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2章

ゴールドーン山 part2

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この山の特徴は季節問わず、年中雪山であるということだ。

標高が高い山であること、氷雪系の精霊や魔物の住処になっていることが主な原因らしい。

シグムンド大陸には四季があり、今は4月。

なので、基本的には標高の高い山はどこも雪化粧をつけている。

フローラは深紅のワンピース(一張羅)姿で春らしい格好だが、山登りをする格好とは言えない。

きている本人はサシャお手製のワンピースの加護によりへっちゃらなのだが、ニーナさんは心配のようだ。

古龍種の鱗を溶解して作られた糸には効果が付与されているのだ。

・耐寒、・炎無効、・熱無効。

耐熱性能は完備しているのだが、寒さは肌寒い程度には感じるようだ。

全く寒さを感じていない訳では無いのでニーナさんがローブを1つバックパックから取り出す。

ゴールドーン山に登るにあたり、ニーナさんは耐寒装備をフル装備している。

「わたしの予備だけどこれ使って。」

別に付けなくてもいいし、サイズも合わないだろうけど厚意を無下にすることもできないのでフローラはニーナさんからローブを受け取る。

フローラが羽織ると足元をずるずる引きずらないよう、余ったローブを折り込み、ピンで留めてくれた。

おかげで、サイズの問題は多少改善されている。

フードまでは調整できなかったのだ。

雪よけにフードまで被ると前の視界を完全に奪ってしまう。

あかちゃは雪道になると、肌寒いようで動きが少し鈍くなっている。

一方、ゆきじは水を得た魚のように、機敏になって動いている。

バッグベアは山登りには幅を取ってしまうので、【ストック】を発動して、預けている。

フローラはあかちゃを、すっと持ち上げると自分の頭の上に載せる。

すると、あかちゃの防寒もでき、フローラの視界は明瞭になった。

ゆきじは少しばかり、フローラの頭の上に載っているあかちゃを羨ましがっているようだ。

「ゆきじー。あかちゃのぶんも頑張ってわたし達を守ってね」

ゆきじはフローラに頼ってるよ。と言われると、あかちゃに対して思っていたことなどすっかり忘れてしまったかのようにやる気がみなぎっている。


「ほんとよく懐いてるというか、調教されてるというか・・・。扱いが上手ね、フローラちゃん」

「ゆきじとあかちゃだけですよ~。ずっと一緒にいましたからね」

ニーナさんがやり取りをみて、フローラに言う。

フローラは謙遜しているけれど、喜びが顔に出ている。

そんな素直なフローラをみてニーナはまた微笑ましくなるのであった。


ゴールドーン山、山頂を目指し登っているとイエティ達に遭遇する。

白い毛に覆われた中型の猿のモンスターだ。

一本道の登り坂に現れた三体のイエティ。

ゆきじは【アイススピア】を発動する。

【アイススピア】・・・氷槍を1方向に撃つ魔法。

イエティの大きな体に氷槍が突き刺さる。

腕でガードし、軌道を逸らされたため、致命傷には至らない。

また相性が悪いため貫通するほどの威力もなかったようだ。

だが、深手を負ったのは間違いない。

激昴したイエティが両腕を振り上げ、こちら目掛け突進してくる。

ゆきじは新しく魔法を練ろうするが、ニーナさんが前に出る。


両腕で殴殺せんと振り上げられていた腕をニーナさん目掛け振り下ろしてくる。

腰に手を当て、武器を引き抜いた。

右腰に差してあったのはレイピア。

細い刀身で攻撃速度が持ち味の武器だ。

真正面からの力比べで受けるのは分が悪い武器だ。

ニーナさんの剣閃が円弧を描く。

すると、振り下ろされた腕は地面に落ちていた。

突如として切り落とされた腕に唖然とするイエティとフローラ達。

すると、また一閃。

今度はレイピアを鞘に納めたキンっという音だけが聞こえるとイエティの胴体から首が切り離された。

あまりの速さに剣閃の軌跡すらフローラは分からなかった。

ニーナさんが腰にあてている武器に再び手をかけようとしたところで、形成不利と見たのか撤退していくイエティ達。

ニーナさんは無駄な殺生はしないようだ。

無論、フローラも殺さなくていいなら戦闘は避けたい方なので、追撃する気は毛頭ない。

「ふぅ、ちょっと怖かったねー。」

ニーナさんはフローラの心配をする。

「わたしなんてただ見てただけで、、ニーナさんかっこいいです!!すごい剣術ですね!」

「いやいや、ゆきじくんが先制攻撃してくれてた手負いだったし。それに、フローラちゃんは後衛向きだから近距離相手はしょうがないよ」

フローラのフォローをしながら、謙遜するニーナさんはやっぱり大人の女性だ。

フローラにとっての頼れるお姉さんという印象はより強くなったようだ。



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