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3章
ミドレスト皇国 召喚6(回想編)
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城内に残り、執務を執り行っていた宰相のリカルドは幻惑魔法を察知する。
対抗魔法を練る時間がないことを数多の経験から咄嗟に身体が反応する。
リカルドは自身の魔力を全解放し、対抗魔法具(アンチマジックアイテム)の効果を最大限引き出す。
「な…?!」
目の前に現れたのは自身を生き写した影武者のような存在だ。精気は感じられず、何者かの魔法によって生み出された幻影めいたモノと推察する。
瞬き一つで間合いを詰められ接触する薄皮一枚のところでリカルドの対抗魔法具【聖王の腕輪(ダヴィドのうでわ)】が発動する。
【聖王の腕輪(ダヴィドのうでわ)】はリカルドの全魔力を吸収し、目前の幻体を霧散させた。
ルーベルトの魔法を破ったのは彼(リカルド)が身につけていた魔道具の一種であった。
装備者の魔力に依存するが、一定魔力量腕輪が吸収することで、あらゆる魔法を防ぐ、対魔法無効化能力(スキル)が付与された腕飾りである。
国宝級の代物である。
リカルドが防げたのは保持している魔力量の問題で使用限界は一度のみ。
幸い追撃はこなかった。
急激に失われた魔力のせいで魔力枯渇による意識消失も時間の問題であった。
幸い机上には清水があり、勢い良く口に含む。
純度の高い水は清水と呼ばれ、魔力(マナ)の自然回復を促進する効果があるのだ。
意識を既の所で繋ぎ留める。
魔力疲労状態に陥りながらも、身体に鞭を打ち奮い立たせる。
「ぐっ。誰かいないか…!!」
ザイツは助けを求める。
扉の外に居るはずの兵士達の反応はない。自分だけでなく、範囲攻撃であったのだろう。瞬間的に高出力の魔法を放つにはそれなりの技能がいる。
そのような手練れが皇帝不在中、手薄となっている皇城を狙う理由を考えようとするも意識を保つのでやっとの状態でまともに頭が働かない。
執務室を出て、廊下を見回すと傍に兵士や、通路の奥に侍女が倒れているのが視認できた。
「おい!しっかりしろ!!…ックソ!!」
揺すって起こそうとするも、意識が戻る気配はない。
惨憺たる現場に思わず、暴言を吐き捨てる。
壁伝いに歩いていき、渡り廊下から反対側の様子を確認すると、同様に城内の警備兵がちらほらと倒れている様子が見て取れる。
少なくとも城全域に魔法が発動されたのは間違いない。
助かったのは恐らく自分だけなのではないか。という結論に至ろうとしていると、ゆっくり兵士が起き上がるのが見えた。
「生存者か!おーい!聞こえるか!大丈夫かー!!」
渡り廊下を突き進み、起き上がっている兵士に近づいていくリカルドは半ばまで歩みを進めた所で、足を止めた。
此方に向かってくる兵士は呼びかけにも応じず、異様な雰囲気を纏っていたからだ。
「…お、おい!正気を失ったか!」
リカルドが異変に察知し逃げようとすると、兵士の歩みが急激に早まる。
回れ右で来た道を引き返そうとすると、道中で横たわっていた兵士達も起き上がっていた。
倒れていた時同様、目が虚ろのままだ。
明らかに術者に操られている状態である。
「不味い、囲まれたか。」
満足に体が動かせないリカルドは操られた兵士達に追い詰められ、あっけなく捕まってしまう。
対抗魔法を練る時間がないことを数多の経験から咄嗟に身体が反応する。
リカルドは自身の魔力を全解放し、対抗魔法具(アンチマジックアイテム)の効果を最大限引き出す。
「な…?!」
目の前に現れたのは自身を生き写した影武者のような存在だ。精気は感じられず、何者かの魔法によって生み出された幻影めいたモノと推察する。
瞬き一つで間合いを詰められ接触する薄皮一枚のところでリカルドの対抗魔法具【聖王の腕輪(ダヴィドのうでわ)】が発動する。
【聖王の腕輪(ダヴィドのうでわ)】はリカルドの全魔力を吸収し、目前の幻体を霧散させた。
ルーベルトの魔法を破ったのは彼(リカルド)が身につけていた魔道具の一種であった。
装備者の魔力に依存するが、一定魔力量腕輪が吸収することで、あらゆる魔法を防ぐ、対魔法無効化能力(スキル)が付与された腕飾りである。
国宝級の代物である。
リカルドが防げたのは保持している魔力量の問題で使用限界は一度のみ。
幸い追撃はこなかった。
急激に失われた魔力のせいで魔力枯渇による意識消失も時間の問題であった。
幸い机上には清水があり、勢い良く口に含む。
純度の高い水は清水と呼ばれ、魔力(マナ)の自然回復を促進する効果があるのだ。
意識を既の所で繋ぎ留める。
魔力疲労状態に陥りながらも、身体に鞭を打ち奮い立たせる。
「ぐっ。誰かいないか…!!」
ザイツは助けを求める。
扉の外に居るはずの兵士達の反応はない。自分だけでなく、範囲攻撃であったのだろう。瞬間的に高出力の魔法を放つにはそれなりの技能がいる。
そのような手練れが皇帝不在中、手薄となっている皇城を狙う理由を考えようとするも意識を保つのでやっとの状態でまともに頭が働かない。
執務室を出て、廊下を見回すと傍に兵士や、通路の奥に侍女が倒れているのが視認できた。
「おい!しっかりしろ!!…ックソ!!」
揺すって起こそうとするも、意識が戻る気配はない。
惨憺たる現場に思わず、暴言を吐き捨てる。
壁伝いに歩いていき、渡り廊下から反対側の様子を確認すると、同様に城内の警備兵がちらほらと倒れている様子が見て取れる。
少なくとも城全域に魔法が発動されたのは間違いない。
助かったのは恐らく自分だけなのではないか。という結論に至ろうとしていると、ゆっくり兵士が起き上がるのが見えた。
「生存者か!おーい!聞こえるか!大丈夫かー!!」
渡り廊下を突き進み、起き上がっている兵士に近づいていくリカルドは半ばまで歩みを進めた所で、足を止めた。
此方に向かってくる兵士は呼びかけにも応じず、異様な雰囲気を纏っていたからだ。
「…お、おい!正気を失ったか!」
リカルドが異変に察知し逃げようとすると、兵士の歩みが急激に早まる。
回れ右で来た道を引き返そうとすると、道中で横たわっていた兵士達も起き上がっていた。
倒れていた時同様、目が虚ろのままだ。
明らかに術者に操られている状態である。
「不味い、囲まれたか。」
満足に体が動かせないリカルドは操られた兵士達に追い詰められ、あっけなく捕まってしまう。
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