26 / 83
第3章 第3話 桃香の家 謎のゲーム
しおりを挟む
「桃香…こんな大きな家持ってるの?」
「そーだよー、ボク1人で住んでる」
桃香の家だと思われる大きな一軒家、その門から出てきたのはアッシュグレーの髪をした、小柄な体格の人物だった。猫耳はついていないが特徴的な髪の色なのは間違い無かった。
「その声…あなた、桃香なのね」
「そっ、これが現実での桃香・グリフィンの姿だよ」
現実の桃香の姿を見た人間は、少年か少女か、間違いなく迷うだろう。それほどまでに、桃香は中性的な容姿をしていたのだ。
「じゃあウチに入ってよ。玄関で立ち話すべきじゃないし」
ーー
「家の中も見た目通りの広さ…1人で全部の部屋使えないでしょ」
「使ってない部屋いっぱいあるよ。ボクの移動範囲リビングと風呂と自室くらいだし」
桃香の家には用途毎に別れた、多くの部屋があった。サンルームもあれば、ホームシアターと思われる部屋まである。
「へぇ良いじゃん。私も住んでみたい」
「ホントに住む?部屋余ってるし」
桃香はアナザーアース内と変わらず、軽いノリで話していた。早く話の内容に移って欲しいというのが、鼎の本音だった。
「テロ組織とアナザーアース開発者は敵対してる…ってのはこの前の戦いで分かった」
「ナガレとネネ…だっけ。開発者…ネネの方が追われてる様子だったね」
テロ組織の一員、ナガレは正体不明だった開発者をネネと呼んでいた。鼎達が開発者の名前を知る事が出来たのは、彼女のおかげだった。
「それからボクは、テロ組織の構成員の可能性がある怪しいアバターをチェックしていたんだ」
桃香は一度に大量にユーザーが増えた時期のデータに絞って、テロ組織の構成員を探していた。IDを少し変えただけのユーザーを量産するのは、何かしらの目的がある可能性が高いからだった。
「その大量に作られたユーザーが、テロを行おうとした形跡があるの?」
「いや…あるゲームにログインしていたんだ」
「テロ組織じゃなくて、サクラじゃないの?」
「サクラ仕込んでたら、今頃悪い意味で有名になってるよ」
鼎はテロ組織がマイナーな部類のゲームで、大量にユーザーを作っている理由を考えてみた。ゲームにアナザーアースの開発者が関わっているとしたら…
「そのゲーム、タイトルは?」
「lunar eclipse project。ゲームバランスは兎も角、UIの出来はとても良いよ。目立ったバグも無いし」
lunar eclipse projectの公式サイトを見ると、様々な見た目のキャラクターが戦うキービジュアルが最初に表示された。ケモ耳のキャラもいれば、アンドロイドと思われる人物もいた。
「…キャラクターの見た目がバラバラすぎて、どんな世界なのか分かりづらい」
「そこが良いんじゃん。ボクはアナザーアースのアバターを反映させてプレイしてるよ」
アナザーアースのアバターを反映させる…ログイン提携も行なっているのだろう。アナザーアースと提携してるのにも関わらず知名度がほとんど無い…
「このゲームにも何か隠されてる気がするんだよねー…鼎サンも遊んでみてよ」
「そーだよー、ボク1人で住んでる」
桃香の家だと思われる大きな一軒家、その門から出てきたのはアッシュグレーの髪をした、小柄な体格の人物だった。猫耳はついていないが特徴的な髪の色なのは間違い無かった。
「その声…あなた、桃香なのね」
「そっ、これが現実での桃香・グリフィンの姿だよ」
現実の桃香の姿を見た人間は、少年か少女か、間違いなく迷うだろう。それほどまでに、桃香は中性的な容姿をしていたのだ。
「じゃあウチに入ってよ。玄関で立ち話すべきじゃないし」
ーー
「家の中も見た目通りの広さ…1人で全部の部屋使えないでしょ」
「使ってない部屋いっぱいあるよ。ボクの移動範囲リビングと風呂と自室くらいだし」
桃香の家には用途毎に別れた、多くの部屋があった。サンルームもあれば、ホームシアターと思われる部屋まである。
「へぇ良いじゃん。私も住んでみたい」
「ホントに住む?部屋余ってるし」
桃香はアナザーアース内と変わらず、軽いノリで話していた。早く話の内容に移って欲しいというのが、鼎の本音だった。
「テロ組織とアナザーアース開発者は敵対してる…ってのはこの前の戦いで分かった」
「ナガレとネネ…だっけ。開発者…ネネの方が追われてる様子だったね」
テロ組織の一員、ナガレは正体不明だった開発者をネネと呼んでいた。鼎達が開発者の名前を知る事が出来たのは、彼女のおかげだった。
「それからボクは、テロ組織の構成員の可能性がある怪しいアバターをチェックしていたんだ」
桃香は一度に大量にユーザーが増えた時期のデータに絞って、テロ組織の構成員を探していた。IDを少し変えただけのユーザーを量産するのは、何かしらの目的がある可能性が高いからだった。
「その大量に作られたユーザーが、テロを行おうとした形跡があるの?」
「いや…あるゲームにログインしていたんだ」
「テロ組織じゃなくて、サクラじゃないの?」
「サクラ仕込んでたら、今頃悪い意味で有名になってるよ」
鼎はテロ組織がマイナーな部類のゲームで、大量にユーザーを作っている理由を考えてみた。ゲームにアナザーアースの開発者が関わっているとしたら…
「そのゲーム、タイトルは?」
「lunar eclipse project。ゲームバランスは兎も角、UIの出来はとても良いよ。目立ったバグも無いし」
lunar eclipse projectの公式サイトを見ると、様々な見た目のキャラクターが戦うキービジュアルが最初に表示された。ケモ耳のキャラもいれば、アンドロイドと思われる人物もいた。
「…キャラクターの見た目がバラバラすぎて、どんな世界なのか分かりづらい」
「そこが良いんじゃん。ボクはアナザーアースのアバターを反映させてプレイしてるよ」
アナザーアースのアバターを反映させる…ログイン提携も行なっているのだろう。アナザーアースと提携してるのにも関わらず知名度がほとんど無い…
「このゲームにも何か隠されてる気がするんだよねー…鼎サンも遊んでみてよ」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる