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心の戦場
16.歓迎試合・見えない敵
しおりを挟む彩華のマップ上に敵を示す赤い点が表示された。
「みんな、来たよ。いま二個上の階にいる。人数は二人。絶対移動しないでね、移動したら探知されるから」
彩華の言葉に一気に皆の緊張が高まる。
「徹、智くん。そっちからは見える?」
狙撃兵の二人に状況確認を取る。
「こっちは特に見えない」
「同じく確認できない」
「了解。なら階段から私は階段を見張っているから。龍也は廊下を見てて」
「わかった」
龍也は廊下から敵が来ないか見張りをし、その間も彩華からの敵の情報は来ている。
「今、ちょうど真上に二人いる。階段を降りようとしてるけど警戒してるみたい」
「なあ、索敵兵の特殊装備使ってたりはしないか?」
徹からの疑問がとぶ。
「流石に敵がいるかもわからない状況で使ったりはしないと思うけど」
「相手はプロの先輩達かもしれないわけだろ。どんな作戦で来るのかわからないぞ」
「それでも動くのは得策ではないと思う」
「了解。...いた!。一人、もうその階に降りてるぞ。位置はそっちから見て南の通路」
「うそ、本当?」
「一瞬だったけど物陰が動いた」
「狙撃兵で突撃してるってこと?」
「龍也。南側になにか見える?」
「いや。何も見えない」
「念の為そっちを重点的に警戒しておいて」
「わかった」
龍也の緊張感が一気に高まる。それはチュートリアルで体験したものとは比較にならないもので、人生でもっとも心音が高まっていると感じていた。
(手が震えてる)
体験したことのない緊張感に龍也の手が小刻みに震えている。そうさに支障が出るほどではないように龍也は感じていた。
(早く来てくれ)
「上の二人も階段で止まってる。どうして来ないの?」
「バレてるんじゃないか?」
「バレてはいないと思うけど」
この状況に彩華の声にも心配の色が見え始める。そしてそれは一瞬の出来事だった。
それは徹と智の焦った声から始まった。
「「吹き抜けから一人。スロープで急降下してる」」
「えっ」
吹き抜けとなっている窓側からガラスが割られる音が聞こえる。龍也のいる部屋ではないが、非常に近い部屋に侵入されたことを音で確認する。
そして、一発の銃声が鳴り響く。
「ごめん外した」
徹からの報告がはしる。そして、龍屋は急ぎ部屋に侵入した敵の対処に動こうとしたときだった。画面から突如マズルフラッシュが起きると、光学迷彩で身を包んだライオンが現れ龍也を襲う。
(透明に!)
急速にダメージが減っていく中、なんとか龍也は銃を相手当てようとするが、なぜか手の震えが大きくなり、発泡をするも狙いが相手に定まらず、銃を当てることができなかった。
そして、龍也はダウンしてしまう。
「やられた」
「うそ、今そっちの...フラッシュ!」
彩華の画面は突如閃光により白くなる。そして画面が見えそうになったときには既にダウンしたあとであった。
「え、ど、どうしよう」
彩華の後ろで待機していた恵はフラッシュを受けることはなかったが、一瞬にして彩華と龍也がやられたことにより混乱していた。そして、部屋の中にライオンの姿の敵が入ってきた。
恵は発泡をし、数発当てることには成功するが、ヘッドショットを入れられダウンさせられてしまう。
「ごめんなさい。こっち全滅した」
こうして、一瞬のうちに彩華、龍也、恵は脱落してしまう。残ったのは狙撃兵の二人、しかし、徹は発泡してしまっているので移動すれば敵の索敵兵に探知されてしまうようになっている。
「轟先輩たちみたいね。私達をやったの」
右上に表示されたキャラ名の横には第3チームを知らせる『03』という文字が書かれていた。
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