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第3章
第321話 事情聴取
「なあ、オデ君‥‥、じゃなかった。ベン君。急いで火を消せば橋は落ちないよ。それに、君の友達を助けに行かないといけないだろう?」
座り込んでいるベン君に近づいて語りかけた。ベン君は、ぐずぐずと泣いている。
「はしがおぢたら、ショーがぁ、ショーがぁ‥‥。」
「だから、ショー君を助けに行かないと。」
ベン君に向かってそう言っている間に、騎士達はもう消火に向かっていた。
騎士達が橋に侵入していく姿を見て、ベン君の手が騎士達の方に伸びたが止める元気がなくなっているようだ。
「うう‥。」
駆けていく騎士達の後ろ姿を目で追い、ぐずぐずと泣き出した。
「はしがぁ…、ショーもおぢちゃう‥‥。」
「今、火を消しに行っているから。火を消したら橋は落ちないよ。」
「ほんどかぁ~?」
俺は頷いた。ベン君はまだ安心できないのか、目がそわそわと動いている。
ベン君の前にしゃがみ込んで訊いてみた。
「ああ。‥‥それで…‥何があったんだ? 何で馬車が燃えたの?」
「‥‥さ、さぶかったかだぁ‥‥。」
「寒かった?」
「ショーがぁ、あったばろっでぇ。」
「‥温まろうとした?何をしたの?」
「あかぐろぉ、もえどぅと、あだだがいっでぇ‥。」
「赤黒? 赤黒って?」
「あかぐろぉ、よくもえどぅ。」
「よく燃える?」
ボンッ!
詳しく訊こうとしていたら、橋の上で何か爆ぜるような音がした。
ハッとしてベン君が地面に両手をついて立ち上がろうと腰を浮かした。
「あかぐろぉ!またはぢけどぅ!」
馬車のある当たりで火が大きく燃え上がっている。
「何か燃えやすいものを、あの馬車に積んでたってことか!?それに火をつけた?」
橋の上が騒がしくなった。騎士達がどんどん橋を渡っていく。
「はしがぁ!はしがおぢじゃう~!!」
ベン君が叫んだ。確かに激しく燃え続けていたら、橋が落ちないまでも穴が空いてしまいそうだ。
騎士達が荷車に大きな管がついた道具を乗せて運んでいく。管が橋の上から川に下ろされていく。川の水を汲み上げる魔道具のようだ。
水が噴出されて消火されていく。
煙と水蒸気の中を一人の騎士が少年を抱えて戻ってきた。
「ショーぉぉ!」
ベン君が駆け寄っていく。
追突しそうな勢いで突進していくので、風魔法でベン君の顔に風を吹き付けた。
「ぶぉ?」
ショー君を抱えた騎士にぶつかる手前でベン君がよろけた。騎士はベン君を避けようと横に一歩移動し、他の騎士に手伝いを呼びかけた。
ショー君は、服が所々焦げ、気を失っているのかぐったりとしていて動かない。
何人かの騎士がベン君の前に立ち、ショー君に近づけないようにしていた。そして担架を使って運んで行った。
座り込んでいるベン君に近づいて語りかけた。ベン君は、ぐずぐずと泣いている。
「はしがおぢたら、ショーがぁ、ショーがぁ‥‥。」
「だから、ショー君を助けに行かないと。」
ベン君に向かってそう言っている間に、騎士達はもう消火に向かっていた。
騎士達が橋に侵入していく姿を見て、ベン君の手が騎士達の方に伸びたが止める元気がなくなっているようだ。
「うう‥。」
駆けていく騎士達の後ろ姿を目で追い、ぐずぐずと泣き出した。
「はしがぁ…、ショーもおぢちゃう‥‥。」
「今、火を消しに行っているから。火を消したら橋は落ちないよ。」
「ほんどかぁ~?」
俺は頷いた。ベン君はまだ安心できないのか、目がそわそわと動いている。
ベン君の前にしゃがみ込んで訊いてみた。
「ああ。‥‥それで…‥何があったんだ? 何で馬車が燃えたの?」
「‥‥さ、さぶかったかだぁ‥‥。」
「寒かった?」
「ショーがぁ、あったばろっでぇ。」
「‥温まろうとした?何をしたの?」
「あかぐろぉ、もえどぅと、あだだがいっでぇ‥。」
「赤黒? 赤黒って?」
「あかぐろぉ、よくもえどぅ。」
「よく燃える?」
ボンッ!
詳しく訊こうとしていたら、橋の上で何か爆ぜるような音がした。
ハッとしてベン君が地面に両手をついて立ち上がろうと腰を浮かした。
「あかぐろぉ!またはぢけどぅ!」
馬車のある当たりで火が大きく燃え上がっている。
「何か燃えやすいものを、あの馬車に積んでたってことか!?それに火をつけた?」
橋の上が騒がしくなった。騎士達がどんどん橋を渡っていく。
「はしがぁ!はしがおぢじゃう~!!」
ベン君が叫んだ。確かに激しく燃え続けていたら、橋が落ちないまでも穴が空いてしまいそうだ。
騎士達が荷車に大きな管がついた道具を乗せて運んでいく。管が橋の上から川に下ろされていく。川の水を汲み上げる魔道具のようだ。
水が噴出されて消火されていく。
煙と水蒸気の中を一人の騎士が少年を抱えて戻ってきた。
「ショーぉぉ!」
ベン君が駆け寄っていく。
追突しそうな勢いで突進していくので、風魔法でベン君の顔に風を吹き付けた。
「ぶぉ?」
ショー君を抱えた騎士にぶつかる手前でベン君がよろけた。騎士はベン君を避けようと横に一歩移動し、他の騎士に手伝いを呼びかけた。
ショー君は、服が所々焦げ、気を失っているのかぐったりとしていて動かない。
何人かの騎士がベン君の前に立ち、ショー君に近づけないようにしていた。そして担架を使って運んで行った。
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