7 / 20
sideエドアルド
しおりを挟む
彼女を見つけたときの衝撃を俺は忘れない。
おそらくそれは幼馴染みのセルジオも同じで、王都にいるもう一人の幼馴染みに早く知らせたくて仕方なかった。
俺たちの三人には忘れられない人たちがいる。
一人は母の弟、つまり俺の叔父たが、あの人は伯爵家の長子でありながら、跡継ぎは弟に押し付け自分のやりたいことをする人だった。
その叔父に何があったのか、急に結婚したのだ。
そう…婚約をすっとばして結婚した。
しかもその相手は、現国王の妹であり、じゃじゃ馬姫と名高い人だった。
当然、反対されると思えた結婚だが、盛大な祝福を受け無事二人は夫婦となったのだ。
結婚式では親族が涙ながら同じことを言っていた。
『貰い手がいて良かった!』
きっと俺の聞き間違いだろう。
それから一年位経った頃、二人は子を授かった。
生まれたのは、叔母の紅い髪に叔父の翠の瞳を受け継いだ女の子で、その子はあっという間に俺たち三人のお姫様になった。
暇さえあれば会いに行き遊んだおかげで、彼女も俺たちに良く懐いたものだから、叔父が嫉妬して罠をしかけたり妨害するようになったが、良い訓練になったので感謝している。
ある日、叔父と叔母が国王直々の頼みで地方へ行くことになった。
あの子も一緒に連れて行かれてしまい意気消沈していたが、ある報せが届き俺たちは絶望することになる。
あの人たちが乗っていた馬車が何者かに襲撃され崖から落ちた……あの子も一緒に。
そのとき気付いたのだ。
セルジオともう一人は、あの子を《妹》として愛していたが、俺は《一人の女の子》として愛していたことを。
きっとあの子は生きている。
あの二人が簡単に死ぬはずがないのだから。
再会したら今度は俺が守るんだ。
その気持ちを糧に鍛練を重ね俺は第三騎士団の団長になった。
そして面倒な仕事の途中で見かけた少女は、俺が想像するあの子が成長した姿そのものだった。
最初は確信が無く見ているしかなかったが、彼女の名を聞いた瞬間、駆け寄り抱き締めたいのを我慢した。
セルジオも身体が少し動いたから同じだったのだろう。
やっと……やっと会えた。
今度こそ守って見せる。
二度と離さないよ。
俺たちの……俺の可愛いお姫様。
おそらくそれは幼馴染みのセルジオも同じで、王都にいるもう一人の幼馴染みに早く知らせたくて仕方なかった。
俺たちの三人には忘れられない人たちがいる。
一人は母の弟、つまり俺の叔父たが、あの人は伯爵家の長子でありながら、跡継ぎは弟に押し付け自分のやりたいことをする人だった。
その叔父に何があったのか、急に結婚したのだ。
そう…婚約をすっとばして結婚した。
しかもその相手は、現国王の妹であり、じゃじゃ馬姫と名高い人だった。
当然、反対されると思えた結婚だが、盛大な祝福を受け無事二人は夫婦となったのだ。
結婚式では親族が涙ながら同じことを言っていた。
『貰い手がいて良かった!』
きっと俺の聞き間違いだろう。
それから一年位経った頃、二人は子を授かった。
生まれたのは、叔母の紅い髪に叔父の翠の瞳を受け継いだ女の子で、その子はあっという間に俺たち三人のお姫様になった。
暇さえあれば会いに行き遊んだおかげで、彼女も俺たちに良く懐いたものだから、叔父が嫉妬して罠をしかけたり妨害するようになったが、良い訓練になったので感謝している。
ある日、叔父と叔母が国王直々の頼みで地方へ行くことになった。
あの子も一緒に連れて行かれてしまい意気消沈していたが、ある報せが届き俺たちは絶望することになる。
あの人たちが乗っていた馬車が何者かに襲撃され崖から落ちた……あの子も一緒に。
そのとき気付いたのだ。
セルジオともう一人は、あの子を《妹》として愛していたが、俺は《一人の女の子》として愛していたことを。
きっとあの子は生きている。
あの二人が簡単に死ぬはずがないのだから。
再会したら今度は俺が守るんだ。
その気持ちを糧に鍛練を重ね俺は第三騎士団の団長になった。
そして面倒な仕事の途中で見かけた少女は、俺が想像するあの子が成長した姿そのものだった。
最初は確信が無く見ているしかなかったが、彼女の名を聞いた瞬間、駆け寄り抱き締めたいのを我慢した。
セルジオも身体が少し動いたから同じだったのだろう。
やっと……やっと会えた。
今度こそ守って見せる。
二度と離さないよ。
俺たちの……俺の可愛いお姫様。
1
あなたにおすすめの小説
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
婚約破棄したら食べられました(物理)
かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。
婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。
そんな日々が日常と化していたある日
リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる
グロは無し
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
「ご褒美ください」とわんこ系義弟が離れない
橋本彩里(Ayari)
恋愛
六歳の時に伯爵家の養子として引き取られたイーサンは、年頃になっても一つ上の義理の姉のミラが大好きだとじゃれてくる。
そんななか、投資に失敗した父の借金の代わりにとミラに見合いの話が浮上し、義姉が大好きなわんこ系義弟が「ご褒美ください」と迫ってきて……。
1~2万文字の短編予定→中編に変更します。
いつもながらの溺愛執着ものです。
幼馴染の婚約者ともう1人の幼馴染
仏白目
恋愛
3人の子供達がいた、男の子リアムと2人の女の子アメリアとミア 家も近く家格も同じいつも一緒に遊び、仲良しだった、リアムとアメリアの両親は仲の良い友達どうし、自分達の子供を結婚させたいね、と意気投合し赤ちゃんの時に婚約者になった、それを知ったミア
なんだかずるい!私だけ仲間外れだわと思っていた、私だって彼と婚約したかったと、親にごねてもそれは無理な話だよと言い聞かされた
それじゃあ、結婚するまでは、リアムはミアのものね?そう、勝手に思い込んだミアは段々アメリアを邪魔者扱いをするようになって・・・
*作者ご都合主義の世界観のフィクションです
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる