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秘龍石
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――近くの水場で石と顔を洗ったナオキはまじまじと受け取った石を眺めた。
「なぁ、この石、何で出来てるんだ? 外が透明で中が赤い石なんて初めて見るぞ」
「ソレ、トモダチ。オマモリ、ダイジナノ」
「トモダチ? 何だ、友達がくれたのか。じゃあ何て石か分からないか……」
その石はとても神秘的で、水のように透明度が高く、中の赤いモノは細工をされている。覗くと竜を模しているように見えた。誰かが手を加えたとしか考えられない。
「どれ、俺にも見せてみろよ」
先ほどまで笑い転げていたレイが近づいてきた。心なしかその表情には笑みが残っている。
「ほら、何かわかるか?」
ナオキはレイに石を放った。その瞬間――
「ダメ! トモダチ! モットダイジニシテ!」
「ダイジ!」
二匹がナオキを怒り出した。
そんなに貴重なものなのか。それは申し訳ないことをした。
「わ、悪かった。もっと大事にするから。な?」
そんなに大切なものならゴブリンのパンツの中に入れとくなよ……まぁパンツの中のモノも大事なものか……
謝りながらもナオキはそんなことを考えていた。
そんなナオキを尻目にレイは石を真剣に見ていた。その手にはいつの間にか革の手袋をしている。
コイツ……直に石を触るのが嫌なんだな……オレなんて洗う前のヤツを顔面に受けたんだぞ
軽く怒りを覚えながらレイを眺めていると、不意にレイの顔が強張った。
「コレひょっとして……秘龍石じゃねぇか!?」
「秘龍石? 何だそれ。旨いのか?」
「つまらないこと言ってんなよ。いいか? 秘龍石ってのはな、ドラゴンが自分自身の力を込めた石なんだ。石と言ってもそれ自体はドラゴンの体内で生成されるものなんだけどな」
「ドラゴンの石? 魔石みたいなもんか? そいつは凄いな」
「凄いなんてもんじゃねぇ。この石には作ったドラゴンの莫大なエネルギーが込められている。石の能力次第では国一つを滅ぼす威力があるって噂だ」
「いっ!? そ、そんなヤバいモノなのかよ……なあ、こんなところでその石の力が出たりしないのか?」
「それは大丈夫だろう。秘龍石は使う者の膨大な魔力と、石と持ち主の相性が合わないと何も起こらないそうだ。あくまで噂の話だけどな」
「噂かよ……どこまで本当なんだよ」
「そんなの俺が訊きたいぜ。俺だって初めて見るんだ。そう滅多にお目にかかれる代物じゃないってことだよ。魔石以上に貴重な代物だ。そんなヤバいモノを何でゴブリンのガキが……おいチビ助、友達って誰だ? 誰に貰った?」
レイはガーに詰め寄った。その迫力にガーは怯えクーの後ろに逃げた。
「なぁ、教えてくれ。誰にどんな経緯で貰ったんだ?」
「トモダチハトモダチ。ソレダケ」
「はぁなんだよそれ? そんなんで納得出来る訳ねぇだろ。もっと詳しく教えろよ!」
クーに詰め寄りレイは苛立ったように言った。
「トモダチ! アトシラナイ!」
クーはガーを連れながらナオキの後ろへ逃げた。友達のことをよく知らないのか言いたくないのかは判断が付かなかった。
「ま、まぁ友達が誰であれ、この石はここにあるんだ。それ以上のことはこの子たち話したく無いんだろ」
ナオキはレイを落ち着かせようとした。レイはまだ何か聞きたそうだったが、クーもガーもナオキの後ろに隠れたままレイに姿を見せようとしなかった。
「……わかった。友達のことはもう聞かない。それでいいだろ!」
お手上げをするようにレイは言った。それを聞いたクーは、ナオキの後ろからレイをじっと見つめていた。疑っているのだろう。だが暫くしてナオキの後ろから出てきた。
「トモダチ、ダイジ、オマモリ……」
クーは小声でそう言った。
「そうだよな。友達に貰ったものだもんな。大事にしなきゃな。でも本当にそんな大事なものをオレが貰っていいのかよ?」
とてつもなく危険で貴重なモノを受け取ることに戸惑いがあった。
「アゲル。オニイチャン、タスケテクレタ。オレイ」
「お礼って言ってもなぁ。そんな高価なもの受け取れないよ――」
「なら俺にくれ!」
食いつくようにレイが言った。その眼は真剣そのものだ。
「チビたちはあげるって言ってて、ナオキは受け取れないんだろ? なら俺にくれ。な? いいだろ?」
「ダメ!」
「ダメ! オニイチャン二アゲルノ!」
「何だよ! いいだろ? 俺が大事にするよ」
「ゼッタイダメ! オマエ、ダイジニシナイ!」
「な、なんだよ。そ、そんなことないぞ。それにお前って……俺は年上だぞ!」
急にレイの態度がよそよそしくなった。どうやらこの石で何か企んでいたらしい。
「オマエ、ダメ!」
ガーはレイの顔に飛びつきポコポコとレイの頭を叩きだした。
「おいチビやめろ!」
「オマエ、ダメ!」
「痛ぇだろ。やめろって!」
「オニイチャン、アゲル!」
どうやらゴブリンの子供たちは引かないらしい。ナオキは深くため息をついた。
「わかった。これはオレが預かる。それでいいだろ?」
ナオキの言葉を聞いてクーとガーが喜び、反対にレイは酷く残念そうな表情をした。
「ま、マジかよ~」
「ただし、預かるだけだ。今回の作戦が終わったらまた返すから。それでいいな?」
そう、あくまで預かるだけだ。こんな厄介なモノずっと持っているのは危険な気がした。
「……ワカッタ……ソレデイイ……」
渋々クーはナオキの提案に従った。
「ほらガー、姉ちゃんは分かってくれたぞ。お前も分かってくれ」
「…………」
ガーは俯いたまま黙っている。まだ納得だ来ていないのだろう。レイに乗っかったままレイの髪を握っている。
「ガー。イウコトキイテ……」
「……」
クーがガーに優しく諭すがガーは黙ったままだ。
「ほら、姉ちゃんもナオキもそう言ってんだ。納得して早く降りてくれよ」
レイはガーを降ろそうとガーの両脇に手を入れようとした。
「ウルサイ!」
ガーは勢いよく掴んでいた髪を引きちぎりながらレイから飛び降りてそのままクーの元へ走って行きクーに抱き付いた。
「痛ってー!! このチビ、俺の美しい髪になんてことするんだ! あぁ、ここんとこ剥げてる!」
涙目になりながらレイはガーが抜いた個所を擦っている。
「ナオキ、ここんとこ見てくれ。変になってないか?」
レイはナオキに頭部を見せてきた。ソコには円形に髪の無い箇所が見える。
「う……うん……少し無いところがあるけど、だ、大丈夫じゃないかな……」
笑いを堪えながらナオキは言った。確かに周りの髪で抜けた箇所は目立たない。
「本当か? 嘘じゃないな?」
心配なレイは更に聞いてきた。
「あぁ……大丈夫だよ」
「まったくヒデェことしやがる。このガキただじゃおかな――」
レイはガーの方を見たがそれ以上言うのを辞めた。ガーはクーに抱き付き静かに泣いていた。
「……なぁ坊主。この石はお前たちにとって大事なお守りだろうけど、そう簡単にあげられる代物じゃねぇんだ。ナオキはそれがわかったから貰えないと言ってるんだ。わかってやれ」
レイはガーの頭を優しく撫でた。さっきまで秘龍石で何か企んでいたヤツの言葉とは思えない。
「ガー。お前たちのオレに対する気持ちは十分わかったよ。ありがとう。でもその石はお前たちにとってとても大切なものだ。だからお前たちがいつまでも持っていたほうがいいと思うんだ」
ナオキもガーに近づき、しゃがんで言った。
ガーは泣きながらナオキに抱き付いた。
「……マタアイタイ……」
「あぁ。大丈夫。ことが終わったら絶対に返しに来るから。それまで大人しく待っててくれ」
泣いているガーの頭を優しく撫でながらナオキは言った。
パンッ!
レイが手を叩く音が響いた。
「……じゃあボチボチ行くか! ベルが心配だ」
ナオキはガーを優しくクーへ渡した。
「うん、行こう! 二人ともここで待っててくれ必ず戻ってくるから」
そう言ってナオキとレイはベルの救出へ歩き出した。
「なぁ、この石、何で出来てるんだ? 外が透明で中が赤い石なんて初めて見るぞ」
「ソレ、トモダチ。オマモリ、ダイジナノ」
「トモダチ? 何だ、友達がくれたのか。じゃあ何て石か分からないか……」
その石はとても神秘的で、水のように透明度が高く、中の赤いモノは細工をされている。覗くと竜を模しているように見えた。誰かが手を加えたとしか考えられない。
「どれ、俺にも見せてみろよ」
先ほどまで笑い転げていたレイが近づいてきた。心なしかその表情には笑みが残っている。
「ほら、何かわかるか?」
ナオキはレイに石を放った。その瞬間――
「ダメ! トモダチ! モットダイジニシテ!」
「ダイジ!」
二匹がナオキを怒り出した。
そんなに貴重なものなのか。それは申し訳ないことをした。
「わ、悪かった。もっと大事にするから。な?」
そんなに大切なものならゴブリンのパンツの中に入れとくなよ……まぁパンツの中のモノも大事なものか……
謝りながらもナオキはそんなことを考えていた。
そんなナオキを尻目にレイは石を真剣に見ていた。その手にはいつの間にか革の手袋をしている。
コイツ……直に石を触るのが嫌なんだな……オレなんて洗う前のヤツを顔面に受けたんだぞ
軽く怒りを覚えながらレイを眺めていると、不意にレイの顔が強張った。
「コレひょっとして……秘龍石じゃねぇか!?」
「秘龍石? 何だそれ。旨いのか?」
「つまらないこと言ってんなよ。いいか? 秘龍石ってのはな、ドラゴンが自分自身の力を込めた石なんだ。石と言ってもそれ自体はドラゴンの体内で生成されるものなんだけどな」
「ドラゴンの石? 魔石みたいなもんか? そいつは凄いな」
「凄いなんてもんじゃねぇ。この石には作ったドラゴンの莫大なエネルギーが込められている。石の能力次第では国一つを滅ぼす威力があるって噂だ」
「いっ!? そ、そんなヤバいモノなのかよ……なあ、こんなところでその石の力が出たりしないのか?」
「それは大丈夫だろう。秘龍石は使う者の膨大な魔力と、石と持ち主の相性が合わないと何も起こらないそうだ。あくまで噂の話だけどな」
「噂かよ……どこまで本当なんだよ」
「そんなの俺が訊きたいぜ。俺だって初めて見るんだ。そう滅多にお目にかかれる代物じゃないってことだよ。魔石以上に貴重な代物だ。そんなヤバいモノを何でゴブリンのガキが……おいチビ助、友達って誰だ? 誰に貰った?」
レイはガーに詰め寄った。その迫力にガーは怯えクーの後ろに逃げた。
「なぁ、教えてくれ。誰にどんな経緯で貰ったんだ?」
「トモダチハトモダチ。ソレダケ」
「はぁなんだよそれ? そんなんで納得出来る訳ねぇだろ。もっと詳しく教えろよ!」
クーに詰め寄りレイは苛立ったように言った。
「トモダチ! アトシラナイ!」
クーはガーを連れながらナオキの後ろへ逃げた。友達のことをよく知らないのか言いたくないのかは判断が付かなかった。
「ま、まぁ友達が誰であれ、この石はここにあるんだ。それ以上のことはこの子たち話したく無いんだろ」
ナオキはレイを落ち着かせようとした。レイはまだ何か聞きたそうだったが、クーもガーもナオキの後ろに隠れたままレイに姿を見せようとしなかった。
「……わかった。友達のことはもう聞かない。それでいいだろ!」
お手上げをするようにレイは言った。それを聞いたクーは、ナオキの後ろからレイをじっと見つめていた。疑っているのだろう。だが暫くしてナオキの後ろから出てきた。
「トモダチ、ダイジ、オマモリ……」
クーは小声でそう言った。
「そうだよな。友達に貰ったものだもんな。大事にしなきゃな。でも本当にそんな大事なものをオレが貰っていいのかよ?」
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「アゲル。オニイチャン、タスケテクレタ。オレイ」
「お礼って言ってもなぁ。そんな高価なもの受け取れないよ――」
「なら俺にくれ!」
食いつくようにレイが言った。その眼は真剣そのものだ。
「チビたちはあげるって言ってて、ナオキは受け取れないんだろ? なら俺にくれ。な? いいだろ?」
「ダメ!」
「ダメ! オニイチャン二アゲルノ!」
「何だよ! いいだろ? 俺が大事にするよ」
「ゼッタイダメ! オマエ、ダイジニシナイ!」
「な、なんだよ。そ、そんなことないぞ。それにお前って……俺は年上だぞ!」
急にレイの態度がよそよそしくなった。どうやらこの石で何か企んでいたらしい。
「オマエ、ダメ!」
ガーはレイの顔に飛びつきポコポコとレイの頭を叩きだした。
「おいチビやめろ!」
「オマエ、ダメ!」
「痛ぇだろ。やめろって!」
「オニイチャン、アゲル!」
どうやらゴブリンの子供たちは引かないらしい。ナオキは深くため息をついた。
「わかった。これはオレが預かる。それでいいだろ?」
ナオキの言葉を聞いてクーとガーが喜び、反対にレイは酷く残念そうな表情をした。
「ま、マジかよ~」
「ただし、預かるだけだ。今回の作戦が終わったらまた返すから。それでいいな?」
そう、あくまで預かるだけだ。こんな厄介なモノずっと持っているのは危険な気がした。
「……ワカッタ……ソレデイイ……」
渋々クーはナオキの提案に従った。
「ほらガー、姉ちゃんは分かってくれたぞ。お前も分かってくれ」
「…………」
ガーは俯いたまま黙っている。まだ納得だ来ていないのだろう。レイに乗っかったままレイの髪を握っている。
「ガー。イウコトキイテ……」
「……」
クーがガーに優しく諭すがガーは黙ったままだ。
「ほら、姉ちゃんもナオキもそう言ってんだ。納得して早く降りてくれよ」
レイはガーを降ろそうとガーの両脇に手を入れようとした。
「ウルサイ!」
ガーは勢いよく掴んでいた髪を引きちぎりながらレイから飛び降りてそのままクーの元へ走って行きクーに抱き付いた。
「痛ってー!! このチビ、俺の美しい髪になんてことするんだ! あぁ、ここんとこ剥げてる!」
涙目になりながらレイはガーが抜いた個所を擦っている。
「ナオキ、ここんとこ見てくれ。変になってないか?」
レイはナオキに頭部を見せてきた。ソコには円形に髪の無い箇所が見える。
「う……うん……少し無いところがあるけど、だ、大丈夫じゃないかな……」
笑いを堪えながらナオキは言った。確かに周りの髪で抜けた箇所は目立たない。
「本当か? 嘘じゃないな?」
心配なレイは更に聞いてきた。
「あぁ……大丈夫だよ」
「まったくヒデェことしやがる。このガキただじゃおかな――」
レイはガーの方を見たがそれ以上言うのを辞めた。ガーはクーに抱き付き静かに泣いていた。
「……なぁ坊主。この石はお前たちにとって大事なお守りだろうけど、そう簡単にあげられる代物じゃねぇんだ。ナオキはそれがわかったから貰えないと言ってるんだ。わかってやれ」
レイはガーの頭を優しく撫でた。さっきまで秘龍石で何か企んでいたヤツの言葉とは思えない。
「ガー。お前たちのオレに対する気持ちは十分わかったよ。ありがとう。でもその石はお前たちにとってとても大切なものだ。だからお前たちがいつまでも持っていたほうがいいと思うんだ」
ナオキもガーに近づき、しゃがんで言った。
ガーは泣きながらナオキに抱き付いた。
「……マタアイタイ……」
「あぁ。大丈夫。ことが終わったら絶対に返しに来るから。それまで大人しく待っててくれ」
泣いているガーの頭を優しく撫でながらナオキは言った。
パンッ!
レイが手を叩く音が響いた。
「……じゃあボチボチ行くか! ベルが心配だ」
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