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第3章
第231話 冒険者ギルドの対応
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ドルートルさんは青ざめた顔をして頭を抱え込んだ。
「アイスワームが近くにいるなどと言ったらパニックになるだろうし、言わなければ苦情が殺到するだろう。ああ、どうしたら‥‥。」
「アイスリザードが出没している事は伝わってるんですから、アイスリザードの数が多いから迂回すると言えば良いんじゃないんですか?」
「迂回するとそれなりに損益が発生するから、冒険者ギルドから正式な調査報告を貰う等の手続きが必要なのだよ。
‥‥冒険者ギルドでは何と言っているのかね?」
「ギルドにはこれから行く予定なので。」
俺がそう言うと、ドルートルさんの表情が訝しげに変わった。
「アイスワームの話は、君達が言っているだけということか?冒険者ギルドでは特に何も言っていないと。」
「アイスワームの話は嘘じゃないですよ。ギルドに報告に行ったら多分そこで時間取られるだろうから、先にドルートルさんにお伝えに来たってだけで。」
「ふむむむ‥‥。」
ドルートルさんは、当惑した様子で唇を歪めた。
傍で聞いていたユロールさんが、ドルートルさんに進言した。
「代表者に集まっていただいて出発の延期をお知らせする際に、迂回路を選ぶ可能性があることをお知らせしておきましょう。事前に知らせる事で、多少は混乱は避けられるのでは。
それと何時出発になるか判らないから宿に待機しておいてもらって、すぐ連絡が取れるようにしてはどうでしょうか。」
「フム‥‥。しかし部屋を取れていない乗客もいるし、ずっと宿に待機というのも‥‥。」
「笛でお知らせしては。」
乗客には、迂回路を行く可能性があることと、すぐに出発となる場合がある事を説明して、出発前に主要な宿への連絡と笛での知らせをすることにした。
ドルートルさんは他の馬車隊にも伝える必要があるとして、商業ギルドに向かって行った。結局朝食を食べる余裕がなくて、塩漬け肉のソテーを挟んだパンを受け取って行った。
ドルートルさんの宿泊先の宿を出て、ドルートルさんが向かうのと反対方向に歩いて、冒険者ギルドに向かった。
*******************************
「アイスワームだとぅ?」
冒険者ギルドの応接室のような場所で、ギルドマスターと対面した。
ギルドに泊まり込んで仮眠を取っていたのか、寝癖が着いていて蒼い銀髪が片側だけ撥ねていて、ちょっと眠そうな顔をしていた。
「そんな報告は受けておらんが。」
「今朝、見たのでお伝えに来ました。」
「見たってどうやって?街道は許可なく通れないようにしてあるんだぞぅ。」
「従魔を飛ばしたんです。」
「従魔だとぅ?」
魔鳥を飛ばして見て来た事を伝えるとギルドマスターは錫を鳴らして人を呼び、大型の魔鷹をケージごと運んで来させた。
「エリザは賢いからなぁ。見間違いなどせんはずだ。」
どうやら、ギルドマスターの従魔の魔鷹エリザに、状況確認に行かせるつもりらしい。案に俺の魔鳥の見間違いで有ると言いたいみたいだな。
まあ、見て行ってみればわかるだろう。
「氷の礫を飛ばしてくるので、高い位置を飛んで行った方が良いですよ。」
「エリザは強いから、余計な心配は無用だぁ。」
ギルドマスターより先に従魔の名前を覚えてしまったよ。
冒険者ギルドに到着して、受付に居たフレイヤさんに「緊急の用事があるからギルドマスターと話がしたい」と伝えたら、浅黒い筋肉隆々の男性が出て来て「俺がギルドマスターだ。」と言った。
俺達が挨拶をして名乗ろうとしたら、「忙しいから早く話せ」とギルドの受付の奥にある部屋に連れて来られて話をしたのだ。
名乗られてもいないし、こっちも名乗っていない。うーん、舐められてるのかな。
「多いんだよなぁ。最近。そういうのがぁ。」
ギルドマスターは、持っていたファイルを閉じるとだるそうに立ち上がった。
「報告ご苦労。ではな。」
そう言うと、そのまま応接室の出口に向かって歩いて行く。
「待つである。」
マーギットさんが、呼び止めた。ピタリと足を止めたギルドマスターの手足から魔力が漏れて来た。ゆっくりと振り返って低い声を絞る様に出して言った。
「あぁ?」
ジロリとマーギットさんの事を睨んだ。
「話しは終わっていないである。」
マーギットさんはギルドマスターを真直ぐに見つめて言った。
「アイスワームが近くにいるなどと言ったらパニックになるだろうし、言わなければ苦情が殺到するだろう。ああ、どうしたら‥‥。」
「アイスリザードが出没している事は伝わってるんですから、アイスリザードの数が多いから迂回すると言えば良いんじゃないんですか?」
「迂回するとそれなりに損益が発生するから、冒険者ギルドから正式な調査報告を貰う等の手続きが必要なのだよ。
‥‥冒険者ギルドでは何と言っているのかね?」
「ギルドにはこれから行く予定なので。」
俺がそう言うと、ドルートルさんの表情が訝しげに変わった。
「アイスワームの話は、君達が言っているだけということか?冒険者ギルドでは特に何も言っていないと。」
「アイスワームの話は嘘じゃないですよ。ギルドに報告に行ったら多分そこで時間取られるだろうから、先にドルートルさんにお伝えに来たってだけで。」
「ふむむむ‥‥。」
ドルートルさんは、当惑した様子で唇を歪めた。
傍で聞いていたユロールさんが、ドルートルさんに進言した。
「代表者に集まっていただいて出発の延期をお知らせする際に、迂回路を選ぶ可能性があることをお知らせしておきましょう。事前に知らせる事で、多少は混乱は避けられるのでは。
それと何時出発になるか判らないから宿に待機しておいてもらって、すぐ連絡が取れるようにしてはどうでしょうか。」
「フム‥‥。しかし部屋を取れていない乗客もいるし、ずっと宿に待機というのも‥‥。」
「笛でお知らせしては。」
乗客には、迂回路を行く可能性があることと、すぐに出発となる場合がある事を説明して、出発前に主要な宿への連絡と笛での知らせをすることにした。
ドルートルさんは他の馬車隊にも伝える必要があるとして、商業ギルドに向かって行った。結局朝食を食べる余裕がなくて、塩漬け肉のソテーを挟んだパンを受け取って行った。
ドルートルさんの宿泊先の宿を出て、ドルートルさんが向かうのと反対方向に歩いて、冒険者ギルドに向かった。
*******************************
「アイスワームだとぅ?」
冒険者ギルドの応接室のような場所で、ギルドマスターと対面した。
ギルドに泊まり込んで仮眠を取っていたのか、寝癖が着いていて蒼い銀髪が片側だけ撥ねていて、ちょっと眠そうな顔をしていた。
「そんな報告は受けておらんが。」
「今朝、見たのでお伝えに来ました。」
「見たってどうやって?街道は許可なく通れないようにしてあるんだぞぅ。」
「従魔を飛ばしたんです。」
「従魔だとぅ?」
魔鳥を飛ばして見て来た事を伝えるとギルドマスターは錫を鳴らして人を呼び、大型の魔鷹をケージごと運んで来させた。
「エリザは賢いからなぁ。見間違いなどせんはずだ。」
どうやら、ギルドマスターの従魔の魔鷹エリザに、状況確認に行かせるつもりらしい。案に俺の魔鳥の見間違いで有ると言いたいみたいだな。
まあ、見て行ってみればわかるだろう。
「氷の礫を飛ばしてくるので、高い位置を飛んで行った方が良いですよ。」
「エリザは強いから、余計な心配は無用だぁ。」
ギルドマスターより先に従魔の名前を覚えてしまったよ。
冒険者ギルドに到着して、受付に居たフレイヤさんに「緊急の用事があるからギルドマスターと話がしたい」と伝えたら、浅黒い筋肉隆々の男性が出て来て「俺がギルドマスターだ。」と言った。
俺達が挨拶をして名乗ろうとしたら、「忙しいから早く話せ」とギルドの受付の奥にある部屋に連れて来られて話をしたのだ。
名乗られてもいないし、こっちも名乗っていない。うーん、舐められてるのかな。
「多いんだよなぁ。最近。そういうのがぁ。」
ギルドマスターは、持っていたファイルを閉じるとだるそうに立ち上がった。
「報告ご苦労。ではな。」
そう言うと、そのまま応接室の出口に向かって歩いて行く。
「待つである。」
マーギットさんが、呼び止めた。ピタリと足を止めたギルドマスターの手足から魔力が漏れて来た。ゆっくりと振り返って低い声を絞る様に出して言った。
「あぁ?」
ジロリとマーギットさんの事を睨んだ。
「話しは終わっていないである。」
マーギットさんはギルドマスターを真直ぐに見つめて言った。
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