小説家と少女

ぐり

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少女と日常

少女と恋する乙女のお悩み

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 突拍子もない言葉に二人して驚いてしまった。

 え?なに?神様に一目惚れ?

「えっと一体どういうことかね?」
「順番に説明しますね。まずこの街の中心にあるビルの屋上に小さな神社があるじゃないですか」

 この街は商店街、私の通う小学校、住宅地が三点で結ばれる形となっておりその中心にはデパートや会社などの企業ペースがある。

 そしてトレミさんが言っているのは街の中心になっている廃墟ビルのこと。

 そのビルはかつていろんな企業が入っていたのだが地震によって壊滅的なダメージを受け、中に入っていた企業は別々のところに構えることとなった。

 今は立ち入り禁止となっているが肝試しやフォトスポットとして活用されている。もちろんビルの所有者がいるので勝手に入るのは不法侵入だが黙認されている。

 そのビルの屋上に小さな神社があるのだ。

「最近大学の研究やらで忙しくて疲れちゃって下を向きながら歩いてたんですけどそれではいけないと思って上を向いたんですよ。そしたらふとその神社が目に入りましてなんとなく気になったので入ってみたんですよ」
「それはあまり褒められたことじゃないな。立派な不法侵入だ」
「わかってます。入ったあとちゃんと所有者に連絡して謝りました」

 偉い。あそこは子どもたちの秘密基地的な場所になってたり不良たちの溜まり場になっていたり割と無法地帯の中わざわざ謝りにいくなんて。

「それでビルの階段を登って神社に入ったんですよ。神聖な雰囲気は感じましたがなんてことない神社でした。礼儀として五円を入れて二礼二拍手一礼をしました。疲れで頭が回らなかった私は特に願い事を言うことをしませんでした。そして顔を上げるとそこには」

 やけにためるのでなにが飛び出してくるのかと息を呑む。

「高身長ストレートパーマ。優しそうな風貌に浴衣姿の男性の神様がいたんです!もうドストライクでした!」
「「は?」」
「ですが彼は笑って私のことを見ているだけでなにも言ってくれません。しかし今にも消えてしまいそうなそんな儚さがありました。なので私はこの宗教を作り彼への信仰を集めることにしたのです」
「待って待って。頭の処理が追いつかない。えーとつまり君はその神様?に一目惚れしたからこの宗教を作ったってことであってるかな?」
「はい!その通りです!忙しくて疲れ切っている私に彼の笑顔はまさに癒しそのものでした。それから何度も通い彼に会っていたのですが最近はめっきり会えなくなってしまって」
「その会えなくなったというのはつまり見えなくなったということかね?」
「そうです。神様とか神聖なものって信仰心によってその存在が変わるというじゃないですか。なので私はもう一度彼に会うためにこの宗教を作り信仰を集めているんです。あのビルは取り壊されることが決まってます。ビルが取り壊されるということは神社も無くなってしまうということ。それだけは避けたいんです。意外にも私と同じようにあの神社を取り壊したくないという人がたくさん集まってくれて今のいっかく教が出来上がりました」
「なるほど。君の言い分は理解した。この宗教に詐欺や洗脳の類がないことも。だがなぜ彼らに隠すのかね?別にやましいことをしているわけではないのだから真実を伝えればいいものを」
「・・・神様に恋をしたなんで言ったら流石に引かれると思って中々言い出せなくて」

 いや今やってることも相当だけどね?キサクさんたちじゃなかったらドン引きもいいところだけどね?てゆうか行動力すご。

「天上さんは引かないんですね。こんな突拍子もない話を聞いて」
「いやまぁ引かないというか」
「私たちも似たようなことに最近あったんですよ」
「え?」

 私たちは五穀について話をした。

「なるほどそんなことが」
「そう。だから君の話を聞いて素直に信じることができたのだ」
「だったら!お願いがあるんですけど。その五穀様に彼について聞いてくれませんか?」
「わかった。聞いてみよう」
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