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第7章 第2話 unreal survival 桃香とトッププレイヤー
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(“unreal survival”…やっぱりプレイヤーいっぱいだね)
桃香は、専用のエリアがあった“lunar eclipse project”とは比べ物にならない程のユーザーの数を見て驚いていた。プレイヤーの数の多さを見て、桃香は改めて人気のMMORPGなのだと実感した。
(始めたばかりだしコツコツやらないといけないのか…それともプレイヤースキルで補えるか…)
ーー
「なんだアイツ…?!」
「昨日までいなかったよな…?」
桃香は“lunar eclipse project”のプレイ経験やブラックエリアで修羅場を潜り抜けて来た歴戦の勘で、あっという間にランキング上位のプレイヤーになった。強い武器を借りる事もあったが、その実力の高さは他のプレイヤーを驚かせた。
(いや~上位入れたけど、面白さで言ったら普通かな?こっから激しくなるだろうし楽しみだね…)
桃香はまだまだ余裕らしく、より激しい戦いを期待していた。仮想現実での戦闘経験が豊富な彼女にとっては、下位ランカーとの戦いはつまらないものだった。
(あれ…あの人は…)
桃香の視界に入ったのは竜の角や翼、尻尾が生えたアバターの女性だった。彼女はこのゲームのトップクラスの実力者であるドラファだった。
「やっほー!あなたがここで一番強いの?」
「…あなた、誰?」
いきなり大声で話しかけて来た桃香を見て、ドラファは引き気味の表情になった。猫耳も顔も可愛らしかったが、怪しさもMAXだった。
「ボクは桃香・グリフィン!アナタ強いんでしょ?なんて名前でやってるの?」
「…ユーザー名はドラファ、だけど」
ドラファはアナザーアースに登録したユーザー名をそのまま“unreal survival”でも使っていた。彼女は必死に表情を作って、桃香に対して早く離れたいという事を伝えようとした。
(何か嫌そうな表情してる…テンション高すぎたかな?)
桃香は少し落ち込んだが、いつまでも引き留めるつもりは無い。ドラファは桃香が大人しくなった事に気づいたので、その場を立ち去った。
(悪い人じゃなさそうだけどな…)
ドラファは桃香の後ろ姿を見ながら、どうするべきか悩んでいた。彼女はすでに、桃香に関する依頼を受けていたのだ。
ーー
「桃香ちゃんナイス!」
「そうでもないよ~」
桃香はその後も他のプレイヤーと協力して、高難易度ミッションを攻略した。彼女は初心者とは思えない実力を発揮して、周囲からの注目を集めていた。
(ん?ハンターからメッセージが来てる)
『何処で遊んでんだ!早く賭場に来い!』
ハンターから来たメッセージによると、賭場でまたトラブルが発生したらしい。丁度いいタイミングだったので、桃香はすぐにブラックエリアへ向かう事にした。
ーー
(ブラックエリアはいつも通り陰気だなぁ~)
桃香が出入りしているブラックエリアは、相変わらず妖しい雰囲気のネオンに照らされていた。路地の隅には頭部が破損したアバターが、疲れ切った様子で座っていた。
(何か賭場の方が騒がしいような…)
ーー
「大騒ぎどころじゃないじゃん!建物破壊されてんじゃん!」
桃香が到着した時には、既に賭場として使われている倉庫のあちこちが壊されていた。怪我人もかなり多いらしく、倒れている人も大勢いた。
「遅えよ桃香!」
「ちょっとハンター何があったの!?」
ハンターはデバイスを変形させて生成したスナイパーライフルを持っていた。桃香に駆け寄って来た彼の体には、既にいくつか傷がついていた。
「俺も分からねえ…いきなり襲撃されたんだ。ブラックエリアでは見ないツラだったが…」
「ブラックエリアの派閥争いじゃない…?」
次の瞬間、また爆発音がして桃香とハンターは周囲を警戒する。煙が上がっている方から歩いて来たのは、悪魔の翼と尻尾を持つアバターの少女だった。
「見つけたよ~桃香…アタシはリカ。そのアバター、壊しちゃうね」
桃香は、専用のエリアがあった“lunar eclipse project”とは比べ物にならない程のユーザーの数を見て驚いていた。プレイヤーの数の多さを見て、桃香は改めて人気のMMORPGなのだと実感した。
(始めたばかりだしコツコツやらないといけないのか…それともプレイヤースキルで補えるか…)
ーー
「なんだアイツ…?!」
「昨日までいなかったよな…?」
桃香は“lunar eclipse project”のプレイ経験やブラックエリアで修羅場を潜り抜けて来た歴戦の勘で、あっという間にランキング上位のプレイヤーになった。強い武器を借りる事もあったが、その実力の高さは他のプレイヤーを驚かせた。
(いや~上位入れたけど、面白さで言ったら普通かな?こっから激しくなるだろうし楽しみだね…)
桃香はまだまだ余裕らしく、より激しい戦いを期待していた。仮想現実での戦闘経験が豊富な彼女にとっては、下位ランカーとの戦いはつまらないものだった。
(あれ…あの人は…)
桃香の視界に入ったのは竜の角や翼、尻尾が生えたアバターの女性だった。彼女はこのゲームのトップクラスの実力者であるドラファだった。
「やっほー!あなたがここで一番強いの?」
「…あなた、誰?」
いきなり大声で話しかけて来た桃香を見て、ドラファは引き気味の表情になった。猫耳も顔も可愛らしかったが、怪しさもMAXだった。
「ボクは桃香・グリフィン!アナタ強いんでしょ?なんて名前でやってるの?」
「…ユーザー名はドラファ、だけど」
ドラファはアナザーアースに登録したユーザー名をそのまま“unreal survival”でも使っていた。彼女は必死に表情を作って、桃香に対して早く離れたいという事を伝えようとした。
(何か嫌そうな表情してる…テンション高すぎたかな?)
桃香は少し落ち込んだが、いつまでも引き留めるつもりは無い。ドラファは桃香が大人しくなった事に気づいたので、その場を立ち去った。
(悪い人じゃなさそうだけどな…)
ドラファは桃香の後ろ姿を見ながら、どうするべきか悩んでいた。彼女はすでに、桃香に関する依頼を受けていたのだ。
ーー
「桃香ちゃんナイス!」
「そうでもないよ~」
桃香はその後も他のプレイヤーと協力して、高難易度ミッションを攻略した。彼女は初心者とは思えない実力を発揮して、周囲からの注目を集めていた。
(ん?ハンターからメッセージが来てる)
『何処で遊んでんだ!早く賭場に来い!』
ハンターから来たメッセージによると、賭場でまたトラブルが発生したらしい。丁度いいタイミングだったので、桃香はすぐにブラックエリアへ向かう事にした。
ーー
(ブラックエリアはいつも通り陰気だなぁ~)
桃香が出入りしているブラックエリアは、相変わらず妖しい雰囲気のネオンに照らされていた。路地の隅には頭部が破損したアバターが、疲れ切った様子で座っていた。
(何か賭場の方が騒がしいような…)
ーー
「大騒ぎどころじゃないじゃん!建物破壊されてんじゃん!」
桃香が到着した時には、既に賭場として使われている倉庫のあちこちが壊されていた。怪我人もかなり多いらしく、倒れている人も大勢いた。
「遅えよ桃香!」
「ちょっとハンター何があったの!?」
ハンターはデバイスを変形させて生成したスナイパーライフルを持っていた。桃香に駆け寄って来た彼の体には、既にいくつか傷がついていた。
「俺も分からねえ…いきなり襲撃されたんだ。ブラックエリアでは見ないツラだったが…」
「ブラックエリアの派閥争いじゃない…?」
次の瞬間、また爆発音がして桃香とハンターは周囲を警戒する。煙が上がっている方から歩いて来たのは、悪魔の翼と尻尾を持つアバターの少女だった。
「見つけたよ~桃香…アタシはリカ。そのアバター、壊しちゃうね」
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