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第一章
夢で会いましょう
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宿に帰るると、早速ヴィヴィに天魁を見せた。
「これがオズが使ってた武器なの?」
「あぁ、頼りになる奴だ。プティーは分かってると思うが、俺以外が触ると危ないなら触るなよ。ククルもな」
「クゥ」
「うん。でも危ないって、具体的にどうなるの?」
「血を全部吸われてミイラになる」
「こわっ!」
「ククゥ!?」
だから絶対触るなと念押ししたら、ヴィヴィとククゥはコクコクと高速で頷いてた。その夜、俺は懐かしい夢を見た。夢の中で幼い俺が家族や友に囲まれ笑っている。そう、みんな幸せそうに笑っていた。まったく……
「「反吐が出る」」
俺と言葉と重なるように声が響いた。その瞬間、懐かしい光景は消え去り暗闇になる。後ろから近付いてきた足音に振り返ると、俺と同じ色を持つ美しい人が立っていた。
「……人の台詞に被せるなよ」
「あら、わたしは思ったことを言っただけよ。そんなことより、貴方……何故そんなに弱くなっているの?」
「久しぶりに会うのに容赦ないな…天魁」
そう、この美人は天魁のもう一つの姿だ。
それにしても、長い付き合いだからか俺が本調子じゃないのをあっさり見破られちまったな。
「良いから答えなさい。オズウェル、眠りについた貴方が何故目覚めたの?ここで何してるの?」
「話せば長くなる」
「良いから話して」
「ある女に起こされた。で、その女の子どもと旅をしている」
「………え?それで?」
「以上だ」
「短いわ!」
天魁に叩かれた。だって他に説明すること無いし…あっ、そうだ!
「従魔師ギルドに入った!」
「どうでも良いわ!」
この野郎、何度も叩きやがって!だいたい、俺も聞きたいことがあるんだよ!
「お前こそ、何でこの町にいたんだ?俺が眠った場所に一緒にいた筈だろ?」
「そ、それは~……持ち出されたのよ~」
「持ち出す?触れないのにどうやって……魔封じの魔道具か?」
「違うわ。素手だったわよ」
「はぁ?……お前……ま、まさか……」
「だって~……超イケメンだったんだもん」
「あ、アホかーーー!何でいつもそうなんだよ!」
後で知ったんだが俺はこの時、現実でも叫んでたらしい。起こされたヴィヴィが、腹いせに枕を俺の顔に押し付けて静かにさせたと言っていた。
ヴィヴィさん、普通なら死んでますよ。まぁ、その時の俺は気付かないまま天魁と言い争いを続けてたんだが。
「何よ!わたしの好みにストライクだったの!」
「何がストライクだ!お前は昔っからヒョイヒョイ他の奴について行きやがって!」
「何よ!あんただって、行きなり‘暇だな~……ちょっと寝るか’とか言ってそれきり何百年たったと思ってるわけ!その間わたしも暇だったのよ!」
それから数時間、今までの不満をぶちまけ合いお互いスッキリした所で、話の本題に入った。
「で?何で弱くなってるの?まぁ、想像つくけど……あの子が原因ね」
「……必要だったんだ。ヴィヴィアンを死なせないためにはな」
「あの子はいったい何なの?気配からレーヴェンの家系なのは分かるけど」
「ヴィヴィアンは………」
「………」
「あっ!そろそろ起きないと!じゃあな!」
「はぁ!?あんた!ちょっ…待ちなさい!このバカウェル~!」
誰がバカだ!別に話さないわけじゃない!本当に時間なんだよ!朝飯を食いっぱぐれる訳にはいかんのだ!
この宿の食事は美味しく俺の好みで、朝と夜は絶対食べると決めていた俺は急いで意識を浮上させたのだった。
「これがオズが使ってた武器なの?」
「あぁ、頼りになる奴だ。プティーは分かってると思うが、俺以外が触ると危ないなら触るなよ。ククルもな」
「クゥ」
「うん。でも危ないって、具体的にどうなるの?」
「血を全部吸われてミイラになる」
「こわっ!」
「ククゥ!?」
だから絶対触るなと念押ししたら、ヴィヴィとククゥはコクコクと高速で頷いてた。その夜、俺は懐かしい夢を見た。夢の中で幼い俺が家族や友に囲まれ笑っている。そう、みんな幸せそうに笑っていた。まったく……
「「反吐が出る」」
俺と言葉と重なるように声が響いた。その瞬間、懐かしい光景は消え去り暗闇になる。後ろから近付いてきた足音に振り返ると、俺と同じ色を持つ美しい人が立っていた。
「……人の台詞に被せるなよ」
「あら、わたしは思ったことを言っただけよ。そんなことより、貴方……何故そんなに弱くなっているの?」
「久しぶりに会うのに容赦ないな…天魁」
そう、この美人は天魁のもう一つの姿だ。
それにしても、長い付き合いだからか俺が本調子じゃないのをあっさり見破られちまったな。
「良いから答えなさい。オズウェル、眠りについた貴方が何故目覚めたの?ここで何してるの?」
「話せば長くなる」
「良いから話して」
「ある女に起こされた。で、その女の子どもと旅をしている」
「………え?それで?」
「以上だ」
「短いわ!」
天魁に叩かれた。だって他に説明すること無いし…あっ、そうだ!
「従魔師ギルドに入った!」
「どうでも良いわ!」
この野郎、何度も叩きやがって!だいたい、俺も聞きたいことがあるんだよ!
「お前こそ、何でこの町にいたんだ?俺が眠った場所に一緒にいた筈だろ?」
「そ、それは~……持ち出されたのよ~」
「持ち出す?触れないのにどうやって……魔封じの魔道具か?」
「違うわ。素手だったわよ」
「はぁ?……お前……ま、まさか……」
「だって~……超イケメンだったんだもん」
「あ、アホかーーー!何でいつもそうなんだよ!」
後で知ったんだが俺はこの時、現実でも叫んでたらしい。起こされたヴィヴィが、腹いせに枕を俺の顔に押し付けて静かにさせたと言っていた。
ヴィヴィさん、普通なら死んでますよ。まぁ、その時の俺は気付かないまま天魁と言い争いを続けてたんだが。
「何よ!わたしの好みにストライクだったの!」
「何がストライクだ!お前は昔っからヒョイヒョイ他の奴について行きやがって!」
「何よ!あんただって、行きなり‘暇だな~……ちょっと寝るか’とか言ってそれきり何百年たったと思ってるわけ!その間わたしも暇だったのよ!」
それから数時間、今までの不満をぶちまけ合いお互いスッキリした所で、話の本題に入った。
「で?何で弱くなってるの?まぁ、想像つくけど……あの子が原因ね」
「……必要だったんだ。ヴィヴィアンを死なせないためにはな」
「あの子はいったい何なの?気配からレーヴェンの家系なのは分かるけど」
「ヴィヴィアンは………」
「………」
「あっ!そろそろ起きないと!じゃあな!」
「はぁ!?あんた!ちょっ…待ちなさい!このバカウェル~!」
誰がバカだ!別に話さないわけじゃない!本当に時間なんだよ!朝飯を食いっぱぐれる訳にはいかんのだ!
この宿の食事は美味しく俺の好みで、朝と夜は絶対食べると決めていた俺は急いで意識を浮上させたのだった。
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