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屋敷の地下牢 歪の異能
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「あー酷い目に遭った」
「お疲れ様」
転移魔法でファルバウティの屋敷に戻って来たシャロンは、桜に作ってもらった夕食を食べていた。桜は兵士達に頼んで持って来てもらった物資で、ローストビーフなどを作っていた。
「ありがとね。こんな美味しい料理作ってもらって…」
「どういたしまして。他の料理人も作れるようになりたいって、頑張ってるよ」
桜の調理技術と良質な牛肉で作られたローストビーフは、絶品だった。それ以外にも新鮮な野菜のサラダもあり、備蓄品から作った料理とは大違いだった。
「結局、作戦は失敗だよ…次はどうしようかな」
「俺達はいつ解放してもらえるんだ…」
シャロンは悩ましそうにしていたが、俺はもっと悩んでいた。一方の桜はすっかり順応していて、ここでの暮らしも平気そうだった。
「そういえば、今朝地下への階段を見つけたんだが…地下室があるんだな」
「うん。倉庫だけじゃなくて牢屋もあるよ」
シャロンは俺が屋敷内の探索をしている事に、驚いていなかった。屋敷の構造を知っている彼女からすれば、抜け道を探す事など意味のない行為なのだろう。
「地下牢の居心地はどう?」
「最悪だよ…」
暗い地下牢の壁には人は通り抜けられないが、風が吹き抜ける隙間がある。その冷たい風は確実に、涼子の体にダメージを与えていた。
「異世界に何しに来たのか、この世界で何をするのか話してよ」
「全部話さないと解放しないつもりでしょ…」
「うん」
「分かったよ…」
涼子は寒さで鈍った頭で、伝えていい情報はどれか必死に考えた。全て包み隠さずこの世界の人間に伝えるのは、あまりにも危険だった。
「宝玉の内、3つはオリヴァース大陸にあるはずだけど…結局まだ見つかってない」
「それは知ってる」
「海の底に沈んだ2つについても、色々な街で聞いて回った…大体の場所は掴めてる」
「それじゃあ、私の部隊に探させるよ」
涼子は凍えながら、少しずつシャロンに情報を伝えた。シャロンは涼子の言った海域の名前を、メモに残していた。
「グリフ海域は怨霊が出るって有名な場所だけど…ゲイル湾?あそこに何かあるって噂は聞いた事ないけど」
「過去の事件に関する資料と照らし合わせると、そこにある可能性が高いって考えたの…」
シャロンは牢屋に連れて来ていた兵士達に、宝玉捜索の指示を出した。シャロンはさらに気になっている宝玉の在処を聞き出そうとした。
「天空の宝玉は何処にあるの?」
「分からない…夢の中の世界というのが比喩なのか、本当に夢の世界なのかも突き止められていない」
「夢の中に行く方法は見つかってない?」
「見つかってないよ…」
シャロンは涼子が思ったより有能ではない事に、少しガッカリしていた。だが、シャロンにはどうしても知りたい事があった。
「あなたはメルビィと共に探索した遺跡で、宝玉の一つを入手しているはず。何処にあるの?」
「…!持ってない。遺跡は探索したけど、途中で強い魔物に遭遇して、宝玉は見てすら…」
「メルビィは、あなたが宝玉を盗み出した可能性があるって言ってたけど」
「それはアイツの勘違いだ!私はまだ宝玉を一つも手に入れられていない!」
そうなのね、と言ったメルビィは涼子を残して、地下牢から出て行ってしまった。残された涼子は、寒風に凍える事しか出来なかった。
(私には叶えたい願いがある。こんな所では終わらないからな…)
涼子は仕方なくシャロンの尋問を受けたが、脱出する方法はあった。当分ここには来ないと判断した彼女は、反撃の準備を始めた。
(…有用そうなのは兵士達が使ってるよな)
俺はシャロンがいない隙を見て、倉庫などを漁っていた。だが、雪山を移動する時に使う装備などは、それぞれの兵士が所有する物になっていた。
(何か古い鎧もあるけど、どう見ても実用性ゼロだしな)
倉庫にある古い鎧には美しい装飾がなされていたが、そんな物を着たところで寒さは凌げない。今回も収穫を得る事が出来ないまま、俺は与えられた部屋に戻って眠りについた。
「毎日作ってくれてありがとな。俺も何か手伝える事があったら…」
「大丈夫。実は兵士の人たちにも手伝ってもらってるの」
今回の夜ご飯はラム肉を使ったシチューとパンだった。シチューにはじゃがいもや玉ねぎ、人参なども入っていて、パンは備蓄の硬い物ではなく兵士が取り寄せて来た柔らかいパン。
「次の作戦はどうしたら良いか、まだ決まって無いんだよね」
「俺は協力しないぞ。後、何度目か分からないが、俺達を早く王都に帰してくれ」
俺はシャロンの作戦が進歩しない事にも、少しイラついていた。早く彼女の望みが達成されれば、王都に帰れるかも知れないと思っていたのだ。
「レイジ達を捕らえていたのはやっぱりアンタだったんだね」
「…え?!」
「何で?!あそこからどうやって脱出したの?!」
俺達が夕食を食べているところに現れたのは、あろう事か涼子だった。着ている服はこちらの世界の物では無く、俺達の世界にあるダウンコートだった。
「歪を通って、私達の世界に戻ってたんですね」
「正解だよ、桜ちゃん」
「それがお前の異能…そんなインチキあってたまるか‼︎」
シャロンは自分の中での"想定外"を超えて来た事に、かなりキレていた。涼子は自身の優位を自覚した様な、勝ち誇った表情になっていた。
「じゃあ…色々話すよ。レイジと桜もいるからね」
「お疲れ様」
転移魔法でファルバウティの屋敷に戻って来たシャロンは、桜に作ってもらった夕食を食べていた。桜は兵士達に頼んで持って来てもらった物資で、ローストビーフなどを作っていた。
「ありがとね。こんな美味しい料理作ってもらって…」
「どういたしまして。他の料理人も作れるようになりたいって、頑張ってるよ」
桜の調理技術と良質な牛肉で作られたローストビーフは、絶品だった。それ以外にも新鮮な野菜のサラダもあり、備蓄品から作った料理とは大違いだった。
「結局、作戦は失敗だよ…次はどうしようかな」
「俺達はいつ解放してもらえるんだ…」
シャロンは悩ましそうにしていたが、俺はもっと悩んでいた。一方の桜はすっかり順応していて、ここでの暮らしも平気そうだった。
「そういえば、今朝地下への階段を見つけたんだが…地下室があるんだな」
「うん。倉庫だけじゃなくて牢屋もあるよ」
シャロンは俺が屋敷内の探索をしている事に、驚いていなかった。屋敷の構造を知っている彼女からすれば、抜け道を探す事など意味のない行為なのだろう。
「地下牢の居心地はどう?」
「最悪だよ…」
暗い地下牢の壁には人は通り抜けられないが、風が吹き抜ける隙間がある。その冷たい風は確実に、涼子の体にダメージを与えていた。
「異世界に何しに来たのか、この世界で何をするのか話してよ」
「全部話さないと解放しないつもりでしょ…」
「うん」
「分かったよ…」
涼子は寒さで鈍った頭で、伝えていい情報はどれか必死に考えた。全て包み隠さずこの世界の人間に伝えるのは、あまりにも危険だった。
「宝玉の内、3つはオリヴァース大陸にあるはずだけど…結局まだ見つかってない」
「それは知ってる」
「海の底に沈んだ2つについても、色々な街で聞いて回った…大体の場所は掴めてる」
「それじゃあ、私の部隊に探させるよ」
涼子は凍えながら、少しずつシャロンに情報を伝えた。シャロンは涼子の言った海域の名前を、メモに残していた。
「グリフ海域は怨霊が出るって有名な場所だけど…ゲイル湾?あそこに何かあるって噂は聞いた事ないけど」
「過去の事件に関する資料と照らし合わせると、そこにある可能性が高いって考えたの…」
シャロンは牢屋に連れて来ていた兵士達に、宝玉捜索の指示を出した。シャロンはさらに気になっている宝玉の在処を聞き出そうとした。
「天空の宝玉は何処にあるの?」
「分からない…夢の中の世界というのが比喩なのか、本当に夢の世界なのかも突き止められていない」
「夢の中に行く方法は見つかってない?」
「見つかってないよ…」
シャロンは涼子が思ったより有能ではない事に、少しガッカリしていた。だが、シャロンにはどうしても知りたい事があった。
「あなたはメルビィと共に探索した遺跡で、宝玉の一つを入手しているはず。何処にあるの?」
「…!持ってない。遺跡は探索したけど、途中で強い魔物に遭遇して、宝玉は見てすら…」
「メルビィは、あなたが宝玉を盗み出した可能性があるって言ってたけど」
「それはアイツの勘違いだ!私はまだ宝玉を一つも手に入れられていない!」
そうなのね、と言ったメルビィは涼子を残して、地下牢から出て行ってしまった。残された涼子は、寒風に凍える事しか出来なかった。
(私には叶えたい願いがある。こんな所では終わらないからな…)
涼子は仕方なくシャロンの尋問を受けたが、脱出する方法はあった。当分ここには来ないと判断した彼女は、反撃の準備を始めた。
(…有用そうなのは兵士達が使ってるよな)
俺はシャロンがいない隙を見て、倉庫などを漁っていた。だが、雪山を移動する時に使う装備などは、それぞれの兵士が所有する物になっていた。
(何か古い鎧もあるけど、どう見ても実用性ゼロだしな)
倉庫にある古い鎧には美しい装飾がなされていたが、そんな物を着たところで寒さは凌げない。今回も収穫を得る事が出来ないまま、俺は与えられた部屋に戻って眠りについた。
「毎日作ってくれてありがとな。俺も何か手伝える事があったら…」
「大丈夫。実は兵士の人たちにも手伝ってもらってるの」
今回の夜ご飯はラム肉を使ったシチューとパンだった。シチューにはじゃがいもや玉ねぎ、人参なども入っていて、パンは備蓄の硬い物ではなく兵士が取り寄せて来た柔らかいパン。
「次の作戦はどうしたら良いか、まだ決まって無いんだよね」
「俺は協力しないぞ。後、何度目か分からないが、俺達を早く王都に帰してくれ」
俺はシャロンの作戦が進歩しない事にも、少しイラついていた。早く彼女の望みが達成されれば、王都に帰れるかも知れないと思っていたのだ。
「レイジ達を捕らえていたのはやっぱりアンタだったんだね」
「…え?!」
「何で?!あそこからどうやって脱出したの?!」
俺達が夕食を食べているところに現れたのは、あろう事か涼子だった。着ている服はこちらの世界の物では無く、俺達の世界にあるダウンコートだった。
「歪を通って、私達の世界に戻ってたんですね」
「正解だよ、桜ちゃん」
「それがお前の異能…そんなインチキあってたまるか‼︎」
シャロンは自分の中での"想定外"を超えて来た事に、かなりキレていた。涼子は自身の優位を自覚した様な、勝ち誇った表情になっていた。
「じゃあ…色々話すよ。レイジと桜もいるからね」
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