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321話
しおりを挟むなずながサーラの腕を掴み
「サーラ様。やっと見つけましたよ。長い散歩はもう終わりです。宮殿で王が待っていますよ。さぁ~帰りますよ。」
「嫌よ。帰らないわ。手紙にも二度と宮殿には帰らないと、書いていたでしょう。それに宰相からの手紙には、離縁したと書いてあったわよ。だから、新しい王妃と仲良くしていれば良いじゃない。私が帰る必要もないでしょう。」
会話を聞いていた周りでは
「え。サーラって。どこかの国の王妃様なの?」
「ただ者ではないと思ったが、王妃とは。しかも。この世界ではなく別世界のだぞ。」
「王から逃げていたのか。それも戻らない覚悟で。」
それぞれが、複雑な感情をもった。
なずなが呆れた顔をしながら
「離縁は嘘です。あの方がするわけないですよ。婚礼については、偽装です。(ベールを取り出しなずなはつけた。)」
「え。もしかして~あなたが私が水晶で見た花嫁なの?」
「そうですよ。サーラ様が安心すれば、一度宮殿に戻られるかと宰相が案をだし、実行しましたけど~だめでしたけどね。」
「嘘だったの。信じられない。もし、あの時に帰っていたら(ぶるぶる)それならよけいに、帰りたくないわ。あなただけ戻ってちょうだい。そして、伝えておいて。私は帰らないと。」
酷いわ(怒)サーラの旦那さん。偽装婚礼なんてするの。信じられない。なんだか、レオンがましに感じるわ。宮殿の生活も大変だったのね。
サーラ様。相当な覚悟だったのね。連れ戻されたらどうなるかわかっていて。
偽装婚礼~そこまでするのか。人の事は言えないが。その王という方は、相当サーラ様を溺愛しているんだな。
閉じ込めておきたい、王の気持ちもわかるけどなぁ~。
男性陣は複雑な気持ちだった。
なずなが「仕方がないですね。」とサーラの左手首に
カチャンと輪っかをつけた。
輪っかは、スルスルと手首に
ピッタリはまった。
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