鼻を擽る

ねむり

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さっきの醜い感情なんて一瞬で忘れた。












引き寄せられるように




相手の方に目を向けた。







俺と目を合わせるそいつは



心なしか頬も耳も色付いていて






風が髪を揺らす度に鼻を擽るその匂いに




僕はどうしようもなく惹き付けられた。







「...!
いや...俺も悪かった」






ゴクリと唾を飲んだ。






なんて綺麗なんだ





「よろしくな!」





そう言う目の前の俺より少し小さな男に






俺は









また喉をならした。















獲物を狙うかのように











目を光らせて










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