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第3章
第234話 魔鷹君
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彼らの友情を感じる点は凄く良いと思うんだけど、その状況が気になってたんだよね。
「あのさ。」
盛り上がっている所に水を差すみたいになるのだけど、話しかけた。
ぎょろりとデヴィン君が俺の方に目を向けたけど、先程より冷静になったのか怒っている様子はなかった。
「学園に問い合わせてみた方がよいんじゃない?」
「‥‥え?」
「騎士爵の子息の入学の条件があるのかどうか、学園の事務局でも学園長宛でも良いから手紙を書いたら?」
「手紙‥‥宛先が判らないし‥‥。」
デヴィン君が戸惑った様子で呟く様に言うと、ラドロがハーッと溜め息をついた。そして、デヴィン君に向かって言った。
「いいか?貴族学園は王都に一つしかないんだぞ。『王都 貴族学園 学園長様』で届くんだぞ。‥‥何で知っているかというと、俺がそれで手紙を出したからだ!」
ラドロがちょっとドヤ顔で胸を張った。
入学時に支払う寮費が足りなくて、どうにかならないかと手紙を出したことがあり、ちゃんと学園長から返事が返って来たのだそうだ。
「そ、それで届くんだ‥‥。でも俺、実家に居ないし、返事をどうやって受け取ったら‥‥。」
「よく滞在する街があったら、その街の冒険者ギルドか商業ギルド宛に送ってもらって受け取るってことはできるよ。」
「そ、その手があったか‥‥。」
デヴィン君がぎゅっと拳を握りしめた。
「学園長に手紙‥‥出してみるよ。‥‥教えてくれてありがとう。」
「デヴィン‥‥。」
デヴィン君が決意した目で俺を見ると、ロアン君とローレ嬢が目を潤わせながら、デヴィン君に寄り添った。
「あ、もう一つ。学園に入学出来なかった場合だけど‥‥。」
俺の言葉にデヴィン君がぎょっとして目を見開いた。
今ここで、ダメだった場合の話をするのか、と責めるような目線を向けてくる。俺は気にせずに続けた。
「騎士学校は知ってる?」
「騎士学校?」
デヴィン君が首を傾げた。ロアン君達も不思議そうな顔をしている。デヴィン君のお父上、騎士爵なのに息子に教えてあげていないのか。
「騎士には平民もいるんだよ。それは知ってるよね?」
「‥‥あ!‥‥居る!平民の騎士!知ってる!」
「うん‥‥。単にね、騎士に成りたいのであれば騎士学校に行くという方法もあるんだよ。デヴィン君が騎士に成りたいのかどうかはわからないで言っているけどさ。」
「騎士になりたい。俺‥‥、本当は父上みたいな格好いい騎士になりたいんだ。‥‥でも、騎士爵の子は学園に入れないって聞いて‥‥。」
デヴィン君のお父さんは貴族学園の騎士科卒だから、他に騎士に成る方法に関心がなかったのかもしれない。
「騎士学校卒でも功績を上げれば騎士爵を得る事も可能だからね。貴族学園卒より時間はかかるけどさ。‥‥そういう道もあるってことを伝えておこうと思ったんだよ。」
「あ‥‥。」
デヴィン君の目が潤んで来た。バッと勢い良く頭を下げる。
「すみません!そうとは知らず、失礼な態度を!」
「いや、いいけど。‥‥俺が騎士を目指しているから、騎士になりたいなら‥‥と思っただけさ。」
「せ、先輩!」
「それは入学してから言って。」
デヴィン君の表情が目に見えて明るくなった。ロアン君とローレ嬢もニコニコしている。
平和な時間だ。‥‥ここはね。
魔鳥からのお知らせがあったので、少し長めの瞬きをした。
一瞬見えた光景は、氷の礫を浴びて、魔鷹がすっ飛んで行く情景。うわぁ。
見覚えがある魔鷹なんですけど。
どうしようかな、と考えながらこの場をお開きにした。ラドロとロアン君達はまだ積もる話があるだろうってことで、冒険者ギルドの前で別れを告げた。
少し歩いた所で一度立ち止まり、もう一度、長めの瞬きをすると、雪の上でピクピクしている魔鷹の光景。あーあ。
なんか魔鳥のピーゴとピーロクは助けてあげようという気持ちがあるようだ。
運べるの?って思ったら、二羽で、魔鷹の足を掴んで運ぶつもりの様子。
かなり遠くに飛ばされたようで、アイスワームからは距離があるらしい。
危険がないなら運んでも良いよ、と伝えたら、嬉しそう。
「あのさ。」
盛り上がっている所に水を差すみたいになるのだけど、話しかけた。
ぎょろりとデヴィン君が俺の方に目を向けたけど、先程より冷静になったのか怒っている様子はなかった。
「学園に問い合わせてみた方がよいんじゃない?」
「‥‥え?」
「騎士爵の子息の入学の条件があるのかどうか、学園の事務局でも学園長宛でも良いから手紙を書いたら?」
「手紙‥‥宛先が判らないし‥‥。」
デヴィン君が戸惑った様子で呟く様に言うと、ラドロがハーッと溜め息をついた。そして、デヴィン君に向かって言った。
「いいか?貴族学園は王都に一つしかないんだぞ。『王都 貴族学園 学園長様』で届くんだぞ。‥‥何で知っているかというと、俺がそれで手紙を出したからだ!」
ラドロがちょっとドヤ顔で胸を張った。
入学時に支払う寮費が足りなくて、どうにかならないかと手紙を出したことがあり、ちゃんと学園長から返事が返って来たのだそうだ。
「そ、それで届くんだ‥‥。でも俺、実家に居ないし、返事をどうやって受け取ったら‥‥。」
「よく滞在する街があったら、その街の冒険者ギルドか商業ギルド宛に送ってもらって受け取るってことはできるよ。」
「そ、その手があったか‥‥。」
デヴィン君がぎゅっと拳を握りしめた。
「学園長に手紙‥‥出してみるよ。‥‥教えてくれてありがとう。」
「デヴィン‥‥。」
デヴィン君が決意した目で俺を見ると、ロアン君とローレ嬢が目を潤わせながら、デヴィン君に寄り添った。
「あ、もう一つ。学園に入学出来なかった場合だけど‥‥。」
俺の言葉にデヴィン君がぎょっとして目を見開いた。
今ここで、ダメだった場合の話をするのか、と責めるような目線を向けてくる。俺は気にせずに続けた。
「騎士学校は知ってる?」
「騎士学校?」
デヴィン君が首を傾げた。ロアン君達も不思議そうな顔をしている。デヴィン君のお父上、騎士爵なのに息子に教えてあげていないのか。
「騎士には平民もいるんだよ。それは知ってるよね?」
「‥‥あ!‥‥居る!平民の騎士!知ってる!」
「うん‥‥。単にね、騎士に成りたいのであれば騎士学校に行くという方法もあるんだよ。デヴィン君が騎士に成りたいのかどうかはわからないで言っているけどさ。」
「騎士になりたい。俺‥‥、本当は父上みたいな格好いい騎士になりたいんだ。‥‥でも、騎士爵の子は学園に入れないって聞いて‥‥。」
デヴィン君のお父さんは貴族学園の騎士科卒だから、他に騎士に成る方法に関心がなかったのかもしれない。
「騎士学校卒でも功績を上げれば騎士爵を得る事も可能だからね。貴族学園卒より時間はかかるけどさ。‥‥そういう道もあるってことを伝えておこうと思ったんだよ。」
「あ‥‥。」
デヴィン君の目が潤んで来た。バッと勢い良く頭を下げる。
「すみません!そうとは知らず、失礼な態度を!」
「いや、いいけど。‥‥俺が騎士を目指しているから、騎士になりたいなら‥‥と思っただけさ。」
「せ、先輩!」
「それは入学してから言って。」
デヴィン君の表情が目に見えて明るくなった。ロアン君とローレ嬢もニコニコしている。
平和な時間だ。‥‥ここはね。
魔鳥からのお知らせがあったので、少し長めの瞬きをした。
一瞬見えた光景は、氷の礫を浴びて、魔鷹がすっ飛んで行く情景。うわぁ。
見覚えがある魔鷹なんですけど。
どうしようかな、と考えながらこの場をお開きにした。ラドロとロアン君達はまだ積もる話があるだろうってことで、冒険者ギルドの前で別れを告げた。
少し歩いた所で一度立ち止まり、もう一度、長めの瞬きをすると、雪の上でピクピクしている魔鷹の光景。あーあ。
なんか魔鳥のピーゴとピーロクは助けてあげようという気持ちがあるようだ。
運べるの?って思ったら、二羽で、魔鷹の足を掴んで運ぶつもりの様子。
かなり遠くに飛ばされたようで、アイスワームからは距離があるらしい。
危険がないなら運んでも良いよ、と伝えたら、嬉しそう。
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