聖女候補……の付き人になりました

そらのあお

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エド様と帰宅したらルドルフさんが外で待っていた。
何だか困った顔をしているわ。何かあったのかしら?

「お帰りなさいませ。エドアルド様、レティシア様」
「……来ているのか?」
「はい」
「何人だ?」
「お一人でございます」
「……レティ、すまないが先に…「御二人で…とのことです」……チッ」

エド様が舌打ちしたわ!?
会話の内容からお客様が来ているのは分かったけど、エド様は会いたくないみたい。
それにさっきルドルフさん、御二人でって言ってたけどわたしも一緒にってことよね?わたしが知ってる人かしら?

「仕方ないか……レティ、すまないが一緒に来てくれるか?君と会いたいと言っている野ろ…方が来ている」
「えっと…はい」

わたしに会いたいって、いったい誰だろう?王都に知り合いなんていないし…まさか、ジュリアじゃないわよね?
ジュリアの顔を思い浮かべたとたん、もやもやしてきてうつ向いていたら、エド様の胸に優しく抱き寄せられた。

「大丈夫か?」
「……ふぇ!?」
「心配しくて良い。彼は君に会って確かめたいことがあるだけだ」
「た、確かめたいことですか?」

か、彼ってことはジュリアじゃないみたい。
それはそうと離してくれないかしら!?心臓が止まってしまうわ!

「あぁ。レティ…」
「は、はい」
「これから先、君にとって重要なことが起こる。そして、今から会う方は必ず君の力になってくれる方だ」

重要なこと?いったい何があるのかしら?従魔師の試験関係とか?

「だだね…レティ」
「はい」
「君の一番の味方は俺だ。だから何かあったら誰よりも俺を頼ってくれ」
「へ?」
「俺を頼れ。レティ、返事は?」

返事って言われても…何で顔を近付けるの!?あぁ!おでこにキスした!?

「は、はい!分かりました!」
「良い子だ」

エド様はわたしが返事をするまで、顔中にキスをしてました。
ドキドキし過ぎで疲れてぐったりしていたわたしは、にこにこ見守るルドルフさんと、ニヤニヤしている知らない男の人を見て、思わずエド様の胸を押し返した。
ちっともびくともしなかったけどね!
それでもエド様は顔を上げて、男の人に顔を向けた。

「おっ!邪魔しちまったかな?」
「あぁ、邪魔だ」
「お前って奴は……まぁ良い。話しは中でしよう」
「そうだな。レティ、行こうか」
「は、はい!」
「うわ…何そのあっまあまな声……普段と違い過ぎて鳥肌が…」
「それは大変だな。帰れ」
「帰りませ~ん」

な、仲は良いのよね?ルドルフさんもにこにこしたままだし……ところでルーナの姿が見えないのだけど、何処に行ったのかしら?





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