山火事が発生した。だが直接的な原因は土砂に混じって大量の硫黄が放出され太陽を隠し、地球を寒冷化へと導いたことによると言われている。変温動物であった恐竜は急激な温度に耐えきれず絶滅したのだ。」
女教師は溜息を付くと授業を続ける。
——キーン、コーン
終業を告げるチャイムが鳴る。
「おっと、ここまでか。神埼は放課後、職員室に来るように」
「えぇ…!?」
女教師は黒板を消すと颯爽と教室から去っていく。
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