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第29章 広田5
第267話 肉団子パンという名のもの
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狩猟ギルドに買い取りに出した角兎の肉は二体分は引き取って肉を宿に持って行くことにした。
「魔獣でも二羽って単位で良いのかな。」
「唐揚げだと何個って数えるぞ。」
「今日は唐揚げになるかわからんぞ。」
食欲が勝つってことなのか、狩りで倒した後は、解体する前から肉扱いになっている気がする。
少し浮かれ気分で、肉を抱えて宿に向かっていると、通りの向かい側に人が群がっている店があるのに気がついた。
「あ、あれって‥‥。」
「あれがツェット商会か。」
看板に「ツェット商会」の文字があるのがわかった。
「マヨネーズ、あるかな?」
「とりあえず肉を置いてから行ってみようぜ。」
気になるけど、大きな肉を運んでいるところだったので、急いで宿に向かった。
宿の人に渡すと、料理長が出て来てくれた。
「ありがとう。今日は兎肉のハーブ焼きにするよ!」
「あ‥唐「楽しみにしてます!」」
秋山さんが唐揚げを主張しそうだったのを岡部さんが割り込んで阻止していた。リクエストくらいは言ってもよさそうだけどね。
秋山さんもそう思ったらしくて宿を出てからちょっと不満げにその事を岡部さんに言った。
「リクエストくらい良いじゃないか。」
「言ったら向こうだって、気を遣うだろ。ハーブ焼きだって旨いかもしれないじゃないか。」
「そりゃ旨いだろうけどさ。」
「じゃあ、今日はハーブ焼き食べて、明日にでもまた角兎を狩ればよくね?俺はどっちかっていうと色んな物を食べたいんだよね。色々旨いもんが出てくるかもしれないだろ。」
「はあ、まあ、それは一理あるな‥‥。」
岡部さんは連日同じ物を食べるより、違うものを食べたい派なのか。
今まで、隣の国でずっと同じ質素な食事をしてきただけに、岡部さんも秋山さんもそれぞれ食事に対して欲求が強くなっているのかもしれない。
「ツェット商会にマヨネーズあるかな!」
「ソーセージパンは?」
急ぎ歩きでツェット商会に向かう。既に、「同郷の人がいるかも」という期待値より、マヨネーズだとか、食べ物関連の期待値が上がっている気がする。
元来た道を引き返して、先程の人が群がっている場所に近付いた。
ツェット商会と書かれた看板がある建物の前に出店がでていて、何かが売られていた。その商品を買う為に人が群がっているようだ。
「肉団子パン。二つ!」
「こっちは四つだ!」
買った商品をその場で出して食べ始めている人がいた。その人が手にしている商品をみて、俺達は全員ハッとして足を止めた。
「あ‥‥あれって‥‥。」
「マジか‥‥。いや、あっても不思議じゃないんだろうけど‥‥。」
肉団子パンという名前の商品の見た目は、どう見てもハンバーガーだった。丸いバンズの間にひき肉を固めて焼いた物が挟まっている。ケチャップらしき赤いソースもちらりと見えた。
「は、は、は、ハンバーガー、ハンバーガー!」
「秋山、落ち着け!」
ソーセージパンの時と同じように、秋山さんが我を忘れそうになっている。
「食べてみたら全然違うものかもしれませんよ。」
落ち着かせるために、そんな事を言ってみたりした。でも言いながらもハンバーガーの味を期待していた。
特に誰も意識合わせをすることもなく、肉団子パンを買う人達の中に加わった。
値段も確認せずに買ってしまったが、一個銀貨1枚だった。結構高めだとは思うけど、買わないと絶対気になってしまうので、買わないという選択肢を思いつかなかった。
しかし、岡部さんは秋山さんの上着を引っぱって、何か言っている。
「秋山!落ち着け!金を使いきる気か?」
「でも!売り切れそうじゃないか!」
「他の物が買えなくなるぞ。マヨネーズは?」
「あああ‥‥。じゃ、じゃあ‥‥一個で良いよ‥‥。はあ~。」
秋山さんが衝動的に大量買いをしそうな気配を察知して、岡部さんが止めに入っていたようだ。
結局一人一個ずつ、肉団子パンを買った。
「魔獣でも二羽って単位で良いのかな。」
「唐揚げだと何個って数えるぞ。」
「今日は唐揚げになるかわからんぞ。」
食欲が勝つってことなのか、狩りで倒した後は、解体する前から肉扱いになっている気がする。
少し浮かれ気分で、肉を抱えて宿に向かっていると、通りの向かい側に人が群がっている店があるのに気がついた。
「あ、あれって‥‥。」
「あれがツェット商会か。」
看板に「ツェット商会」の文字があるのがわかった。
「マヨネーズ、あるかな?」
「とりあえず肉を置いてから行ってみようぜ。」
気になるけど、大きな肉を運んでいるところだったので、急いで宿に向かった。
宿の人に渡すと、料理長が出て来てくれた。
「ありがとう。今日は兎肉のハーブ焼きにするよ!」
「あ‥唐「楽しみにしてます!」」
秋山さんが唐揚げを主張しそうだったのを岡部さんが割り込んで阻止していた。リクエストくらいは言ってもよさそうだけどね。
秋山さんもそう思ったらしくて宿を出てからちょっと不満げにその事を岡部さんに言った。
「リクエストくらい良いじゃないか。」
「言ったら向こうだって、気を遣うだろ。ハーブ焼きだって旨いかもしれないじゃないか。」
「そりゃ旨いだろうけどさ。」
「じゃあ、今日はハーブ焼き食べて、明日にでもまた角兎を狩ればよくね?俺はどっちかっていうと色んな物を食べたいんだよね。色々旨いもんが出てくるかもしれないだろ。」
「はあ、まあ、それは一理あるな‥‥。」
岡部さんは連日同じ物を食べるより、違うものを食べたい派なのか。
今まで、隣の国でずっと同じ質素な食事をしてきただけに、岡部さんも秋山さんもそれぞれ食事に対して欲求が強くなっているのかもしれない。
「ツェット商会にマヨネーズあるかな!」
「ソーセージパンは?」
急ぎ歩きでツェット商会に向かう。既に、「同郷の人がいるかも」という期待値より、マヨネーズだとか、食べ物関連の期待値が上がっている気がする。
元来た道を引き返して、先程の人が群がっている場所に近付いた。
ツェット商会と書かれた看板がある建物の前に出店がでていて、何かが売られていた。その商品を買う為に人が群がっているようだ。
「肉団子パン。二つ!」
「こっちは四つだ!」
買った商品をその場で出して食べ始めている人がいた。その人が手にしている商品をみて、俺達は全員ハッとして足を止めた。
「あ‥‥あれって‥‥。」
「マジか‥‥。いや、あっても不思議じゃないんだろうけど‥‥。」
肉団子パンという名前の商品の見た目は、どう見てもハンバーガーだった。丸いバンズの間にひき肉を固めて焼いた物が挟まっている。ケチャップらしき赤いソースもちらりと見えた。
「は、は、は、ハンバーガー、ハンバーガー!」
「秋山、落ち着け!」
ソーセージパンの時と同じように、秋山さんが我を忘れそうになっている。
「食べてみたら全然違うものかもしれませんよ。」
落ち着かせるために、そんな事を言ってみたりした。でも言いながらもハンバーガーの味を期待していた。
特に誰も意識合わせをすることもなく、肉団子パンを買う人達の中に加わった。
値段も確認せずに買ってしまったが、一個銀貨1枚だった。結構高めだとは思うけど、買わないと絶対気になってしまうので、買わないという選択肢を思いつかなかった。
しかし、岡部さんは秋山さんの上着を引っぱって、何か言っている。
「秋山!落ち着け!金を使いきる気か?」
「でも!売り切れそうじゃないか!」
「他の物が買えなくなるぞ。マヨネーズは?」
「あああ‥‥。じゃ、じゃあ‥‥一個で良いよ‥‥。はあ~。」
秋山さんが衝動的に大量買いをしそうな気配を察知して、岡部さんが止めに入っていたようだ。
結局一人一個ずつ、肉団子パンを買った。
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