ヤマアラシのジレンマ

宇流

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はるは昔からそうだった。
弱くて臆病なくせに周りには
まるで強くある様に見せる。
私にはそんなはるが
何をそんなに意地を張っているんだろうと不思議だった。
そんなはると初めて話したのは中2の夏だった
教室に忘れ物をとりに行った時
はるは1人ぽつんと気持ちよさそうに寝ていた。
色素の薄く白い肌長い睫毛に整った鼻筋
私はその寝顔に吸い込まれるかの様に魅入っていた。
しばらくするとはるは目を覚ました
「寝てた。…って君誰?」
「え?誰ってあんたと同じクラスの弘重龍司だけど」
「同じクラス……」
「まぁ私達いつもつるんでるグループ違うから知らなくても仕方ないわよ」
「…君おかまなの?」
「そうよ~薫って呼んでね」
「わかった。龍司」
「いや、あんたまだ寝ぼけてんの?」
それが私達の初めての会話だった。
それから私達は意外にも話が合うことに気づき
よく一緒にいる様になっていった。
そして私は前まで抱いていたはるの人物像が少し違うのだと気付かされた。
弱くて臆病でいじっぱりなのではなく
弱くて臆病でだからこそ
自分の脆く傷つけられたくない場所を
強く硬いガードで誰にもみられないように守っているのだと気付いた。
決して自分の本当の感情を表に出そうとせず
周りの空気に敏感に反応し
今自分がどのような立ち位置でいるべきかを
はるは本能的によくわかっていた。
それが自分自身を守る唯一の武器だったんだろう。
そんな脆い剣を盾に生きているはるに
もっと早く気付いてやればよかった。
いや、私は気付いていたのかもしれない。
けれどただ必死にただただ必死に自分を守ろうとする
はるが凄く哀れに見えて私は見えないフリをしたんだ。
はるは今もずっとあの罪を背負い続けている。
もはや罪なのか傷なのか何なのか分からないが
私もその何かを背負いたいと思うのは
きっと私のエゴなんだろう。


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