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番外編2 第3話 争覇の予感
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(最近はテロ組織が妙に大人しい…)
レイが巻き込まれたトラブルを解決したネネは、この日もアナザーアースを監視していた。特にテロリストの動向には、目を光らせていなければならない。
(直接ブラックエリアに赴くしかなさそうですね…)
ーー
ブラックエリアの奥深く、そこにはネネが用意した研究施設がある。ネネはそこから直接、ブラックエリア各所の映像にアクセスしていた。
(大規模な組織の殆どが活動していない…)
ネネはこの平穏は明らかな異常事態であると察していた。そしてこの平穏は、嵐の前の静けさでもあった。
ーー
(パスワードも変えておこう…)
ログアウトしたネネは、アカウントの設定をいくつか変えていた。他の悪意あるユーザーによるハッキングを防ぐ為だ。
(敦也にも…)
ーー
『しばらくアナザーアースへのログインを控えなければいけない理由を教えて頂けませんか?』
ネネの指示を受けた敦也だったが、意図が掴めなかった。彼は素直に、彼女に何故なのか理由を聞くメッセージを送った。
(…これは)
返信は時刻と、エリアの何処かを示している番号だった。この地点に向かえという指示だと、敦也は判断した。
(レストラン…)
時刻に合わせて指示された場所に向かった敦也の視界に入ったのは、座敷を模したレストランだった。二百年前の日本の建物を再現して建てられたらしい。
「来ましたね」
レストランの入り口の近くに立っていたのはネネだった。敦也が来た事に気付いた彼女は、相変わらず静かな目をしている。
「取り敢えず、食事にしましょう」
ーー
店内は落ち着いた雰囲気で、騒がしい客はおらず静かだった。観光客と思われる男性も、静かに酒を味わっていた。
席についたネネと敦也は、それぞれ料理の注文をした。ネネが頼んだのはアボカドとエビのサラダ、鯛のカルパッチョとソーセージの盛り合わせで、敦也が頼んだのはシーザーサラダとビーフカツレツだった。
「近いうちに、アナザーアースに良からぬ事が起こります」
「テロ組織に、動きがあったんですか」
食事を済ませて、食後のワインを嗜んでいるネネが話し始めた。日本の銘柄のウイスキーを飲んでいる敦也は、彼女の話を聞いていた。
「逆ですね。異様に静かです」
「準備をしているのでしょうか」
「私には、ただ怯えて縮こまって隠れている様に思えます」
「大きな嵐に、備えている…?」
ネネは神妙な表情で、何かを思い悩んでいる様子だった。常人である敦也は、何が彼女をそこまで悩ませているのか想像出来なかった。
「これからアナザーアースに起こる嵐は、創造者に止められるものではありません」
「…だから、自分達も身を潜める必要があると」
「はい…アナザーアースはもう一つの地球。どれ程地形が変わってしまうのか不安です」
「…分かりました。私のアカウントも、アナザーアースから切り離します」
敦也はネネの勧めに従って、アカウントをログアウトさせる事にした。それでも不安は拭えないし、アナザーアースがどうなるのか不安だった。
「私達は争乱を鑑賞して、楽しみましょう。現実世界の私たちがやるべき事は、それだけです」
レイが巻き込まれたトラブルを解決したネネは、この日もアナザーアースを監視していた。特にテロリストの動向には、目を光らせていなければならない。
(直接ブラックエリアに赴くしかなさそうですね…)
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ブラックエリアの奥深く、そこにはネネが用意した研究施設がある。ネネはそこから直接、ブラックエリア各所の映像にアクセスしていた。
(大規模な組織の殆どが活動していない…)
ネネはこの平穏は明らかな異常事態であると察していた。そしてこの平穏は、嵐の前の静けさでもあった。
ーー
(パスワードも変えておこう…)
ログアウトしたネネは、アカウントの設定をいくつか変えていた。他の悪意あるユーザーによるハッキングを防ぐ為だ。
(敦也にも…)
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『しばらくアナザーアースへのログインを控えなければいけない理由を教えて頂けませんか?』
ネネの指示を受けた敦也だったが、意図が掴めなかった。彼は素直に、彼女に何故なのか理由を聞くメッセージを送った。
(…これは)
返信は時刻と、エリアの何処かを示している番号だった。この地点に向かえという指示だと、敦也は判断した。
(レストラン…)
時刻に合わせて指示された場所に向かった敦也の視界に入ったのは、座敷を模したレストランだった。二百年前の日本の建物を再現して建てられたらしい。
「来ましたね」
レストランの入り口の近くに立っていたのはネネだった。敦也が来た事に気付いた彼女は、相変わらず静かな目をしている。
「取り敢えず、食事にしましょう」
ーー
店内は落ち着いた雰囲気で、騒がしい客はおらず静かだった。観光客と思われる男性も、静かに酒を味わっていた。
席についたネネと敦也は、それぞれ料理の注文をした。ネネが頼んだのはアボカドとエビのサラダ、鯛のカルパッチョとソーセージの盛り合わせで、敦也が頼んだのはシーザーサラダとビーフカツレツだった。
「近いうちに、アナザーアースに良からぬ事が起こります」
「テロ組織に、動きがあったんですか」
食事を済ませて、食後のワインを嗜んでいるネネが話し始めた。日本の銘柄のウイスキーを飲んでいる敦也は、彼女の話を聞いていた。
「逆ですね。異様に静かです」
「準備をしているのでしょうか」
「私には、ただ怯えて縮こまって隠れている様に思えます」
「大きな嵐に、備えている…?」
ネネは神妙な表情で、何かを思い悩んでいる様子だった。常人である敦也は、何が彼女をそこまで悩ませているのか想像出来なかった。
「これからアナザーアースに起こる嵐は、創造者に止められるものではありません」
「…だから、自分達も身を潜める必要があると」
「はい…アナザーアースはもう一つの地球。どれ程地形が変わってしまうのか不安です」
「…分かりました。私のアカウントも、アナザーアースから切り離します」
敦也はネネの勧めに従って、アカウントをログアウトさせる事にした。それでも不安は拭えないし、アナザーアースがどうなるのか不安だった。
「私達は争乱を鑑賞して、楽しみましょう。現実世界の私たちがやるべき事は、それだけです」
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