小説家と少女

ぐり

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少女と日常

少女と宗教2

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「・・・」
「それで今回はどういったご用件で?」
「・・・」

(君から言い出したまえ)
(えぇ!無理ですよ!先生から言ってください!)
(ウサギ。これは命令だ。君は私が買った。だから命令することができる)
(今それ出すのズルですよ!今までそんなことしなかったじゃないですか!)
(え、じゃあ何?こんなことはもうやめろって真正面から言うわけ?私も無理だそんなの)
(いやでもここは大人の先生から言ったほうが)

 先生は深くため息をつき話を切り出す決心をした。

「その、なんだ。君の友達のキサク君が心配していてな。私たちのところに相談しにきたんだ」
「相談?」
「なんでも悪徳宗教まがいのことをやっているそうじゃないか。その、えっと、そういうのは良くないと思うぞ」
「悪徳宗教?何をおっしゃっているんですか?」
「え」
「私が信者からもらうのは5円から50円です。払えなかったらそれでいいです」
「最高価格五十円!?」
「それだけでは運営できないのでそれとは別にプランがあります」
「そう!それ!そういうのが良くないとね」
「まずは映画ドラマアニメ見放題プラン。こちら月額1250円です」
「え」
「さらに農業プラン。こちらお米1キロと野菜の詰め合わせを含めて990円です。うちで採れたお米や野菜を使っているので少し傷がありますが新鮮なものを渡してます」
「え」
「そしてその二つを合わせた欲張りプランが2000円です」
「・・・」

(先生)
(なんだね?)
(悪徳業者どころかすごい良い宗教なんですけど。なんならうちも入りたいくらいなんですけど)
(私も一瞬思った。が、まだわからない。もしかしたら信者に催眠的なこうなんかあれをしてるのかもしれない)
(催眠的なあれってなんですか!)
(知らないよ!とにかく聞いてみよう)

「トレミ君。その宗教に入ることで何か信者に強制してることとかあるのではないかね?隔離空間で過ごせとかそういうの」
「?いえ全くありませんよ?暇なときに来てもらって身を清め、信仰を捧げていただければ問題ありません。身を清めるためのお風呂場と服も用意してあります」

(悪徳宗教どころかホワイト宗教だよ!なにこれ?近年稀に見るホワイト宗教だよ!)
(そうですね。本当に入りたいくらいです)
(しかしそうなってくるとますます目的がわからないな)
(もうズバッと聞いてみたらどうです?私たちが警戒することはなにもなかったことですし)
(そうだな)

「トレミ君。君の目的はなんだね?これまでの話を聞く限りなんかふるさと納税とかサブスクとかと変わりないように思えるのだが」

「そう、ですね。周りから見たら私のしている行動なんておかしいですよね。わかりました。話します。キサクたちを心配させたくないですし」

 真剣そうな彼女の目に私たちは息を呑む。

「実は」
「実は?」
「ある神様に一目惚れしてしまって!」
「「は?」」
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