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ジーク 出会いと永遠の別れ

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「それでだが。私の打ち合いの相手を、誰かしてほしいのだが。」

「わかりました。私がやります。副団長には、今いる若い者の指導をしますので。ジーク様の相手ができるのは、副団長か私ぐらいですからね。それでも。本気を出されたら、相手は遠慮させてもらいますが。まだ現役でいたいのでね。」

「はは。持ち上げすぎだそ。ま。悪い気はしないがな。春の国一番の実力がある、騎士団長に言われたらな。」

周りの者は((本当なのにな))

◇ジークの剣術は、騎士団長よりも実力だけなら上。ただ。経験がある分。騎士団長のほうが少しは上。

「副団長も指導を頼んだぞ。
第6王子の護衛騎士になれるように、今から若い騎士を鍛えてくれ。他の王子や王女達の護衛騎士のようにな。」

「はい。お任せください。」
副団長は頭を下げた。

「護衛騎士…。」その言葉を聞いたここにいる若い騎士たちは、将来の希望を胸にいだき気持ちが高ぶった。
この日参加していた若い騎士達はその後。この日を境に、厳しい訓練を続けた。努力が実を結び実力をどんどんあげた。そして無事に、第6王子の護衛騎士に任命された。

ジークにとって、何気のない言葉でも。他の者にとっては心に響き影響力が強く、忠誠心を持つようになる。カリスマ性のかたまりである。
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