2 / 5
クロード・モネ『散歩、日傘を指す女性』の美という風に抱かれる
しおりを挟む印象派の巨匠モネ――その『散歩、日傘を指す女性』は、青と白の呼吸が画面を満たし、光と風が織りなす気品の女神を描いている
晩秋の抜けるような青空の下で出会ったえみやびさんは、パールの白、上品なグレー、そして生命の象徴セルリアンブルーを纏っていた
その瞬間、僕の脳裏に浮かんだのは、まさにモネのあの絵だった
難しい色――セルリアンブルーを自らの肌にまとわせ、しかもそれを支配するように着こなす彼女
光を受けて艶やかに反射する肌は、絹であり、また赤子の肌のように無垢であった
ターコイズをわずかに含むその青は、海の女神テティスを思わせる
慈悲と救済、そして甘美なエロスをその身に宿したみやびさんの姿に、僕は抗えぬまま「赦し」という名の支配を求めてしまう
谷崎潤一郎は言った――
「西洋の明るさは物の輪郭を明らかにする。しかし東洋の暗さは、物のあいまいな気配を際立たせる。」
みやびさんはその両極を内包している
出会いの時、彼女は西洋の明るさを纏い、僕を知的な鑑賞の悦へ誘う
けれどベッドの暗がりに入ると、彼女は東洋の暗がりを纏い、僕の自我の輪郭を溶かしてしまう
薄闇のなかで、僕は安らぎを覚えた
そこには、無駄のない静けさと、自然への復帰がある
だが、その静けさを破るのは、カーテン越しの光――夢と現を曖昧にする残酷な白
彼女の光があまりにも正直すぎて、僕の世界の奥行きを奪ってゆく
ベッドの中で、男である僕が「挿入される」側になる
彼女の指が肛門括約筋をなぞるたび、僕は筆先で描かれる絵の具のように反応し、安堵へと溶けていく
片方の掌は、不安を受け止める宿木のように優しい
―――世界が、彼女の肌ひとつで満たされた
「全部、入ったよ。」
その声に、僕は震えながらも、恍惚の笑みを浮かべていた
絵筆の刺す感覚のなかで、僕はいつのまにか「女」になっていた
彼女の指先は、ひとつの動きにも、儀式のような品位がある
女神の吐息と所作が、僕の恥部を清めるように降りてくる
その美と品位に包まれると、俗にまみれた自分があらわになり、 恥じる感覚がやがて甘やかな快楽に変わっていく
「ガマンして。まだ、ダメ。」
指責めと手淫
収縮と解放
括約筋のみやびさんを抗ってしまう収縮と、潮へ向かう排尿筋の解放
抗おうとする筋肉の震えを、彼女の支配が包み込み、赦しが重なる
命令の一語一語が赦しのようで、僕の罪を溶かしていく
支配されたい、と願う。いや、支配という言葉すら、今の彼女には似つかわしくない
それは、崇めたいという欲望の裏返しであり、彼女の掌の上で安らぎたいという、幼い祈りのようなものだった
―――祈りと背徳の間で支配の喜びに満たされた
「―――メスイキ。」
その一言に、世界が静止した
果てたあと、脱力した僕を彼女は黙って撫でる
愉楽と支配、恍惚と背徳の余韻
何も語られぬ沈黙の中で見つめられる方が、ずっと救われた
彼女の沈黙には、言葉よりも深い慈愛があった
―――美とは、この沈黙の中にこそ宿るのだ
ベッドを整える彼女の姿を、光がなぞる
白い肌とシルバーのあいだに漂う曖昧な色
――それが、僕の記憶に残る最後の美だった
彼女が去ったあとも、部屋には彼女の温度が沈殿していた
支配の余白に残る静かな痛みこそ、もっとも甘い
彼女との約束は、数えるほどの有限だ
だが、その儚さにこそ、美が息づいている
みやびさんは、僕にとってただ、愛という幻想を、もう一度信じさせてくれる人なのです
支配という赦しを求め、来月も約束を願ってしまいます
1
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる