たんぽぽ学園は、今日も平和(じゃない)です。

kuro.

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1年生編

第20話「始業式と抱負?。」

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 1月7日。
 新学期の始まりを告げる、始業式の日。

 たんぽぽの丘学園の体育館には、生徒たちの少し眠たげな顔が並んでいた。

 式はあっという間に終わり、教室に戻ったあとは、軽くホームルームが行われることになっていた。

 がらり、と教室のドアが開き、のそっと黒田先生が入ってくる。

「……えー、あけましておめでとう。今年も、だらっと……いや、ほどほどに頑張りましょう」

 教室がくすくすと笑いに包まれる。

「ま、冬休みボケもあるだろうけど、明日から通常授業だから。覚悟してねー……。以上」

 やる気ゼロな口調とは裏腹に、生徒たちを気遣う言葉を添えて、黒田先生はあっさりとHRを締めた。

「……ほんと、黒田先生らしいなぁ」

  ゆいが小声でつぶやくと、つかさとりんも「だよねぇ」と笑い合う。

 そんな感じで、始業式の日はさらっと幕を閉じたのだった。



 教室を出た3人は、寒空の下を歩きながら、自然とファミレスに向かうことになった。

「……うー、まだ冬休み気分が抜けないよ~」

  こたつが恋しい、と言わんばかりに、ゆいがコートの裾を握る。

「半日で助かったね」

  つかさは鞄を肩にかけながら、軽く息をつく。

「おなかすいたーっ! ねぇねぇ、ごはん行こうよ~っ!」

  りんが元気いっぱいに飛び跳ねる。

「じゃあ、近くのファミレス行こっか」

  ゆいが顔を上げて提案すると、ふたりも大きく頷いた。



 ファミレスは、始業式帰りの学生たちでほどよく賑わっていた。

 3人は窓際の席に座り、メニューを広げてわいわい盛り上がる。

「うわぁ、ハンバーグもいいし、オムライスも捨てがたいっ」

  ゆいが悩ましげにメニューを眺める。

「迷ったら全部ね」

  つかさがさらっと言って、りんが「それだーっ!」と笑う。

 各々好きなメニューを頼んで、料理が来るまでの間、自然とおしゃべりが始まった。

「冬休み、あっという間だったよね」

 「ほんとほんとーっ! かまくら作ったのとか、超楽しかったっ!」

 りんが大きな身振りで語るたび、隣のテーブルの子たちもちらちらとこちらを見たが、誰も気にしない。

「そういえば、今年の目標って決めた?」

  ゆいがふと思いついたように尋ねた。

「んー……あんまり怒らない?」

  りんが首をかしげると、つかさが小さく吹き出す。

「りんはあんまり怒らないでしょ。むしろテンション高すぎ」

 「えへへー、じゃあ“もっと元気に!”ってことでっ」

 つかさは少し考えてから答えた。

「私は……自分で決めたこと、ちゃんとやりきる」

「かっこいいなぁ、つかさ……」

  ゆいが目を輝かせながら言う。

「じゃあ、ゆいは?」

 「えっと……“毎日、ちゃんと笑う!”かなっ」

  照れたように笑うと、りんとつかさも自然と微笑み返す。

 そんなふうに、ささやかな目標をテーブルに並べながら、新しい一年への小さな一歩を、3人は踏み出していた。

 やがて、注文した料理が運ばれてきて、再びテーブルの上はわいわいにぎやかに。

 笑い声が窓の外の冬空へ、ふわりと溶けていった。
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