私と彼女の物語

美船誇波

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~助けてられていたようで助けてもいた~

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私と彼女は、親友どうしだ。
私達は今高校生だが彼女は中学三年の二学期ごろから登校拒否を始めた。
その頃の私は何もわからずただただ彼女に合いたいが為にLINEをする日々。
今思えばそれすらも嫌だっただろうに…
私が無理矢理連れていった中学の卒業式。
彼女は私が誘うなら行くと言ってくれたが今の私からすればほぼ無理矢理だったとおもう。
彼女には中学三年の秋頃から付き合い始めただいぶ年上の彼氏さんがいた。
彼女は彼氏さんからの強い束縛に悩み、精神を病んだ。
中学を卒業し、私達はそれぞれ別の高校(彼女は通信の高校、私は公立の高校)へ通うようになった。
彼女の彼氏がうるさく、会うことも通話することもLINEすることすらもあまりできない状況だった。
そんな日々は、彼女に依存していた私にとっては絶望に近い日々だった。
その時期から彼女は彼氏さんのことで色々悩んでいて、もともと服を見に行くことが好きだった彼女が、人が怖くて服を見に行くことすらできなくなるくらいになってしまっていた。
東京に住んでいる私達はにとって、電車は利用せざるを得ないが、その時の彼女は電車などとても乗れる状態ではなかった。
その為、高校に通うことすらままならなかった。
彼女は去年の五月頃から親に頼んで精神科を受診し始めた。
彼氏さんのこととかでストレスとなって、彼女抜毛をするようになった。
医師からはパニック障害と抜毛症という診断を受けたという。
それから彼女の闘病生活は始まった。
幸い私や彼女の両親、彼氏さんは精神病を理解してくれているので彼女的には少しは安心できてるのかもしれない。
3~4ヶ月に一度会えるか会えないか、数ヵ月に一度通話できるかできないか、一ヶ月に一度LINEの返信がくるかどうか…
そんな生活を続けていた私達。
だが、今年の2月に自分の具合が悪くなった大本の原因がその彼氏さんであることに気付いた彼女は彼氏さんに別れを切り出した。
そのあとしばらくは家まで行くだの、殺してやるだのという脅しが続いたが、私は彼女に電話番号からメールアドレスまで何もかもスマホごと変えることを勧めた。その理由は、彼女は彼氏さんにリモートアプリを入れられていたからだ。消去したとは言っていたが念には念をとスマホを変えることを勧めたのだ。
彼女は私の勧め通りスマホごとすべてを変えて今では全く連絡が来ていない。
その彼氏さんと別れたことによって彼女を悩ませていたものの半分以上をとることができたので彼女の精神状態はあの頃よりは落ち着いている。
だが、今度は私の精神状態がおかしくなってしまった。
症状としては人が怖く、人混みに行けなかったり気配や音が気になったり、抜毛や、爪立て、不眠や拒食症、幻覚や幻聴等の症状がある。
親には私からは言えず、今まで家でも学校でも前のように明るく見えるように、心配をかけないように振る舞ってはいたが、それももう限界だったので学校の先生に相談した。
すると学校の先生から親に話してくれ、学校の先生と彼女の勧めで精神科を受診することになってこの前初めて受診した。
精神科の医師からはパニック障害とうつ状態と統合失調症と抜毛症を含む自傷行為をしているとの診断が下った。
だが、その医師と会わず、そのあと親とも色々もめてしまった。
そのすべてを知っている彼女は私にとっての唯一の居場所となってくれている。
だが、私としてはあまり迷惑や心配はかけたくない。彼女にそういうと迷惑だとか思ってないから大丈夫だよ!と答えてくれるが、それと同時に幻聴が聞こえてきて私の悪口を言うので何が本当なのかわからなくなってくる。
そして、幻覚で見える黒い服を着てフードを深く被ったお年寄りがこっちにおいで。と私を呼んでいる。
この前はその人の言う通りについていったら気づいたらベランダに立っていた。
それを彼女に話すと彼女はすべて受け入れてくれた。
こんな話、他の人は、例え親でさえも信じてくれないのに本当にいい親友だ。 

あれから2日がだった。
私の精神状態は限界を迎えている。
これは本当に限界だ。
幻覚や、幻聴のことなどで親戚のみんなに裏切られそれどころか親すらも受け入れるどころか信じてもくれなくなってしまった。
私はどうしようもなくて、今では束縛されていない彼女にLINEした。
「ねぇ、助けて」
それしか打てなかった。
すぐに既読がついた。
「ん?どうした?」
「もう無理。逃げてもいい?」
「ちょっと待ってなね」
それを最後に彼女からのLINEが途切れた。
と思ったら彼女から電話がかかってきた。
「もしもし?もしもし!」
彼女の声が聞こえてきた。平然を装おうとしているがいつもよりも少しだけ焦った声だった。
「もしもし…」
そう答えた私の声は今まででは考えられないほどとても弱々しい声だった。
「どうした?」
彼女が心配してくれる、優しい声が聞こえてくる。
「もう無理だわ。私」
「そんなことないよ」
「いや、本当に限界。これ以上どうしようもなんないよ…」
「大丈夫だよ!ほら、私がいるじゃん」
「…」
「私でもダメかぁ… わかった。今から会お?」
「うん…」
私は彼女に会いたかったので彼女からの誘いを受け入れた。

あれから約10分後、少し彼女は慌てた様子で私の家に来た。私を迎えに来てくれたのだ。

「久しぶり!ねね、今からどこかに出掛けようか?どこがいい?」
「うん、久しぶり。え?今から?具合大丈夫なの?」
私は自分の状態よりも彼女の方が大事なのでそう問う。
「うん、今日は大丈夫。しかも、私の体調がどうとかとかいってられないでしょ?」
彼女にはとても、心配をかけてしまっているようだ。
「ありがとう…。でもどこに行くの?もう、夕方6時をまわってるよ?」
「うん!何時だっていいんだよ。好きなとことか行きたいとことかない?」
それを聞いた私は少し考えてから…
「色々考えてくれてるのに本当にごめんね。もうどこも行きたくないしいきたくもないんだ」
「そっか。私でもダメかぁ…
じゃあ、いいところ知ってるよ!」
彼女は私の手をとって私を導いてくれている。私はその導きにしたがってついていく。

しばらくあるいてついたのは高いビルの屋上
「ねぇ、ここって…」
「うん。そうだよ。だってもうこれ以上限界でしょ?それに、私からしても無理しすぎてるからこれ以上はもう無理させたくないし。頑張ってる人に頑張って!って言葉は必要ないでしょ?その人を責める以外の何者でもない。だから私はあなたをここにつれてきた。」
「うん、そっか。そうだよね。ありがとう。でもいいの?君にはまだ大切な人生が…」
「その事なら気にしないで!」
普段はおとなしい彼女にしては珍しく勢いよく言った。
「大丈夫だから気にしないで。だって、あなたが消えた世界なんか私にとっては無意味だもの。あなたが私を求めて依存するように私もあなたを求めているの。だから二人でいこ?」
彼女は優しくそういいながら、高いビルの下を指差した。
そこには仕事帰りで疲れはてた人達の群れがあった。
嫌になった私は上を見上げた。
するとそこには夜になった空があった。
きれいな星達がこちらを覗き混んでいて、それを雲の並みが優しく包んでいるようなそんな空。
私は隣にいるはずの彼女の方を向いた。
彼女も同じように空を見ていた。
私が彼女を見ていることに気付くと彼女も私の方を見つめている。
しばらく二人で見つめあったあと、どちらからともなく手を繋ぎ…
「「じゃあ行こうか」」
偶然、二人同時にそういって笑いながら私達は夜の空に優しく包まれながら都会の空気に交わっていった。
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みんなの感想(1件)

ママ亀
2021.07.20 ママ亀

いい物語でした

解除

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