テイマーですが何か?

姓名は無し

文字の大きさ
9 / 99
3章

ミドレスト皇国 part6

しおりを挟む
一階へ駆け降りていった二人のエルフ達を見て、一瞬フロントの“受付お兄さん”含め、酒盛りしていた冒険者達が此方に気づくなり、会話が不自然に断たれる。
そういえば、受付で換金や部屋を取った時は外套を被ってたんだっけ。
不味かったかな?とも思ったのも束の間のこと。
「おいおい、仲間だろ?ここでエルフなんて長らくみてねぇんだ。歓迎してやろうぜ?ナァー、野郎ども!!!」
「そうだなぁ、嬢ちゃん等すまねえな!!楽しくやろうぜ!!」
「ちょいとばかし珍しかっただけだ。姉妹かい?えらく綺麗なお嬢ちゃん等だな。」
「二人とも大人になったら酒(エール)でも飲み交わそうぜ」
謝罪を込めた声が冒険者達からあちこちで飛び交い、すぐ喧騒で溢れ返る。
ミルトはぎこちない笑みを浮かべている。
「お姉ちゃん(ミルト)、しょうがないよ。可愛いよ、お姉ちゃん(ミルト)。」
優しく肩に手を置くフローラの眼差しは慈愛に満ち満ちている。
これが決め手と言わんばかりに、ミルトは肩を落とし分かり易く凹んでしまう。
弄る相手がいるって…なんか楽しいな。
心の中でそんなことを思いながら、受付まで足を運ぶ。
受付のお兄さんの下まで行くと、二人は冒険者証を提示する。
「はい、確認が取れました。フローラさんにミルト君ですね。ご用件をお伺いいたします。」
「はい!クエストを受注したいんですけど、報酬がこうゆう指輪のアクセになってるものとかありますか?若しくはこういった変わった指輪の情報を提供してくれそうな人の依頼があったら見繕って欲しいです」
フローラは指輪を取り外し掌にのせて見せる。
受付係はまじまじと観察しながら首を捻らせる。
「ん~、何だろうね。見た所…身体向上(ステータスアップ)系でも状態異常無効系でもなさそうだね。んー骨董品とかで流れてそうだね。」
すぐさまギルドの情報網からソレらしいクエストを調べ始める。

「ん~。用途不明のアイテム?っていうのがセルイラ大陸のアーガラムって港町の地元商人が依頼報酬品に出してるみたいですね。報酬の中にあるかは不明ですが、依頼主が商人のようなので、何らかの手掛かりとなるような話は聞ける可能性があります。詳細はこちらですね。」
・商品の運搬の護衛。
難度Cランク・・・報酬銀貨二十枚~。用途不明のアクセサリ(此方は欲しければ)
-内容-
セルイラ大陸アーガルム港からサンプトンまでの護衛をして頂きたい。
経由する街毎に報酬銀貨二十枚を上乗せ。
寝床、三食付き。
商談主(依頼主)…サビ―・レイガ


「アーガルムが此処。シグムンド大陸を船で出て、セルイラ大陸に着く港町がアーガルム。セルイラ大陸を横断してくのかな。バンギッド大陸へ行く便があるアルスター港の付近に…凡そですがこの辺がサンプトンですね。詳しくは現地で地図(マップ)を描いてもらって下さい。」
受付のお兄さんが説明も兼ねて軽く地図作成(マッピング)を済ませた用紙もフローラ達に手渡す。

フローラに、このクエストを断る理由はない。これ以上有力な情報も掴んでいないので当然である。
「ミルトは?見た感じだと端から端まで護衛しながら都市巡りって旅になりそうだけど。」
大陸を出ると風土や気候も変化する。環境の変化を敬遠する冒険者も多く、地元の大陸だけで仕事をこなす人も少なくない。とニーナさんに教えられている。
「フローラちゃんの依頼の件だけど、大陸を出るようならミルトに聞いてみてね。」
ということらしいのでフローラはミルトに言われた通り、尋ねたのだ。
元々、フローラは目的が目的なだけに、大陸間の移動は覚悟の上だ。
無理そうならミルトとは此処でお別れね。ミルトの返答次第では決別も視野に入れなければならないが…。
「おぉー!初セルイラ大陸進出かぁ~~!わくわくするねっ!!」
ニーナ達の気遣いは杞憂に終わる。
「じゃあ、フローラはこれで決まりね?」
「うん。」
フローラはミルトの問いに頷き返す。
「それじゃあ、私達のパーティ申請と護衛のクエストの件お願いします!」
フローラは受付係員に受注する。
「はい、かしこまりました。それでは…詳細は同様にそちらの羊皮紙に書いてありますので。」
受諾印を係員が押す為に一度預かると、手続き登録を済ました係員より、フローラに羊皮紙が手渡される。

「じゃあ、このクエストと同時に受けられそうなクエストを僕のも見繕って頂けますか?」
「分かりました、それじゃあですね?」
続けざま、ミルトもクエストを受注する。
・マンティコア、マンイーター、ワイバーン、バイコーン、ベヒモス、の討伐。
難度Cランク(条件昇給あり)・・・報酬銀貨三十枚~
-内容-
マンティコア、マンイーター、ワイバーン、バイコーン、ベヒモス、のどれかを討伐。
最低討伐数を以下のように定めます。(※ドロップアイテムが証明)
マンティコア…十八体~。銀貨三十枚×個体セット数
マンイーター…十五体~。銀貨三十枚×個体セット数
ワイバーン…三体~。金貨一枚×個体セット数
バイコーン…一体~。金貨一枚×個体数
ベヒモス…一体~。金貨一枚銀貨二十枚×個体数

尚、全討伐に成功した場合、ランクをBランクに昇格とする。
※個体セット数とは、最低討伐数が複数体指定されている場合、最低討伐数を一セットとして数える。

恐らく下に行くにつれて魔物の強さが変わってくるのだろう。
討伐難度が下に行くにつれて減っている他、報酬の違いからも見て取れる。

討伐クエストはミルトの専門外。
迷わず、フローラにも見せて相談する。
「討伐クエストなんだけど、平気かな?フローラやニーナさんに頼っちゃう形になるよ。」
「いいんじゃない?」
フローラはあっさり答える。
「それじゃあ、僕達のクエストは今のでお願いします。」
「はい、かしこまりました。」
クエストを受注したフローラ達は受付のお兄さんにお辞儀をして、二階の貸部屋へ意気揚々と戻っていった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

処理中です...